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12月06日-03号

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  1. いわき市議会 2016-12-06
    12月06日-03号


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    平成28年 12月 定例会            平成28年12月6日(火曜日)議事日程第3号 平成28年12月6日(火曜日)午前10時開議  日程第1 市政一般に対する質問---------------------------------------本日の会議に付した事件          〔議事日程第3号記載事件のとおり〕---------------------------------------出席議員(37名)     1番  川崎憲正君      2番  木田都城子君     3番  木村謙一郎君     4番  山守章二君     5番  塩沢昭広君      6番  柴野美佳君     7番  鈴木 演君      8番  田頭弘毅君     9番  坂本康一君      10番  伊藤浩之君     11番  狩野光昭君      12番  福嶋あずさ君     13番  小野潤三君      14番  西山一美君     15番  永山宏恵君      16番  大峯英之君     17番  小野 茂君      18番  塩田美枝子君     19番  馬上卓也君      20番  吉田実貴人君     21番  渡辺博之君      22番  溝口民子君     23番  坂本 稔君      24番  上壁 充君     25番  蛭田源治君      26番  菅波 健君     27番  大友康夫君      28番  阿部秀文君     29番  安田成一君      30番  赤津一夫君     31番  小野邦弘君      32番  石井敏郎君     33番  蛭田 克君      34番  磯上佐太彦君     35番  佐藤和良君      36番  樫村 弘君     37番  佐藤和美君欠席議員(なし)---------------------------------------説明のため出席した者 市長         清水敏男君   副市長        上遠野洋一君 副市長        鈴木典弘君   教育長        吉田 尚君 水道事業管理者    仲野治郎君   病院事業管理者    平 則夫君 代表監査委員     木村 清君   農業委員会会長    鈴木 理君 選挙管理委員会委員長 飯間香保子君  総合政策部長     新妻英正君 危機管理監      緑川伸幸君   総務部長       岡田正彦君 財政部長       伊藤章司君   特定政策推進監    大和田 洋君 市民協働部長     下山田松人君  生活環境部長     小野益生君 保健福祉部長     園部義博君   こどもみらい部長   本田和弘君 農林水産部長     村上 央君   産業振興部長     荒川 洋君 土木部長       松本守利君   都市建設部長     高木桂一君 会計管理者      大高雅之君   教育部長       増子裕昭君 消防長        草野正道君   水道局長       上遠野裕美君 総合磐城共立病院事務局長       秘書課長       赤津俊一君            渡部 登君 総務課長       久保木哲哉君---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長       荒川信治君   次長         大槻雄二君 参事(兼)総務議事課長 山崎俊克君   総務議事課主幹(兼)課長補佐                               大須賀俊雄君 主任主査(兼)議事係長 金山慶司君---------------------------------------          午前10時00分 開議 ○議長(菅波健君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、配付の議事日程第3号をもって進めます。--------------------------------------- △日程第1 市政一般に対する質問 △伊藤浩之君質問 ○議長(菅波健君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。10番伊藤浩之君。          〔10番伊藤浩之君第二演壇に登壇〕 ◆10番(伊藤浩之君) (拍手)皆さんおはようございます。10番日本共産党いわき市議団の伊藤浩之です。 国政の問題は、広くいわき市民が平等に、また幸福を覚えながら生活していく上で、そのベースをつくる大切な問題であると思います。 私たち日本共産党いわき市議団として、せんだって市長に提出した来年度予算編成に当たっての要望書で、真っ先に国政にかかわる問題での意思表明を求めたのは、こうした観点からでした。市長は、国政問題は国のことだからと、これらの問題に触れることを避けられたわけでありますが、30分の懇談時間という、時間がない中での御配慮だったと思いますので、改めて非核平和都市宣言にかかわり、幾つかの問題で御見解を伺いたいと思います。 12月2日の新聞が2017年度予算案の防衛費について伝えました。過去最大の5兆1,000億円程度にふやす方向で調整していることがわかり、安倍政権になって編成した予算では、2013年度以降5年連続の増額になっているといいます。また、年明けの通常国会に提出する方針の今年度の第三次補正予算案には、防衛費の1,755億円の増額が盛り込まれることが明らかになったといいます。 その記事は防衛費について次のように書いていました。社会保障や教育費を初め、他の予算を切り詰める中で異例の優遇ぶりが改めて浮かび上がった。さらに、日米同盟安定化アピールと見出しのついた解説記事の中には次のような見方も示されていました。防衛費増は、南スーダンの国連平和維持活動で自衛隊の新任務、駆けつけ警護が12日から遂行開始となるなど、安全保障関連法が運用段階に入ったことも踏まえたと見られる。このように書いているのです。赤旗なら当たり前の記事でしょうが、一般の新聞、地方紙がこうした記事を一面に大きく掲載した。ここには1つの危機意識があらわれているのではないか。そのように思うのであります。 この先、どう展開していくのかは定かではありせんが、来年1月20日は米軍の駐留経費をもっと出せと選挙戦で公言したドナルド・トランプ氏が大統領に就任します。こうしたアメリカからの外圧、そして記事も紹介する安全保障関連法制による海外での集団的自衛権行使の拡大、こうしたものが防衛費拡大の圧力となって国家財政を圧迫するときが来るのではないか。そんな懸念が湧いてきます。 そして参議院選挙の後に安倍首相は、改憲議論の推進に期待を述べ、我が党の案をベースにしながら3分の2をいかに構築していくか、これが政治の技術と言っていいだろうと述べましたが、この自民党の改憲草案には緊急事態条項が設けられ、緊急事態時には、生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他の公の機関の指示に従わなければならないとすることが書かれています。 このことについて自民党が発行する日本国憲法改正草案Q&A増補版では、国民の生命、身体及び財産という大きな人権を守るために、そのため必要な範囲でより小さな人権がやむなく制限されることもあり得る。このように解説しております。ある専門家は、人権に大きいも小さいもないと、解説自体に異議を唱えていますが、ここに書いてあることは緊急時には防衛費確保のために生存権に基づく社会保障を初め、さまざまな施策が制限される、そんな社会が見えてくるわけであります。 こうした状況の中で恒久平和への願いが織り込まれたいわき市非核平和都市宣言には大切な意義があると思います。宣言の願いを広くアピールし、宣言に基づく取り組みを大きく進めていくことが、市民が安心して暮らす、そのベースとなる環境をつくっていくことにつながると考えます。 そこでまず、多くの憲法専門家から憲法違反と指摘をされ、国民からも慎重審議を求める声が吹き上がる中で採決が強行され、この11月にその任務を付与して自衛隊の部隊を海外に派遣した安全保障関連法制、戦争法の問題について伺います。 駆けつけ警護など、戦場での救援活動の任務を与えられた自衛隊の部隊が、紛争の危険が大きい南スーダンのPKO活動に派遣されたことに関して、どのような認識をお持ちでしょうか。 ◎市長(清水敏男君) 南スーダンにおけるPKO活動への自衛隊派遣につきましては、外交政策に関する国の専管事項でありますので、地方行政をあずかる立場にある市長として、論評は差し控えさせていただきます。 ◆10番(伊藤浩之君) 7月上旬に自衛隊が駐留する首都ジュバで、大統領派の政府軍と副大統領派の反政府勢力の間で大規模な戦闘が発生し数百人が死亡するなど、各地で紛争が続いていますし、民族紛争の一方の当事者である前副大統領が、和平合意は完全に崩壊した、近く総攻撃をかけるなどと話していて、いつ戦闘が再燃してもおかしくない状況があります。 こうした現地情勢を受けて、国連のアダマ・ディエン事務総長特別顧問が先月11日に、南スーダンの紛争は政治的な対立で始まったものが完全な民族紛争になり得るものへと変質したと述べて、ジェノサイドいわゆる大量民族大虐殺に発展するおそれがあると強い懸念を示す状況になっています。 PKOへの参加5原則では、その1つに紛争当事者間の停戦合意を掲げていますが、こうした前提そのものが崩れていると考えられる事態での派遣になっているという現実をやはり見ていかなければならないと思います。安保法制の廃案を求める署名に、身内が心配だと言って、人目をはばかるように街頭で署名した自衛隊関係者の家族がおりました。こうした方々の意を酌みながら恒久平和の達成に向けて海外での武力行使に対する反対の意志を表明し、自衛隊の南スーダンからの撤退を求めるべきではないかと思っております。 国の専管事項だから回答は差し控えるというようなことではなくて、やはり市民の皆さんの意をしっかり酌んでいくことが必要だと思いますが、市長、改めて答弁をお願いします。 ◎市長(清水敏男君) 改めての答弁になりますが、国の安全保障に関することでありますので、地方行政をあずかる立場にある市長として、論評は差し控えさせていただきます。 ◆10番(伊藤浩之君) 私は了解できないのでありますが、海外に派遣された自衛隊員の皆さんの命の危険を拡大することがあってはならないと思います。ましてや海外の戦場で命を落とすような状況に追いやってはならないと思っております。 いわき市でも毎年、自衛隊入隊者の激励会を開いています。どんな思いが込められた激励会なのでしょうか。自衛隊員として任務をこなすための訓練を頑張ってほしい。東日本大震災のときに献身的に行った救援活動のように、災害時に人々を支えるために頑張ってほしい。そして万が一、日本に攻め込むような国があったときには、この国を、この郷土をしっかり守ってほしい。そんな思いでの激励会なのではないでしょうか。そこには、海外の戦場での戦闘をしてきてほしい、そこで命をかけて戦ってほしいという激励は含まれていないものと私は思っております。 いわき市出身の自衛隊員もいます。この隊員たちの命を、1人の命も海外の戦場で失わせない、1人の命も海外の戦場で奪わせてはならない。そのためにもしっかり意思表明をすることを改めて検討するというか、考えていただくことを求めながら次の質問に移ってまいりたいと思います。 いわき市非核平和都市宣言は、核兵器はつまらないからよせと、直接的には世界から核兵器を廃絶することを目指すものです。戦後一貫してふえ続けた核兵器ですが、中距離核戦力全廃条約いわゆるINF、包括的核実験禁止条約CTBTなどが国連で採択されるなど、削減に向けた取り組みがされてまいりました。 間もなく任期を終えようとしているアメリカのオバマ大統領は、2009年4月にチェコのプラハで演説し、核保有国として、核兵器を使用したことがある唯一の核保有国として、米国には行動する道義的責任があるとして、米国が核兵器のない世界の平和と安全を追求する決意であることを信念を持って明言いたしますと述べ、核兵器廃絶を目指すことを宣言しております。そして、今年5月に広島を訪問した際には、核を保有する国々は、勇気を持って恐怖の論理から逃れ、核兵器なき世界を追求しなければなりませんと改めて核兵器廃絶の理想を語っておりました。 それでも今なお世界中に1万5,350発が存在するとされ、人類を何度も死滅させるほどの量が蓄積されているという点から見ると、核兵器の危険性は以前と変わっていない状況にあるものと思います。こうした状況の中で、本市も非核平和都市宣言を採択し、核兵器廃絶に向けた取り組みを進めてきました。 このいわき市非核平和都市宣言に盛り込まれた核兵器廃絶の訴えを届けるため、本市はこれまでどのように取り組んできたのでしょうか。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本市は、昭和61年3月に非核平和都市宣言を行い、核兵器のない平和な世界の実現に向け、庁舎や学校等の公共施設における宣言文の掲示や、非核平和都市宣言カードの小・中学生への配布、庁舎等における原爆パネル展の実施、さらには、周年事業として、講演会の開催等により、非核平和思想の普及・啓発に努めてきたところであります。また、本市が加入しております非核宣言自治体協議会及び平和首長会議による、核実験実施国に対する抗議など、自治体間の連携に基づく取り組みをこれまで進めてきたところでございます。 ◆10番(伊藤浩之君) 答弁にあったような本市の取り組みを初め、世界の国々の核兵器の廃絶を求める声、あるいは運動が昨今の核兵器廃絶を求める国際的な声の高まりに結んできたのだと思います。この世論の高まりの中で、国連総会第一委員会は、核兵器禁止条約に向けた交渉を2017年に開始するよう求める決議案を賛成多数で採択しました。 本市は、この採択をどのように受けとめていますか。 ◎市長(清水敏男君) 国連総会第一委員会において、核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議案が採択されたことは、核兵器の廃絶を訴える本市の非核平和都市宣言にも沿うものであり、核兵器禁止を求める世界の大きな流れが、この結果につながったものと受けとめております。 ◆10番(伊藤浩之君) この核兵器廃絶を現実のものにしていくためにも、核兵器廃絶に向けた積極的な活動を展開することが求められていると思います。本市が加入する平和首長会議は、先月、千葉県佐倉市で開かれた第6回国内加盟都市会議総会で、ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名に、平和首長会議として賛同・協力することを盛り込んだ総会文書を採択しております。この署名に関して国民平和大行進が本市と懇談した際に、平和首長会議の方針を受けて積極的に活動することを求める中で、本市は内容に応じて取り組んでまいりたいと答えておりました。 改めてこうした署名などの行動に本市として取り組む、あるいは協力していくことが必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本市におきましては、先ほど御答弁申し上げました日本非核宣言自治体協議会及び平和首長会議に加盟する立場から、核兵器のない平和な世界の実現に向けて、ただいま署名の話がありましたが、これは団体に加盟する自治体間の連携等による取り組みを行うことにより、その取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 連携の取り組みということで、署名については直接は触れていないというお話でありましたけれども、ぜひそういうことも検討していただきたい。このように求めたいと思います。 私は、せんだって核兵器に関する本市中学生の弁論を聞く機会がありました。この弁論は、さきにも述べたオバマ大統領の広島訪問に題を得たものでした。平和記念公園で核廃絶を訴えるオバマ大統領の傍らには、黒いブリーフケースがありました。大統領が核攻撃を指示するために使われる4つの品物が詰め込まれているケースで、核のフットボールと呼ばれているものだそうです。核廃絶を訴えながら、傍らではいつでも核攻撃をできる体制がつくられている。 この生徒は、71年前の恐怖は今も続いています。世界の平和は小さなカバンが握っていますと告発をしながら、本当の平和をつくっていかなければならないと呼びかけ、平和というものは平等と人々の尊重のもとに築かれるので、未来に生きる私たちは新しい考えを打ち立てなければならないと訴えておりました。そして、このブリーフケースに新たに、平等と尊重をはかるてんびん、美しい未来を描く絵の具と大きな画用紙、互いに助け合う温かい心の3つを詰め込もうと提案しておりました。 非核平和都市宣言に基づく取り組みを進めてきた本市で、平和のうちに繁栄する次の社会の担い手が育まれていることを見ることができる思いでした。こうした人材を育てるすばらしい活動ができている本市ですから、核兵器廃絶に向けて、さらに積極的に取り組みを進めることが必要だと思います。改めて署名の推進など、本市のさらなる積極的な活動を求めて次の質問に移ります。 今月14日まで延期された臨時国会の中で、環太平洋戦略的経済連携協定、いわゆるTPPの関連法の審議が急がれ、同協定の批准が目指されております。ところがこれまでTPPづくりを熱心に進めてきたアメリカでは、来年1月20日大統領に就任するドナルド・トランプ氏が、就任と同時にTPPからの離脱を通知すると表明しており、本協定は発効できない可能性が高くなっているという状況にあります。 このような中、TPP批准に向けて関連法案の国会審議が急がれている状況にどのような認識をお持ちでしょうか。 ◎総合政策部長(新妻英正君) 環太平洋戦略的経済連携協定、いわゆるTPPに関しましては、参加12カ国の中で最大の経済規模を有するアメリカ抜きで発効することは制度上困難であるものと認識しております。しかしながら、アメリカの次期大統領トランプ氏が、大統領就任初日にTPP協定からの離脱を表明すると発言したことを受けて、安倍総理大臣がTPPの意義についてアメリカに粘り強くこれからも訴え続けていきたいと述べるなど、今後を明確に見通せない状況にあるものと捉えております。 ◆10番(伊藤浩之君) そのトランプ氏ですが、TPPは離脱をするけれども、二国間協議は進めていくというようなことをおっしゃっているようであります。二国間協議の前提にTPPの合意の到達点があるわけで、より厳しい状況が日本に突きつけられる危険性もある状況になっているわけであります。 このTPPが日本の農業や金融、医療、保険など産業の多くの分野で市場を開放し、国民生活に大きな影響を与えるものだけに、関連法を慎重に審議を進めることこそ求められていると思います。トランプ次期大統領は、市場の解放がアメリカの国民にとってよくない結果となると判断しているからこそ離脱を表明しているわけで、日本も冷静に判断すべきなのではないでしょうか。発効が難しくなっている状況だからこそ、今国会での関連法の成立にこだわらず、しっかり審議をすべきだと思います。 さて、このTPPの発効を見据えて検討を進めていた政府の規制改革推進会議農業ワーキング・グループが、農協改革等に関する提言をまとめ、政府は農業の国際競争力強化に向けた改革案の中に、資材の調達や農産物の販売の見直しなどを内容とする農協改革を打ち出しました。 こうした農協改革のあり方についてどのような認識をお持ちでしょうか。 ◎農林水産部長(村上央君) 今般、国の規制改革推進会議から攻めの農業を目指し、農業者の先頭に立ってリードする新たな組織へと生まれ変わることを期待して、農協が目指すべき改革の方向が提言されております。これらが地域農業にどのような効果をもたらすかにつきましては、現段階では、見通すことが困難な面もございますが、改革の狙いである攻めの農業につきましては、本市農政推進においても、重要であると受けとめております。 市といたしましても、農協は本市農業を振興する上で、欠かすことのできない組織でありますことから、国による改革の動向等に注視してまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) そもそもこの農協改革は、農協のあり方に対する一定の批判の声を受けとめた形をとりながら、資材の調達や農産物の販売の見直しなどを打ち出したものですけれども、問題は、農協がこれらの分野から撤退した分が、TPPによって事業展開をもくろむ海外企業や民間企業に移行するだけで、農業者にとっては何ら問題の解決にならず、日本の農業の競争力を強くするということから考えれば、問題が多い中身を持っているものだと思います。 農協はそもそも、出資者による共同体です。だからこそ、その改革は組合員に任せるべきものです。これに外から方向を押しつけるような今回の農協改革には問題があると言わざるを得ないと思います。 地域の農業者の利益になる改革を、農協が自主的に取り組むよう求めること、国には改革をお仕着せることがないよう求めることが必要だと思いますけれども、改めて答弁をお願いいたします。
    農林水産部長(村上央君) 国におきましては、農協の自己改革が必要だということも含めまして、新たな組織に生まれ変わるつもりで実行されるよう、年次計画やそれに基づいて定期的なフォローアップを行うべきであるとしております。手助けが必要だというような観点からだと思います。 JAが弱体化し、農業者に影響が出た場合の対応でございますが、いわき市といたしましては、農業改革に関する国のフォローアップ策に注視をしながら、昨年度策定されましたいわき市農業・農村振興基本計画及び第四期新農業生産振興プランなど、本市の農業者への支援策を活用するなど対応してまいりたいと考えてございます。 ◆10番(伊藤浩之君) そもそもこの改革がTPPが前提であるということが問題点としてありますし、また、農協にとってみれば国が改革の方向を打ち出してきたことが余計なお世話ということもあるかもしれませんので、改めてしっかりその点は考えていただきたいと思います。そのことをお願いしながら、次の質問に移ります。 11月22日午前5時59分、私は目覚まし時計のアラーム音で飛び起き、布団の上で初期の揺れが途中から大きな揺れに変わっていくことを感じながら、テレビをつけました。画面では津波警報が伝えられ、アナウンサーが津波です、直ちに逃げてくださいと繰り返す報道を見ながら、映像が伝える沿岸の様子を見ておりました。画面には小名浜港の様子が映し出されていましたが、引き波に続いて、寄せ波が港湾内に流れ込んでいる状況をしっかりと確認ができる状況でありました。 津波の観測は、小名浜港では地震発生の50分後で、最大波高は60センチメートルでした。一連の津波で最大波高は午前8時3分に仙台港で観測された1メートル40センチメートルでしたが、気になるのは当初1メートルと発表されていた東電福島第一原子力発電所の波高が、後に1メートル60センチメートルと訂正されていたことであります。このとおりであるならば、第一原発あたりが今回の地震で最大波高を観測したことになります。 この付近の海岸は、もしかしたら津波が大きくなりやすい特徴を持った海岸なのかもしれず、あそこで、いまだに防波堤が整備されていないことに不安を覚えますし、そもそもなぜ第一報の波高が60センチメートルも違う値として伝えられるようになったのか。改めて東京電力の情報伝達のあり方に疑問が膨らむ思いがいたしました。昨今の使用済み核燃料プールでの冷却の停止というところにも情報の問題というのは出ております。 それはさておき、そうした疑問の点は、本市の安心・安全という観点からも、今後解明することが求められていると思いますが、一方、本市にとってみれば、今度の地震と津波が、東日本大震災後、初めての実践となったことから考えれば、今度の体験が今後の地震・津波への対応に生かされていかなければならないと思います。 そこでまず、11月22日の地震・津波による対応で、被害の主なものはどのようなものだったのかお伺いします。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 現時点で把握している主な被害のうち、人的被害につきましては、2名の方が緊急搬送されましたが、いずれも軽傷でございました。 また、建物被害のうち公共施設につきましては、本庁舎1階天井の複数箇所にクラックが生じたこと、関船体育館において、ガラスのひび割れが生じたこと、小川保育所など市内9カ所の市立保育所において、外壁の崩れや基礎に段差が生じたこと、豊間・薄磯の災害公営住宅を含む市営住宅12棟において、壁のクラックや廊下に段差が生じたことなどがあるほか、民間の住宅等につきましては、11月末時点において、住宅の壁や基礎に亀裂が生じたことなどにより、罹災証明書の申請が7件あり、調査済みのものにつきましては、一部損壊の判定結果となっております。 ◆10番(伊藤浩之君) それでは、東日本大震災以降の災害に対する備えとして、どのようなことが取り組まれてきたのかお伺いします。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 市といたしましては、東日本大震災での教訓を踏まえまして、市地域防災計画の大幅な見直し作業を行う中で、迅速な初動対応を目的に、市災害対策本部の組織及び事務分掌を見直すとともに、事業継続計画いわゆるBCPを作成し、平時から災害に備えているところでございます。 また、ハード面において、情報伝達の多重化を目的に、同報系防災行政無線の増設や、緊急速報メール、市防災メール、防災ラジオ、戸別受信機及びFMいわきへの割り込み放送機能を整備するとともに、全国瞬時警報システムいわゆるJアラートとの自動連動化を図ったほか、避難所での通信手段の確保を目的に、市内の主要な避難所に公衆無線LANや特設公衆電話を整備しているところでございます。 さらに、ソフト面では、市民に最も身近な防災ツールとなる防災マップや津波ハザードマップを配布したほか、広域的かつ多様な団体との協力体制の強化を目的に、同時被災しない遠地自治体や専門性を有する民間事業者との災害時応援協定を締結するとともに、地域防災力の向上を目的に、防災士の養成や地区防災計画の作成支援等に取り組んでいるところでございます。 ◆10番(伊藤浩之君) 幸いにして今回の地震・津波では、大きな深刻な被害はなかった。 そして、これまで市は災害に対して今の答弁にあったような取り組みをされてきたということでございますが、これまでの災害への市の取り組みは、今回の地震・津波への市民の対応で、どのような効果があったのかお伺いします。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 市といたしましては、今般の震度5弱の地震及び津波警報発表に伴い、Jアラートの受信と同時に、同報系防災行政無線からのサイレン吹鳴を初め、市防災メール等の自動連動機能が作動したことにより、住民に対し速やかに災害事象と避難の情報を伝達したところであります。この情報を受け、沿岸部の住民におかれましては、最寄りの津波避難場所等へ速やかに避難するとともに、開設した避難所においても、市職員と協力しながら、寒さ対策や要支援者に対し健康状態の確認を行うなど、東日本大震災以降実施してきた住民主体の実践的な防災訓練の成果が生かされたものと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 成果も上がっていた、この間の災害への備えが成果を上げてきたというようなお話でありました。 一方では、この地震・津波による今後に生かすべき教訓というものもあったと思います。どのようなものでしょうかお伺いします。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 今般の地震や津波におきましては、自動車により避難行動をとられた方が多く、発生した交通渋滞によりまして避難所担当職員が巻き込まれました。また、発生時刻が早朝であったことから、避難所等の施設管理者が不在であったことにより、門扉等の開錠が間に合わなかったことなどが課題として認識しているところでございます。 ◆10番(伊藤浩之君) そのような課題解決に向けて、今後の取り組みと検討、それから対応計画の見直しが求められることになってくると思います。 次に、市の側の対応という点で伺ってまいりたいと思うんですが、この11月22日の地震発生後、市の対応はどのようなものだったのか、まずお答えください。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 11月22日に発生した震度5弱の地震と津波警報への対応といたしましては、まず、地震発生と津波警報の発表を受け、直ちに本庁及び海岸を有する支所において第2配備体制を、その他の支所においては第1配備体制をとり、担当職員が参集し、災害対策本部及び災害対策各地区本部を設置したところであります。 また、津波警報の発表を受けて、Jアラートの受信と同時に、防災行政無線や市防災メールなどにより避難の呼びかけを行ったところでございます。その後は、各地区本部の避難所班が沿岸部の避難所を順次開設し、避難者の対応に当たったところでございます。 ◆10番(伊藤浩之君) 今の答弁の中でも、災害対策の地区本部が設置されたという中身がありましたが、津波浸水区域に災害対策地区本部が設置される支所がある場合の対応はどのようになされたのかお伺いします。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 市津波ハザードマップにおいて、津波浸水区域にある支所は久之浜・大久支所となっており、今回の津波警報時におきましても、災害対策地区本部を支所内に設置したところでありますが、これは、津波警報の場合、津波の予想高さは3メートル以下であり、支所の海抜以下であったこと、また、海岸側の堤防や防災緑地が完成していたことから、津波警報時の災害対応業務に支障がないものと判断したためであります。 なお、津波の想定高さが3メートルを超える場合は大津波警報が発表されることとなり、支所が使用できなくなることも想定されますことから、現在、市業務継続計画において、支所の代替施設として指定しております久之浜中学校への災害対策地区本部の設置について、検証・検討しているところでございます。 ◆10番(伊藤浩之君) 今、答弁にありました3メートル以下で4メートルの海抜なので大丈夫だというお話、大丈夫と考え、そういう設置になっているという話でありますが、その点は考えたほうがいいのではないかなと思っております。 大津波警報の場合には支所と別の場所に地区本部を設置することになっておりますけれども、警報以下の場合は支所に設置するということですよね。気象庁の津波に関する発表が20センチメートルから1メートルの場合で津波注意報、1メートルを超え3メートル未満の場合は津波警報、そして3メートルを超える場合で大津波警報とされて、巨大地震があった場合には、津波警報の場合は津波が高いと表現され、大津波警報の場合は巨大と呼称されるとなっているようであります。 今回、津波警報なので、地区本部は支所に設置されたということになったわけですが、警報ではありましたけれども、結果的に職員は津波の来る方向に参集せよという状況になっているわけであります。市民には、直ちに海から離れてください、高台に避難してくださいと呼びかけながら、職員は浸水区域に突入していくという形になっておりますので、やはりここには違和感が残るんですね。警報ということではありますが、やはり万が一に備えて体制をつくっていくことが大切だと思います。 大津波警報よりも低い段階でも、代替する地区本部となる施設を決めて、そこに参集をかける。そして、その代替施設が地区本部として機能するために必要な装備をする、そういう計画に変更していく必要があると思うんですが、いかがお考えでしょうか。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) ただいま御答弁申し上げましたとおり、大津波警報の際には代替施設である久之浜中学校に災害地区本部を設置するということで現在検討を進めておりますが、津波警報の際の代替施設の必要性につきましては、久之浜・大久支所が津波避難ビルにもなっているという現状がございます。当然、避難ビルでございますので、その中に備蓄品とかもろもろ押さえておりますし、そういった津波避難ビルの機能性も考慮しながら、議員御提案の件につきましても、検討させていただきたいと思っております。 ◆10番(伊藤浩之君) その点については、ぜひ十分な御検討をお願いしたいと思います。 さて、この地震発生の市の対応から今後に生かすべき教訓はどのようなものがあったのかお伺いします。 ◎市長(清水敏男君) 今回の地震と津波においては、開設避難所情報をホームページやSNSへ掲載するのに時間がかかったこと、また、津波災害では、一刻も早い避難が必要であることから、津波警報・注意報の発表の種別にかかわらず避難指示のみを発令することとしており、市防災メールにおいては、直ちに高台や避難ビルなどへの避難行動をとるよう、わかりやすい言葉で呼びかけましたが、避難指示という言葉がなかったため、発令内容がわかりにくかったという意見があったことなど、主に情報伝達に関して課題があったと認識しており、今後の災害対応業務の教訓として、改善を図ってまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) ぜひその改善を、しっかりと検討して進めていただきたいと要望いたしまして、次の質問に移ります。 非正規職員の雇用のあり方の問題です。 昨年12月定例会でこの問題を取り上げてまいりました。特に、日々雇用職員の雇用の関係で、待遇面で不利な扱いがされている状況があるということから改善を求めてきたわけでありますが、このときに今後必要に応じ雇用のあり方を含め検討してまいりたいと答弁されていました。その後の状況について伺ってまいりたいと思います。 まず、ことし11月1日時点での日々雇用職員の雇用状況はどのようになっているのかお伺いします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本年11月1日現在における日々雇用職員の雇用状況につきまして、一般会計予算の2款総務費、1項総務管理費、2目人事管理費で雇用しております人数を理由別に申し上げますと、年度の中途退職者を含む欠員への対応は4人、病気休暇への対応は8人、産前・産後休暇への対応は4人、育児休業への対応は19人、業務繁忙への対応は9人となっております。 ◆10番(伊藤浩之君) 一般的な問題として、繁忙というところで9人が入っているという話であります。 この日々雇用職員のうち、連続して11月雇用され、雇用月数が通算して12月を超える日々雇用職員はどの程度の人数になっているのでしょうか。 ◎総務部長(岡田正彦君) 連続して11月雇用され、雇用月数が通算して12月を超える日々雇用職員につきまして、同じく本年11月1日現在の人数で申し上げますと、欠員対応は4人のうち1人、病気休暇対応は8人のうち3人、産前・産後休暇対応は4人のうち1人、育児休業対応は19人のうち4人、業務繁忙対応は9人のうち1人となっております。 ◆10番(伊藤浩之君) こういう12月を超えて雇用されている方々が問題なわけですよね。 昨年12月定例会の一般質問で、現在、日々雇用職員が従事している業務であっても、臨時的・補助的な範疇では捉えがたい業務内容が生じてくるような場合には、今後、必要に応じ雇用のあり方を含め検討してまいりたいと答弁されており、現実に日々雇用職員のうち通算で12月以上雇用されている方がいるという現実を踏まえて検討することを求めた経過がありますが、現在、これらの雇用のあり方はどのように検討されているでしょうか。 ◎総務部長(岡田正彦君) 日々雇用職員を含めた臨時職員の雇用につきましては、平成26年7月に総務省通知が発出されておりますが、その通知の趣旨を踏まえまして、中核市及び県内他市の状況を調査したところでありまして、その内容を踏まえ、本市の臨時職員の雇用を規定しておりますいわき市賃金支弁職員雇用等管理規程の見直しについて、現在、検討を進めているところでございます。 ◆10番(伊藤浩之君) 雇用される者にとっては不利益な扱いを含んでいる内容ですので、検討しているという答弁だけでは納得できないところがあるんですね。 やはりいつまでにその検討をしてその改善を図るのか、しっかりと示していただきたいものですが、いかがでしょうか。 ◎総務部長(岡田正彦君) ただいま申し上げましたとおり検討中でございますが、おおむね今年度中には見直しの内容を成果としてあらわしたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) その点についてはよろしくお願いしたいと思います。 次に、非正規保育士の正規化について伺います。 ことし6月定例会で、保育士を確保していくために、非正規保育士がふえている現状を改善しながら、正規保育士の雇用をふやして、結果として雇用条件を確保することによって雇用の拡大を図るということを求めてまいりました。このとき清水市長は幼児教育や子育て家庭に対する保育所の支援の重要性が高まっていくと考えられる中で、正規保育士の果たすべき役割を勘案しながら検討してまいりたいと答えておりました。 来年度に向けた保育士の採用試験も進んでいることから、非正規保育士から正規保育士への転換がどのような状況にあるのか、その展望を伺ってまいりたいと思います。 まず、6月定例会では、正規の保育士の募集数と応募状況について伺いました。この結果、実際に採用された保育士数をお伺いします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 保育士の採用数につきましては、10年前の平成19年4月採用は2人、5年前の平成24年4月採用は5人、また、直近の3年間では、平成26年4月採用は6人、同じく、平成27年は5人、平成28年は7人となっております。 ◆10番(伊藤浩之君) 募集人数よりも多く採用しているときもあるというようなことのように伺いました。 次年度の新規採用保育士の採用予定数はどのようになっているでしょうか。 ◎総務部長(岡田正彦君) 平成29年度における新規採用の保育士につきましては、今年度実施しました職員採用候補者試験の結果、7人を合格としたところであり、現時点では、全員の採用を予定しております。 ◆10番(伊藤浩之君) 前年度と同じ7人ということで、皆さんいわき市の保育士になっていただければと思いますけれども、次年度の新規採用によって想定される正規保育士数は何人になるのでしょうか。 ◎総務部長(岡田正彦君) 平成29年4月1日時点における再任用職員を除いた正規保育士の人数につきましては、今年度4人が退職となる一方で、現時点で7人の採用を予定しておりますことから、総数で185人となる見込みであります。 ◆10番(伊藤浩之君) 平成28年度よりは4人ほどふえるというようなお話であります。 一方退職される方もいるわけでありますけれども、今後、定年退職を迎える正規の保育士数はどのように推移するのかお伺いします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 正規保育士の定年退職者数につきまして、今後5年間の見込みを申し上げますと、平成28年度が4人、平成29年度が12人、平成30年度が11人、平成31年度が7人、平成32年度が11人となっております。 ◆10番(伊藤浩之君) この退職者数を考えると、これまでのような採用数では非正規保育士の割合が高まっていくことになりかねないという状況にあると思います。 抜本的に正規保育士の雇用をふやす計画を持つ必要があると思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 正規保育士の雇用につきましては、正規保育士の退職者数の推移や公立保育所の保育需要なども見きわめながら、計画的に採用してきたところですが、今後におきましても、この方針を踏まえるとともに、公立保育所における正規保育士の果たすべき役割や、一方では民間保育所における保育士の確保への影響など総合的に勘案しながら検討してまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 民間の状況も踏まえながらということでありましたが、そこは十分配慮することは必要だと思いますけれども、一方では、いわき市のやはり職員の保育士の構成が非正規に頼り過ぎている状況が進んでいるという状況になっているわけで、ここのところはしっかり改善していかなければならないんだと思うんですね。 先ほどあったような退職者が出てくるということを考えると、これまでの採用の人数という程度でやっていけば、また非正規が拡大していくという結果になりますので、これは雇用のあり方としてふさわしくないし、正常ではないと私は思います。ぜひ退職者数をはるかに上回る雇用をすることによって正規保育士をいわき市でも確保していくという取り組みをしていただきたい。 同時に民間の場合、民間の対応を図る上でも、保育士全体の待遇をどう改善していくかということが、今、大きな課題になってくると思いますので、これについてはいわき市独自でできること、また国でなければできないことがあると思うんですけれども、国にしっかり求めていくべき点はしっかり求めて、待遇全体の改善を図るという立場で御努力をお願いしたいと思います。 そのことをお願いしながら、最後の質問になりますが、いわき市体験型教育施設Elem活用時の交通費について伺ってまいりたいと思います。 これまでElemの活用時の交通費の問題については、私が当時所属をしていた文教経済常任委員会が京都市の京都まなびの街生き方探究館でのスチューデント・シティとファイナンス・パークの取り組みの状況を学んだことから、児童・生徒が施設を活用する際の交通費と、その学習支援をする保護者の皆さんの交通費程度は支給するよう、助成するよう求めてきました。 これに対して本市教育委員会としては、さまざまな体験学習における保護者負担の軽減についてどのようにしたらよいか、各学校からの意見を聴取するなど、市教育委員会としてさらに研究してまいりたいとか、保護者費用負担の軽減については引き続き検討したいとしながら、去る6月定例会では小野潤三議員の質問に答える中で、調査の結果、各学校から保護者費用負担の軽減について要望が寄せられたことを踏まえ、今後、交通費のあり方について検討してまいりますとしてまいりました。 これらの一連の答弁でも、Elem活用時の交通費の補助については、検討あるいは研究と表現したこともありますが、いつまでにどんな結論を出すのか、現時点でもあいまいなままになっている感があります。 私は、以前にも、市が教育政策の上から導入した体験型経済教育施設でありますElemの活用時に、徒歩で活用できる近隣の学校とバス等を利用せざるを得ない遠距離の学校の不公平、生徒数による負担の多寡の問題などで、保護者負担の公平さに問題があることを指摘したこともありますし、小野議員の質問で、学校現場には補助を求める声も強くなっていることが明らかになっていますし、今やElem活用時の交通費の助成は党派を超えて要望するまでになってまいりました。交通費の補助について検討の結論を一刻も早く出し、補助金を支給するよう是正を図っていくことが求められていると思います。 来年度から児童・生徒がElemを活用する際の交通費の助成を実施すべきと考えておりますが、検討の状況はどのようになっておりますか。 ◎教育部長(増子裕昭君) 体験型経済教育施設Elemを活用した学習における交通手段等につきましては、実態把握するため、6月に各学校に対し調査を実施いたしました。その結果、各学校の状況に応じ、貸し切りバスや電車、それから路線バスを利用するなどの対応をしていること、また、1人当たりの負担額に差が生じていることが明らかになったところであります。加えて、補助を求める要望があることも承知しております。これらのことから、今後はさまざまな可能性を探りながら施策の展開について検討してまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 今、やはり時期については明確に答えないという状況があるんですけれども、子育て・教育に力を入れる市長としてどのような見解をお持ちなのか、ぜひ回答をお伺いしたいと思います。市長、ぜひお願いします。 ◎副市長(上遠野洋一君) 議員も御承知のとおり、来年度予算に向けた論議というのが今盛んに進められているところでございますので、次年度予算の中でこの辺の決断をしていくという手続を進めていきたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 来年度の検討する中で考えていきたいということでありますが、ぜひこれは来年度実現をしていただく。そして、保護者の間にある負担の不公平というものを是正していただきたい。このことを最後に要望いたしまして、私の一般質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(菅波健君) ここで、午前11時まで休憩いたします。          午前10時51分 休憩---------------------------------------          午前11時00分 再開 △塩田美枝子君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。18番塩田美枝子君。          〔18番塩田美枝子君第二演壇に登壇〕 ◆18番(塩田美枝子君) (拍手)18番いわき市議会公明党の塩田美枝子でございます。 通告順に従い、一般質問をいたします。 最初の質問は、高齢者運転免許証自主返納支援についてでございます。 先々月、横浜市で、87歳の男性が運転する車が小学生の列に突っ込み1年生の男の子が死亡したほか、先月には東京都立川市で病院の敷地内を歩いていた男女2人が83歳の女性の車にはねられて死亡いたしました。その後も、高齢者ドライバーによる交通事故が全国各地で毎日のように相次いでおります。このように高齢者が引き起こす交通事故が近年大きな問題となっております。相次いだ事故を受けて、国が高齢者に勧めるのは、運転免許証の自主返納であります。1998年に始まったこの制度では、地域の警察署や運転免許センターに免許を返納後、申請すれば、免許サイズの運転経歴証明書が交付されます。最近、この運転経歴証明書を提示することによってさまざまなサービスを受けられる取り組みを行っている自治体がふえております。 ここで、何点か質問させていただきます。 本市の65歳以上の免許証保有者は何名でしょうか。ここ3年間の数字をお示しください。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 福島県の交通白書によりますと、平成25年が4万3,957人、平成26年が4万7,258人、平成27年が4万9,859人となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) その占める割合は免許証保有者全体の何パーセントになるのでしょうか。ここ3年間の数字でお示しください。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 福島県の交通白書によりますと、平成25年が20.0%、平成26年が21.4%、平成27年が22.6%となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) それでは、直近の3年間の65歳以上の免許証自主返納者数についてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 市内3警察署からの聞き取りによりますと、平成25年が211人、平成26年が278人、平成27年が466人となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) 次に、80歳以上の免許証自主返納者数をお示しください。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 市内3警察署からの聞き取りによりますと、平成25年が115人、平成26年が119人、平成27年が149人となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) それでは、本市における3年間の交通事故件数についてお伺いいたします。 最近、運転していますと、交通事故が多くなったなというのと、高齢者運転者がふえたなというのがあります。本来であれば震災前から聞きたいところでありますが、震災後、人口もふえましたので、ふえているのではないかと思いますけれども、あえて3年間にいたしました。よろしくお願いします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 本市の交通事故白書によりますと、交通事故件数につきましては、平成25年が2,200件、平成26年が1,966件、平成27年が1,781件となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) そのうち、65歳以上の高齢者が加害者となる交通事故の件数をお示しください。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 65歳以上の高齢者が加害者となった交通事故件数につきましては、平成25年が391件、平成26年が336件、平成27年が354件となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) それでは、年代別にお示しください。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 年代別に過去3年間の件数をそれぞれ申し上げますと、65歳から69歳までが、平成25年が148件、平成26年で100件、平成27年で125件、70歳から74歳までが、同じく、96件、110件、104件、75歳から79歳までが、同じく、69件、71件、67件、80歳以上が、同じく、78件、55件、58件となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) 相次ぐ高齢者ドライバーの事故を受けて、道路交通法が改正され、来年3月から施行されます。道交法の改正の背景には、高齢者ドライバーの増加に伴い、認知機能の低下が原因とみられる死亡事故が多発していることがあります。現行法では、運転免許更新時にしか認知機能検査はなく、認知症のおそれがあると判断されても、検査の前後に逆走や信号無視など認知機能が疑われる違反をしなければ、受診義務はありません。そのため、認知症を発症したドライバーの発見おくれが指摘されておりました。 この改正道路交通法では、75歳以上を対象にした検査で認知症のおそれがあると判断された場合には、医師の診断を義務づけるなど認知症検査の体制が強化されるため、免許取り消しとなる高齢者は大幅にふえると見込まれております。ただ、この改正法の施行後は、車を手放した後の生活まで見通した高齢者への対策、そしてまた診断を担う医師の確保などさまざまな課題が浮き彫りになりました。 新制度施行後は、認知症専門医の確保が難しいことから、専門医以外の身近なかかりつけ医に診断を担ってもらう必要性から医師会に協力をお願いし、対策を練っていくことや、検査は問診だけでいいのか、画像診断もするのか、基準が示されていないため、その方法について統一のルールをつくっていく必要があるなど、認知症診断義務化への課題は多いと言わざるを得ません。 また、免許取り消し後の高齢者の生活を心配する声もあります。買い物や通院もままならず、生活できない高齢者が出てしまう。そこで、運転免許センター運転適性相談窓口に看護師や保健師、ケアマネージャーを配置し、免許取り消し後の生活などさまざまな相談を受け、生活をサポートする仕組みづくりを、県警が県や市と連携し、つくり上げている自治体もあります。 そこで、お伺いいたします。 75歳以上の高齢ドライバーに認知機能検査が義務づけられることにより、受診者がふえるため医師会や医療機関との協力体制が必要となってまいります。 この件について、本市の御所見をお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 平成29年3月12日に改正道路交通法が施行されますと、過去に事故歴がなかった方についても75歳以上の高齢運転者が認知機能検査において、記憶力・判断力が低下した第1分類と判定された場合には、医師の診断による臨時適性検査が必要となりますことから、これまでよりも検査件数が増加することとなります。このため、福島県警本部では、医師による診断が円滑に進められるよう、医師会に対し、改正道路交通法の内容について説明を行っているところであります。 こうしたことから、本市におきましても、今後、市内の警察署と連携を図りながら、特に制度の周知等の面から協力してまいりたいと考えております。 ◆18番(塩田美枝子君) よろしくお願いいたします。 また、運転免許証がなくなりまして、困ることを具体的に挙げてもらって、身近に利用できる買い物支援、そしてまた介護保険サービスなどの解決策を見出してもらう相談体制、そしてまた支援の必要な高齢者が、医師や福祉関係者とつながれる相談窓口の設置が必要になるかと思います。 この件に関して、本市の取り組みについてお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 本市の取り組みといたしましては、運転免許証返納の有無にかかわらず、高齢者の生活の諸課題につきましては、地区保健福祉センター及び地域包括支援センターにおいて、相談に対応しているところであります。 また、高齢者が住みなれた地域で生活を継続できるよう、医療・介護・介護予防・住まい・生活支援が包括的に提供される地域包括ケアシステムの構築を進める中で、各地区保健福祉センターが所管する圏域ごとの地域課題の検討・解決を図る中、地域ケア会議や市高齢者保健福祉計画の推進に当たり、関係部署を構成員として、庁内横断的な施策の検討を行う市高齢者保健福祉計画推進庁内検討委員会の小委員会において、高齢者の足の確保をテーマとして、課題や支援策等について協議を行い、今後の高齢者の生活支援につながるよう努めているところであります。 ◆18番(塩田美枝子君) よろしくお願いいたします。 次に、この項の最後の質問になりますけれども、高齢者免許証自主返納支援制度についてお伺いいたします。 免許証返納と一言で言っても高いハードルがあると、ある識者は言っております。1つには地方を中心に自宅近所にスーパーや病院がない地域では、車は必需品であり、現在は老老介護もふえており、車なしでは生活が成り立たなくなるということが1つ。また、車を運転できなくなると同時に自分は一人前の人間ではないと中には落ち込む方もいるなど課題も多いわけであります。そこで、運転免許証自主返納者への手厚い支援が重要であります。 本市の運転免許証自主返納者への支援制度についてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(下山田松人君) 現在、本市独自の支援制度はございませんが、一般社団法人福島県タクシー協会におきましては、運転免許証を自主返納した65歳以上の高齢者が、当該協会加盟のタクシーを利用した際の運賃割引制度を運用しているところでございます。 ◆18番(塩田美枝子君) 福島県では、タクシー協会の協力を得まして、料金の割引というサービスもあると伺っておりますけれども、地域によっては高くついて、割引されても、とても使えないというところもあるわけであります。 それでは、そのサービス提供の流れについて具体的にお示しください。 ◎市民協働部長(下山田松人君) このサービスにつきましては、65歳以上の高齢者がタクシーに乗車した際、運転免許証自主返納者に対して発行されております運転経歴証明書を提示しますと、運賃が1割割引となるものでございます。 ◆18番(塩田美枝子君) 本市ではまだ、先ほどの部長の答弁のように支援制度はないとのことでありますけれども、実施している自治体も多々ありますので、ここで、2市の先進地の御紹介をしたいと思います。 1市は県内でございます。会津若松市では、さまざまな特典やサービスを受けることができます。ハイカラさんのバス運賃の割引、また運転免許返納サービス店、それは、商店だったり、飲食店、旅館、ホテル、金融機関だったりするわけですけれども、料金の割引や宅配サービスなどを受けることができます。もちろんタクシー利用時も割引になるということですけれども、いずれも運転経歴証明書を提示すれば、これらのサービスを受けることができるというわけであります。 一方、お年寄りが無理に車のハンドルを握らなくても済むように、路線バスの充実をまちづくりの中核に位置づけて、成果を挙げつつある自治体もあります。京丹後市という市でありますけれども、現在、市内には、どこまで乗っても運賃の上限が200円という路線バスが走っています。 以前は10便中7便から8便中が乗客ゼロで、空気を運んでいるという路線もあったと。乗客が少ないため運賃を上げると乗客が減る。赤字に耐えかねて路線を廃止すると、さらに乗客が減るという多くの自治体が陥る悪循環に直面していた。 ここで、市は発想の転換をしたと。700円で2人の利用より、200円で7人の利用をとのことで、路線バスを運行するバス会社に協力を求めまして、2006年10月から市とバス会社が共同運行する上限200円バスを実現しました。最長路線の料金は1,150円が200円になったと。バス停や便数の増設、また、ノンステップバスの導入で誰もが使いやすいバスを目指した。利用者は急増して、2年目の利用者はこれまでの1.7倍にふえて、運賃収入も増収となって、市の補助金は減少したという状況であります。 以上、先進的な取り組みをしている自治体を御紹介いたしましたけれども、これらの取り組みが全ていわき市にそのまま活用できるかというと、必ずしもそうではないと思います。民間の協力を得ながら、いわき市らしい支援を考えていく時期に来ているのではないかと思います。 そこで、本市の免許証自主返納者に対する今後の支援についてお伺いいたします。 ◎市長(清水敏男君) 国においては、高齢運転者による死亡事故が相次いで発生していることから、これらの事故を防止するため、先般、高齢運転者による交通事故防止対策に関する関係閣僚会議を開催し、認知症対策を強化した改正道路交通法の円滑な施行に万全を期すとしております。加えて、自動車の運転に不安を感じる高齢者の移動手段の確保など、社会全体で高齢者の生活を支える体制の整備を着実に進め、さらなる対策の必要性についても専門家の意見を聞きながら検討を進めることとしております。 本市といたしましては、この国の動向を注視するとともに、運転免許証を自主返納した方を含めた高齢者の移動手段の確保を初め、医療や福祉といった高齢者の生活を支える体制の整備等の必要性について、十分認識しておりますので、その課題解決に向け、庁内においても広く検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆18番(塩田美枝子君) ありがとうございました。 大きな2点目は、子育て支援の推進であります。 1点目は、赤ちゃんの駅の拡充についてであります。 本市では、子育てに配慮した生活環境の整備の一環として、赤ちゃん連れの家族が授乳やおむつがえのために気軽に立ち寄ることができる施設、赤ちゃんの駅と称して、認定、登録、そして広く周知することによって、子育て中の家族が安心して楽しく外出できる環境づくりを現在も進めております。 そこで、以下、質問をさせていただきます。 赤ちゃんの駅の現在の設置状況についてお伺いいたします。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 赤ちゃんの駅の現在の設置状況につきまして、平成28年4月1日現在の登録施設数で申し上げますと、公共施設が17カ所、民間施設が24カ所の計41カ所となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) 赤ちゃんの駅の拡充・推進に当たっての本市の取り組みについてお伺いいたします。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 赤ちゃんの駅につきましては、乳幼児連れの保護者が安心して外出できる環境づくりに向け必要な施設であり、市内全域において、多くの家族が利用する施設などを対象に、年間2カ所の登録施設数の拡大を目標として取り組んでいるところであります。 具体的には、公共施設につきましては、その整備改修にあわせて必要に応じ設置するほか、市内の商業施設を中心に、乳幼児を連れた家族の利用が見込まれる民間の施設につきましては、職員が直接訪問し、登録への働きかけを行うとともに、授乳チェアやおむつ交換台等の備品購入費を補助する県補助事業について周知を図るなど、登録施設数の拡大に向けて取り組んでいるところであります。 今後におきましては、引き続き関係機関や企業等への協力を要請するとともに、施設案内マップ等を活用した利用の促進、さらには、子育て関連施設と連携を図った効果的な設置に取り組むなど、赤ちゃんの駅の拡充・推進に向け、取り組んでまいりたいと考えております。 ◆18番(塩田美枝子君) それでは、その赤ちゃんの駅の周知について伺います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 赤ちゃんの駅の周知につきましては、持ち運びに便利な施設案内マップを出産時の手続の際などに、気軽に手に入れることができるよう、地区保健福祉センターを初めとする公共施設に備えつけ、配布するとともに、いわき子ども・子育て支援サイトや市公式ホームページへの掲載、さらには、商工会議所及び商工会に加入する商店等へのポスター掲示を行うなど、施設の利用促進に向け、努めているところであります。 ◆18番(塩田美枝子君) 部長の御答弁で、現在、公共施設17施設、また、民間施設24施設ということですけれども、それでは、総合磐城共立病院への設置は御検討しているのかお伺いいたします。 ◎総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 総合磐城共立病院におきましては、病院利用者を対象とした、おむつがえや授乳のためのスペースを確保しておりますけれども、赤ちゃんの駅につきましては、当院は、重病・重症の患者も利用する施設であり、患者並びに利用者の双方に感染のおそれがあることなどから、現施設での設置は困難であると考えております。 ◆18番(塩田美枝子君) 確かに、今御答弁のとおり感染の心配もあって、赤ちゃんの駅の設置はできないという御答弁で、確かに私もそうだと思います。 それでは、赤ちゃんの駅ということではなく、共立病院には、トイレや診療室・病室以外の場所で、おむつがえができるスペースや授乳できるスペースは何カ所あるのかお伺いしたいと思います。 ◎総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 現在、外来棟の1階中央待合ホールにあります休憩コーナー内に、授乳とおむつがえができるスペースを1カ所設置しているほか、外来棟の2階におむつがえができるスペースとして、2カ所にベビーベッドを設置してございます。 ◆18番(塩田美枝子君) 1階は受付もあって、計算・支払い、そしてまたいろいろな方が一番集まる場所ではないかと私は思っておるんですね。その中で1カ所というのは本当に少ないなというのが私の感じるところでありまして、1カ所も1階の階段下なんですね。場所に関しては市民の方々のいろいろな御意見があって、かなり移動してあそこに定着したというのがあるらしいんですが、やはり陰になっているということと、冷暖房が入らないということもあって、非常に目に入りにくい場所になっている。 やはり、治療を受けにくる障がい児がいらっしゃますよね。専用の車椅子、バギーと言うらしいんですが、診療を待つ間ずっと乗りっぱなしだと。せめて診療後、会計を待つ間だけでもベッドでおむつがえをして少し休ませてあげたいという市民からの御要望もあって、やはり待っていたりするお母さん方もいらっしゃったりしているので、スペースの増設を考えていただきたいと。 1階には確かにATMとか売店の前にちょっとスペースがあるのではないかというお話もあったりするんですが、病院側としてもいろいろ設置できない場所もあるでしょうけれども、その辺検討していただいた上で、おむつがえ・授乳のスペース増設をちょっと考えていただきたいと思いますけれども、その辺いかがでしょうか。 ◎総合磐城共立病院事務局長(渡部登君) 車椅子を利用される障がい児の方が休憩できるスペースの増設につきましては、外来の待合スペースに限りがあるため、現施設での拡充は困難であると考えております。 しかし、現在建設中の新病院におきましては、乳幼児向けのおむつがえや授乳スペースを設置する計画としておりまして、ただいま御質問のありました障がい児の方がくつろぐことのできる広めのベッドの設置につきましても、現計画を基本にスペースを確保できるよう、今後検討してまいりたいと考えております。 ◆18番(塩田美枝子君) 次に、移動式赤ちゃんの駅についてお伺いします。 以前、公明党の柴野議員もこの件に関しては質問させていただきましたけれども、市内で開催されるイベント等で、乳幼児を連れた保護者が安心して参加できるよう、移動が可能なテントや折りたたみ式おむつ交換台、授乳用いす等備品一式を移動式赤ちゃんの駅として貸し出している自治体がふえております。 移動式赤ちゃんの駅はイベントだけではなく、災害時にも活用できることから導入を推進していくべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 屋外イベント等の開催時におけるテントなどを活用した、授乳やおむつがえ等のためのスペース、いわゆる移動式赤ちゃんの駅につきましては、公共施設や民間施設へ常設している赤ちゃんの駅の設置状況、また、テント等の備品の効果的・効率的な運用方法、さらには、その利用に向けたニーズを踏まえながら、検討する必要があるものと考えております。 このような視点に立ち、中核市及び県内他市の状況を調査した結果、当該事業を導入している自治体につきましては、中核市は47市のうち6市、また、県内他市では二本松市のみとなっており、その7市における月平均の利用実績は、最も多い市においても、月2回に満たない状況となっております。 したがいまして、移動式赤ちゃんの駅につきましては、今後、他市におけるニーズや効果的な運用事例等の調査研究を引き続き実施する必要があると受けとめてはおりますが、現時点では、その導入につきましては、慎重に対応したいと考えております。 ◆18番(塩田美枝子君) はい、わかりました。検討をよろしくお願いします。 2点目は、医療的ケア児の支援の一層の推進についてであります。 医療的ケア児とは、医師や看護師などの医療職でない人が日常的にケアしないと家で暮らせない子供たちのことを言います。小児医療が進歩し、後遺症なく救える命もふえましたが、当然の帰結として、医療的ケア児も生まれるようになり、今後さらにふえていくと言われております。ようやく、ことし、児童福祉法と障害者総合支援法が改正され、医療的ケア児が支援の対象に明確に位置づけられました。 この改正により、医療がこれまで苦手としてきた福祉や教育分野との連携を進めようとしております。誰もが突然、そういう子供の親になる可能性をもっており、少子化の時代、安心して子供を産み育てられる社会をつくるならば、医療的ケア児の支援策も充実させることが重要であると思います。医療的ケア、たんの吸入だったり、経管栄養や酸素吸入だけはやたら重いけれども、知能や運動能力は普通の子と変わらない。人口呼吸器をつけているのに元気に走り回る子もいると。 これまでの障害の概念をはるかに超える子供たちが生まれています。当然のことながら、医療的ケアが必要な園児・児童・生徒の地元保育所や学校への就学希望数は高まる傾向にあります。当然のことながら、看護師の配置が必要とされますけれども、国は2016年度予算に公立の小・中学校に看護師配置事業として1,000人分の7億円を計上し、地方自治体に対して3分の1を補助するとしております。また、一方で独自でこの事業を実施している自治体もあります。 本市の保育所・幼稚園での医療的ケア児の今後の受け入れについて御所見をお伺いいたします。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 常時医療的ケアを必要とする子供の保育所・幼稚園への受け入れにつきましては、設備面での対応や、対象児へ医療行為を行う看護師の新たな配置及び看護師と保育士との組織的な連携体制の構築などさまざまな課題があり、現時点においては、実施は難しい状況にあります。 しかしながら、今般、児童福祉法や関係法が改正されたことを踏まえ、国から、医療的ケア児についてもそのニーズを受けとめ、これを踏まえた対応を図っていくことが重要であるとの考えが示されたこともありますので、保育所・幼稚園の受け入れに関する一つ一つの課題にしっかりと向き合いながら、医療的ケアを必要とする子供の安全・安心な保育・教育環境のあり方について検討を進めるなど、着実に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆18番(塩田美枝子君) それでは、小・中学校での医療的ケア児の今後の受け入れについて御所見をお伺いいたします。 ◎教育部長(増子裕昭君) 小・中学校での医療的ケア児の受け入れにつきましては、インクルーシブ教育の理念のもと、障害のある子もない子も可能な限り地域の学校で学ぶことが推進され、現在も数名ではありますが、医療的ケアが必要な児童・生徒が通常学級に在籍している状況であります。 市教育委員会としましては、医療的ケアが必要な児童・生徒に対しては支援員を配置し、担任や養護教諭による状況観察に加え、小さな変化も見逃さないようきめ細かな対応に努めているところでございます。今後、さらなる合理的配慮の提供として、看護師の資格を持つ支援員の配置などについても検討してまいりたいと考えております。 ◆18番(塩田美枝子君) ありがとうございます。 大きな質問の3点目は、ことし執行されました参議院議員選挙といわき市議会議員選挙を振り返って、投票しやすい環境整備について何点か御質問いたします。 今夏の参議院選挙から選挙権が18歳以上に引き下げられ、若年層の投票率の向上に向けて、それも含めて、1人でも多くの有権者が選挙に参加するためには、投票しやすい環境の整備が不可欠であります。 ここで質問でございます。 参議院選挙の投票率についてお伺いいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 本年7月10日執行の第24回参議院議員通常選挙における市全体の投票率は、53.53%となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) それでは、18歳の投票率をお願いします。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 18歳の投票率につきましては、41.02%となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) それでは、次に、19歳の投票率をお願いします。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 19歳の投票率につきましては、30.98%となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) それでは、投票率が一番低かった年代をお示しください。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 最も投票率の低かった年代は、20歳から24歳までの年代で、その投票率は26.61%となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) それでは、投票率が一番高かった年代をお示しください。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 最も投票率の高かった年代は、70歳から74歳までの年代で、その投票率は73.15%となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) それでは、いわき市議選の投票率をお伺いいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 本年9月11日執行のいわき市議会議員一般選挙の市全体の投票率は、46.66%となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) それでは、18歳の投票率をお願いします。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 18歳の投票率につきましては、34.60%となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) 次に、19歳の投票率をお伺いいたします。
    選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 19歳の投票率につきましては、22.45%となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) それでは、投票率が一番低かった年代をお示しください。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 最も投票率の低かった年代は、20歳から24歳までの年代で、その投票率は21.29%となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) それでは、投票率が一番高かった年代をお示しください。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 最も投票率の高かった年代は、70歳から74歳までの年代で、その投票率は66.59%となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) これまでの結果をお伺いしましたけれども、18歳が19歳の投票率を上回った理由についてお伺いいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられたことに伴い、国が全高校生に配布した副教材を活用し、高等学校における主権者教育の充実が図られるとともに、福島県選挙管理委員会・福島県教育委員会と市選挙管理委員会が連携した模擬投票の実施に取り組んでまいりました。 また、本市では高校生に対する啓発チラシの配布や、校内放送用の啓発用のCDの作成配布、市内全高校生を対象に配布されるフリーペーパーに、投票を呼びかける記事を掲載するなどの啓発に努めてきたところであります。また、このような取り組みがマスメディアで継続的に報道されたことも相まって、18歳の選挙への関心が高まったことが投票率につながったものと考えております。 ◆18番(塩田美枝子君) 参院選、いわき市議選どちらを見ましても20代前半が19歳より投票率が低かった結果になっておりますけれども、投票率を上げるための本市の対策はどのように考えていますか。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 20代前半の投票率につきましては、全国でも低い傾向にあり、学校教育の終了とともに、政治教育などを受ける機会がなくなることにより、政治的関心が希薄になることなどが要因と言われております。このような中、この年代の投票率を上げるのには、大学を中心として若い世代に対する政治意識を向上させていくことが重要であると認識しております。 市といたしましては、これまで大学と連携し、大学構内での選挙時啓発や、選挙公報の設置、啓発ポスターの掲示などを実施してきたところであります。今後につきましては、さらに効果的な方策の導入について検討するなど、若い世代の投票率向上に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆18番(塩田美枝子君) 参議院選挙からラトブにおいて、初めて商業施設での投票所が設置されました。投票率のアップにつながったと思いますけれども、その効果についてお示しください。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) ラトブの期日前投票所は、公共交通機関の利用者、買い物や公共施設の利用者の利便性の向上を図る観点から設置したところであります。投票者数は、参議院議員通常選挙では2,706人、市議会議員一般選挙では2,134名となっており、利用された皆様からは、便利な場所に投票所ができ、投票しやすくなったなどの声をいただいており、好評を得ていることからも、投票しやすい環境の整備に効果があったものと認識しております。 ◆18番(塩田美枝子君) ただいま御答弁のとおり商業施設等の投票所設置、非常に効果があったということで、今御答弁いただきましたけれども、商業施設等の共通投票所の設置には、二重投票防止のための各投票所を通信回線で結ぶなどの対策と、そのための費用が課題となっております。しかし、国も今、補助を出しておりまして、参議院選挙のときには全国で4カ所設置しましたけれども、今、少しずつふえている状況にあります。 そこで、商業施設等を含めた共通投票所の設置についてお伺いいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 共通投票所は、投票日当日において、指定された投票所にかかわらず、選挙人であれば誰でも投票できる投票所を、多くの人が集まる駅やショッピングセンターなどに設置できる制度です。この制度は、本年7月の参議院議員通常選挙から導入されましたが、当該選挙時に設置した地方自治体は4団体7カ所にとどまっております。その要因としては、先ほど議員からもありましたが、二重投票の防止を図るために、共通投票所と、既存の全当日投票所を回線で接続する必要があることや、システム導入に関する多額の整備費用が見込まれることなどが挙げられております。 本市も同様に、これらが課題となっており、現時点で共通投票所を設置することは困難な状況にあるものと考えております。しかしながら、投票率の向上を図るためには、投票しやすい環境を整備することが重要であると考えておりますことから、他の自治体における導入事例を参考に調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆18番(塩田美枝子君) 次は、不在者投票についてであります。 不在者投票については、入院・入所中の病院または老人ホームで行う指定施設投票、身体的に特定の障害がある場合の郵便による郵便投票、旅行、仕事及び避難などで滞在するいわき市以外の市町村での不在者投票の主なところでこの3種類がありますけれども、私からは大学等への進学で親元に住民票を残して転出した学生の取り扱いについて、何点かお伺いいたします。 本市では、前述の学生に不在者投票を認めているのかどうかお伺いいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 不在者投票を行うためには、市町村の選挙管理委員会が整備する選挙人名簿に登録されている必要があります。選挙人名簿の登録は公職選挙法の規定により、当該市町村に住所を持つ18歳以上の日本国民とされ、住所は民法上生活の本拠を指すとされております。生活の本拠につきましては、1954年の最高裁判所判決により、修学のために親元を離れて居住する学生の住所はその寮または下宿などの所在地にあるとの判断がなされております。 市選挙管理委員会としては、これらのことを総合的に判断し、厳密な運用を行うこととしており、おただしの親元に住民票を残して転出されている方などからの問い合わせがあった場合には、投票をお断りしております。 ◆18番(塩田美枝子君) 県内でも、学生による不在者投票、学生のための不在者投票を行っている自治体もあります。 その状況について簡単にお願いします。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 県内の主な自治体の状況について申し上げますと、福島市と郡山市につきましては、転出届の指導をした上で投票を認める、会津若松市につきましては、実態調査の上、居住実態がないと判断された選挙人については、選挙人名簿に登録せず、投票を認めない取り扱いとしております。 ◆18番(塩田美枝子君) それでは、県外の状況についていかがでしょうか。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 県外の状況につきましては、全国の自治体の取り扱いの状況について公表されているものはありませんが、新聞報道などによりますと、道府県庁所在地と政令市、東京23区の計74自治体のうち、投票を認めているのは67市区、投票を認めていないのは7市となっているなど、自治体によって取り扱いが異なっている状況となっております。 ◆18番(塩田美枝子君) それでは、総務省の見解について手短にお願いします。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 新聞報道等によりますと、住民票を親元に置いたまま転出した学生の対応につきましては、総務省は、住民票の異動は法律上の義務であるとしながらも、住所の有無や投票の可否は自治体の判断に委ねており、どちらの取り扱いも間違いではないとの見解を示しております。 ◆18番(塩田美枝子君) 最後の質問です。 今後、ますますふえる高齢者に投票しやすい環境を整備するためにも移動式投票所車両の導入を推進すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 移動投票所とは、当日投票所や期日前投票所まで出向くことが困難な有権者の投票機会を確保するため、投票箱や投票管理者などを同乗させた車両で地域に出向いて投票していただくものであります。 当日投票所や期日前投票所まで出向くことが困難な高齢者等にとって、投票環境の向上が図られる有効な制度と考えておりますが、本市におきましては、中山間地域や山間地域を初めとする、該当する地域が相当数あるものと想定されますことから、投票管理者・投票立会人・事務従事者などの人員の確保、車両の導入に係る経費、二重投票の防止策、運行の方法などが課題と考えております。このようなことから、現時点での導入は困難でありますが、今後、導入した地方自治体の運行方法などに関する情報収集に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(菅波健君) ここで、午後1時まで休憩いたします。          午前11時52分 休憩---------------------------------------          午後1時00分 再開 △木村謙一郎君質問 ○副議長(蛭田源治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。3番木村謙一郎君。          〔3番木村謙一郎君第二演壇に登壇〕 ◆3番(木村謙一郎君) (拍手)3番いわき市議会志帥会木村謙一郎です。 多くの市民の皆様の負託を受け、ふるさとの復興と再生に向けた、2期目4年間の新たな時間をいただきました。今後も、初心を忘れず、市議会議員としての役目を果たすために、誠実に議員活動に取り組むことをお誓いし、以下、通告順に従い一般質問を行います。 大きな質問の1番目は、地域防災力の向上に向けた取り組みについてです。 災害時に、それぞれの地域における防災力、いわゆる共助の精神がいかに重要であるか、このことは東日本大震災を経験した私たちの胸に強く刻まれており、また、11月22日に発生した震度5弱の地震により、そのことを改めて認識させられました。災害の規模が大きくなればなるほど自助と共助による災害対応力が求められます。これまで定例会においても地域防災力の向上に関しては、さまざまな側面から議論が重ねられてきましたが、今回は、情報、そして要支援者という観点から、以下伺っていきます。 まず1点日は、災害時の情報収集についてです。 本市は、災害時の情報発信の多重化、多様化に取り組んできましたが、一方で、避難所や災害現場からの情報の収集という面では、大規模な災害を想定し、さらなる取り組みの充実を図るべきと感じております。 そこで、1つとして、災害時の情報収集はどのように行われているのか、現状について伺います。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 災害時、気象や地震などに関する情報につきましては、福島地方気象台の防災情報提供システムや、福島県河川流域総合情報システムなどを活用するとともに、道路の通行どめや停電等に係る被害につきましては、県や自衛隊などの市防災会議委員から構成される情報連絡員、いわゆるリエゾンにより情報が寄せられるところでございます。 また、各地区における具体的な被害状況につきましては、現地確認などを通して、災害対策各地区本部等からの報告や、市民からの情報等を収集することにより、迅速な災害対応ができるよう努めているところでございます。 ◆3番(木村謙一郎君) それでは、2つとして、ソーシャルネットワークサービスSNSの活用についてですが、情報収集という面ではどのような活用がなされているのか伺います。 ◎総合政策部長(新妻英正君) 本市のSNSの運用につきましては、主に、フェイスブック及びツイッターによる情報発信を行っておりますが、これら発信した情報に対し、市民等からコメントが寄せられる仕組みを通じて、情報収集においても活用している状況にあり、寄せられたコメントについては、関係部署との情報共有を図っているところであります。災害時におきましても、地震・津波等の災害情報や、避難所の開設状況、福島第一及び第二原子力発電所の状況に関する情報等について随時発信し、寄せられるコメントについては、同様の対応を行うこととしております。 ◆3番(木村謙一郎君) 最近は、SNSを活用して、被災者の状況あるいは災害現場の情報を的確に収集し、速やかな災害対応につなげている事例もふえております。 そこで、3つとしまして、本市としても、大災害を想定し、SNSによる情報収集への取り組みをさらに進めるべきと考えますが、市の所見を伺います。 ◎総合政策部長(新妻英正君) 本市におきましては、これまでも、災害時における情報収集及び伝達手段の多重化を図ってまいりましたが、昨今のスマートフォンやタブレット端末の普及率の高まりから、その手段の1つであるSNSの情報収集における活用につきましても有効であると認識しております。そのため、これまでのSNSに寄せられたコメントへの対応に加え、本年7月に運用を開始した、市民等から道路のふぐあいをウエブ上で通報してもらうシステム、震災復興・生活道路再生事業道路通報サービスについて、災害時の情報収集の手段としても活用できるよう検討しているところであります。 しかしながら、SNSを通じて寄せられる数多くの情報につきましては、それぞれの真偽・有効性等の確認を要するなどの課題もあることから、十分に配慮しながら取り組みを進めていきたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) さまざまな課題はあるんですけれども、災害時におけるSNSの効果的な使い方の事例としては、熊本地震における熊本市長の対応、あるいは長野県佐久市における大雪災害の際、佐久市長がみずからのツイッターを利用して、写真の添付やハッシュタグを活用して災害現場等の情報収集を行った例が知られております。こうしたことには大いに学ぶべき点があると考えておりますが、現時点においては行政機関というよりも首長が個人のアカウントを使うことによって、効果的な災害対応につなげている例がとりわけ注日を集めております。 そこで、市長にお聞きしたいと思いますが、市長自身もみずからのアカウントを使って、災害時の情報収集を行ってはどうかと思いますが、考えをお聞かせください。 ◎市長(清水敏男君) ただいま議員より熊本市長及び佐久市長の災害時におけるSNS活用の事例がございましたが、特に、平成26年2月の長野県における豪雪時の佐久市長の対応につきましては、同市の公式ツイッターの開設がない中で、市長みずからが自身のツイッターで情報提供を呼びかけたことにより、除雪車の出動や自衛隊の派遣要請など迅速な対策につながったと聞き及んでおります。 本市におきましては、災害時における双方向での情報伝達手段の多重化の重要性から、公式のフェイスブック及びツイッターを平成26年の開設当初より災害対策にも活用を図っているところであり、市民等への呼びかけは、市公式のSNSでの対応を基本としております。おただしの私自身のSNSの活用につきましては、日ごろからフェイスブックやツイッターを活用し、幅広く情報の受発信を行っているところであり、災害時における情報提供の呼びかけにつきましても、その必要性を見きわめながら、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 首長自身のアカウントを使うには理由があります。まず、情報の信憑性です。災害時、SNSにはデマ情報があふれておりますが、市長がデマを流すと考える方はおりません。逆に効果的な情報発信を行えば、ネット上にあふれるデマの収束にも役立つと言われております。 さらには、首長個人のアカウントは、先ほどありましたように、通常時から双方向の通信を行っておりますので、アクセス数が多く、行政が持つアカウントよりも拡散力があるという点ですぐれております。災害時は緊急の拡散力を要請されますので、そうした点でも首長個人のアカウントを使う効果のほうが大きいのではないかという意見もありますので、市長におかれましても率先してSNSを活用していただきたいと思っております。 いずれにしましても、災害時の情報収集は命にかかわる問題でありますので、本市としてもSNSによる効果的な情報収集システムを構築していただくよう要望させていただきたいと思います。 さて、さまざまな手段を駆使して収集した情報を、迅速な災害対応につなげるためには、集めた情報の処理を効率的に行っていくことが必要です。 そこで、4つとして、本市において、災害時の情報はどのように処理されているのか伺います。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 災害時には、各災害対策地区本部等に寄せられた人的被害や住家被害等の情報を、災害対策本部において集約し、情報の共有化を図っているところであります。その処理に当たりましては、情報を受けた各地区本部等においてそれぞれ対応を判断し、速やかに処理するとともに、処理が困難な案件につきましては、災害対策本部におきまして、本部長である市長の指示のもと、適宜対応しているところでございます。 ◆3番(木村謙一郎君) それでは、5つとして、災害時の情報処理において、特に課題であると認識している点はどのようなものがあるのか伺います。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 災害時には、市民の皆様に対し、より正確な情報を迅速に発信することが重要であると認識をしております。そのためには、被害状況等に関する詳細な情報を把握する必要がありますが、災害時に寄せられる情報は、電話やメールによるものが多く、例えば、裏山で土砂災害が発生しそうだとのメールがあった場合、どの程度崩れているのか、影響を受ける家屋がどの程度かなどの詳細について、現地確認を行わないと把握できず時間を要する結果となります。 こうした文字や言葉で寄せられる情報について、場所を特定する地図情報や現場の写真などにより、目で確認できる情報として受け取れるようにすること、さらに、当該情報を各地区本部等や関係機関と共有し、被害状況や避難情報などを、市民の皆様へ迅速に発信できるかが課題であると認識しております。 ◆3番(木村謙一郎君) やはり文字だけではなかなか現場の状況がわからないということで、先ほども佐久市長の例で申し上げましたけれども、やはり写真の添付というのが非常にSNSを活用する場合、肝心なキーポイントになってくるのかなという認識もありますので、SNSに限らず、メール等ネットを使用した場合には、写真の添付など有効に活用して、現場確認を迅速に行う。そうしたことで、災害時の、今おっしゃられたような課題を解決していくと。そういったこともぜひ検討していただければと思っております。 災害の規模が大きくなるにつれ、扱う情報の量も増大し、重要な情報が埋もれてしまい、適切な災害対応が行えなかった例は過去にもたくさんあります。時間的な制約がある中で、重要度の高い情報を仕分けし、優先的に伝達する仕組みが求められます。つまり、災害時に集まってくる情報をしっかりとトリアージする必要があると考えます。 平成26年度総務常任委員会においては、こうした先進事例を学ぶべく熊本市に視察を行っておりますが、そこで、本市としても災害情報トリアージというシステムを導入すべきと考えますが、市の所見を伺います。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 災害時には、人命にかかわる重要なものから、道路等インフラの被害、避難所での必要な物資に係るものなど、さまざまな情報が災害対策本部等に寄せられることとなりますが、とりわけ発災後72時間につきましては、人命第一という考えのもと、救助、医療、避難所の開設・運営に係るものを最優先としながら、物資や燃料の確保、ライフラインの復旧等に係る情報収集を行うこととなります。 議員おただしの災害時における情報をトリアージすることは、災害対応する上で必要な作業であると認識をしておりますことから、さらなる調査研究を行ってまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) SNSなどによる情報収集なども視野に入れれば、情報処理の負担は増大します。先ほど、総合政策部長からも御答弁ありましたように、その膨大な情報をどのように処理していくか。これが一番大きな課題になると考えております。そのような場合には、例えばですけれども、市内のIT企業等と協定を結び、ネット上の情報処理に関しては露払いを行ってもらうような、そうした官民連携による情報システムの構築も検討すべきではないかと考えております。 いずれにしましても、情報を効果的に集め、トリアージにより集約と分析を行い、そして多重化された手段で発信・供用を行えるような災害時の情報システムの確立に向けた取り組みをさらに推進していただくよう要望しまして、次の質問に移ります。 2点目の質問は、避難行動要支援者への対応についてです。 災害時に、いわゆる災害弱者と呼ばれる方々の避難行動を、いかに迅速に行うかは大きな課題です。特に共助の段階において、避難行動要支援者への支援を強化するには、まず初めに、要支援者の現状把握が必要となります。 そこで、1つとして、避難行動要支援者の登録制度における現在の登録状況はどのようになっているのか伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 避難行動要支援者の名簿への登録につきましては、平成25年6月に災害対策基本法が改正され、災害時等にみずから避難することが困難で、円滑かつ迅速な避難に支援を要する避難行動要支援者の名簿の作成が市町村に義務づけられるとともに、要支援者本人からの同意を得て、平常時から消防機関や民生・児童委員等の避難支援等関係者に情報を提供することなどが定められたところであります。 法改正を受けて、本市では、名簿に登録する対象者を、在宅で生活している要介護3、4及び5の認定を受けた方、身体障害者手帳1級及び2級の認定を受けた方などとし、法改正前の災害時要援護者支援制度への登録者とあわせて名簿を作成しております。また、避難支援者等関係者への情報提供の同意を得た方々の名簿については、自主防災組織や民生・児童委員などへ提供しております。平成28年8月末現在で、避難行動要支援者として名簿に登録されている人数は1万8,362人、うち情報提供の同意を得た人数は8,584人となっております。 ◆3番(木村謙一郎君) まだまだ同意を得て、登録制度に同意していただく方をふやしていただきたいと思いますが、そこで、2つとして、市としては登録者の増加のためにどのような対策を行っているのか伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 避難行動要支援者名簿は、平常時から自主防災組織など避難支援等関係者に提供され、共有されることで、災害が発生した際に円滑かつ迅速な避難支援に結びつくことから、より多くの方々から名簿を提供するための同意を得ていくことが重要であると認識しております。このため、要介護認定等の結果通知に、制度の案内を同封しているほか、身体障害者手帳の交付時に説明するなど、制度の周知や登録、同意の促進に取り組んでいるところであります。 ◆3番(木村謙一郎君) それでは、次に、3つとして、支援制度においては、避難行動要支援者に対して、避難支援のための個別計画を策定するとしておりますが、その策定状況はどのようになっているのか伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 災害が発生し、またはそのおそれが高まったときに、要支援者の避難誘導等を迅速かつ的確に実施するためには、要支援者一人一人について、避難支援者や避難場所等を定めておくことが必要であることから、名簿登録の届け出をした方には、避難行動要支援者台帳を作成し、避難所の地図を添付し、配付することとしております。 本市では、これを避難支援個別計画と位置づけており、基本的には、情報提供の同意を得た方全員分を作成しております。しかし、個別具体的な避難支援方法や避難支援者が定められていない登録者がいることなどは課題であり、今後、解決に向け取り組んでいく必要があると認識しております。 ◆3番(木村謙一郎君) やはり全員分が作成されれば理想なんですけれども、なかなか行政の力だけでは進められない部分もあると思っておりますので、例えば、市内の自主防災組織の中には独自に要支援者リストを作成して、共助による防災力対応の向上に取り組んでいる地区もあります。 そこで、4つとして、自主防災会組織等における要支援者リスト作成への取り組みを、より積極的に支援していくべきと考えますが、市の所見を伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 要支援者リスト作成への支援につきましては、市からの情報提供とあわせて、地域の自主防災組織等が独自の避難行動要支援者名簿を作成していくことが有効であると考えております。このため、要支援者の避難支援計画を作成するため地区住民に参加いただきながら、平成25年度より、毎年度10地区を指定し、沿岸部を中心に避難行動要支援者マップ作成事業を実施しているところであります。この事業を通じ、自主防災組織等において独自の避難行動要支援者名簿が作成できるよう支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) それでは、支援制度によって策定された名簿は災害時に有効に活用されなければなりません。 そこで、5つとして、策定した名簿の提供先を幅広く検討すべきと考えますが、市の所見を伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 避難行動要支援者名簿の提供先につきましては、現在は、地区自主防災組織または行政区、市消防団、民生・児童委員、地域包括支援センター、社会福祉協議会及び警察機関となっており、要支援者の同意を得た上で名簿を提供しております。 また、地区独自の避難支援体制を構築する中で地域の方々の情報により作成された名簿を、地区の関係機関で共有することで、より実効性のある支援体制が構築されるものと考えております。そうした中で新たな地区内の関係機関への情報提供が必要となる場合などには、新たな名簿提供先に関する同意取得が必要になるものと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 同意は本当に大前提だとは思うんですけれども、支援制度への登録者がふえれば、求められる支援の量というのもふえてくると思いますので、例えばですけれども、福祉サービス事業者や障がい者団体など、名簿の提供先については幅広く検討するようなことによって、必要な支援の量的な確保にも努めていただければと思っております。 次に、要支援者の車両の利用についてですが、現状より、もう少し具体的なルールを定めることで個別計画の策定に欠かすことができない支援者の確保が促され、また災害時における全体的な車両利用のルールなども、より明確になるのではないかと思います。 そこで、6つとして、避難行動要支援者が避難する際の車両の使用について、より具体的なルールを策定しておくべきと考えますが、市の所見を伺います。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 市地域防災計画におきまして、津波警報等が発表された場合、高台など最寄りの安全な場所へ徒歩で避難すること、また、避難場所等までの相当な距離があり、避難行動要支援者等の円滑な避難が困難な地域においては、例えば相乗りをするなどして、必要最小限の範囲内で自動車による避難を認めると規定しており、こうした避難方法につきましては、防災訓練や出前講座などを通して、市民の皆様への周知を図っているところであります。 去る11月5日に実施した市総合防災訓練におきましても、市地域防災計画に基づき、原則徒歩による避難としたところでございますが、今般の津波警報発表においては、自動車での避難行動による交通渋滞が発生した状況を踏まえ、議員おただしの、より具体的なルールづくりについて、今後研究してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 地域内での協議に基づいて、誰がどのような場合に要支援者への車両による避難支援を行うのか。こうした話し合いがしっかりとなされるように、まずは市当局においても、要支援者の車両の研究について、今、研究という言葉がございましたけれども、深めていただきたいと思います。 渋滞の発生などによって、要支援者の車や緊急車両などの通行に困難を来すような事態は避けなくてはなりません。そのためには一般の方々の避難時の車両の利用についても再検討する必要があると考えております。 災害時においては、車は単に移動に便利というだけではなく、避難先におけるプライベートスペースであり、ラジオやカーナビを利用した情報源であり、また、津波による被害では保険が適用されないなど、要支援者以外でも、さまざまな理由で車での避難を選択する傾向があります。そうした現状に鑑みると、車による避難を制限するよりも、むしろ車による避難を前提としてさまざまな対策等を講じておく必要があるのではないかと感じております。 そこで、7つ目の質問ですが、避難時における車の使用についても検討を行うべきではないかと考えますが、市の所見を伺います。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 先ほど答弁申し上げましたとおり、今般の津波災害においては、自動車での避難による交通渋滞が発生したことを踏まえ、市といたしましては、今後、津波災害時における自動車での避難について、警察等関係機関と協議しながら、その有効性や方法、課題などにつきまして、研究してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 車での避難を前提とした場合には、道路整備に対する考え方、避難所の設定、あるいは災害時の道路規制など、防災計画、また、まちづくりのあり方について根本的に見直しが必要になる可能性があると考えております。高い防潮堤をつくるよりも太い道路を整備して、車で一気に安全な場所まで避難したほうがいいのではないか。こうした意見も聞かれます。車による避難については、全国的な議論がなされるべきと考えますが、市当局におかれましては、東日本大震災を経験した自治体として、率先して議論をリードするような研究をしていただきたいと思っております。 次に、避難を完了した後の要支援者への対応についてですが、発災当初は、特に一般の方々による要支援者への配慮が必要と考えます。 そこで、8つ目になりますが、要支援者等に配慮した避難所運営に対する認識を深めるための取り組みを推進すべきと考えますが、市の所見を伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 避難所につきましては、市避難所運営マニュアルに基づき、運営することとしております。マニュアルにおいては、要支援者への対応について、体育館など他の避難者と同じ場所での支援が可能な場合には、身動きが楽で、トイレに行きやすい、運営者がすぐに支援できるなど、環境のよいスペースを優先的に確保することとしております。また、他の避難者と同じ場所での支援が難しい場合には、過ごしやすく、家族が介護しやすい場所として、教室など別な部屋を配慮することとしております。 避難所の運営に当たりましては、マニュアルに沿った要支援者に配慮した運営を心がけるとともに、防災訓練などの機会を捉えて、実際の避難所の運営を想定して訓練する避難所運営ゲームHUGの実施などにより、要支援者等に配慮した避難所運営に対する認識を深めてまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) このマニュアルをいかに市民の方に周知していただくかというのが大事だと思いますので、今、答弁にありましたようなHUG、こうしたものを有効に活用していただいて、より多くの方に認識をしてもらえるような取り組みを推進していただきたいと思います。 次に、共助の段階で避難支援がどうしてもできない場合、地域住民が要支援者の状況についてトリアージを行い、目印を各家庭の軒先に掲げるような方法があれば、公助の段階における消防や自衛隊の救助活動を効率的に行うことができるのではないかと考えます。例えば、久之浜南町の自主防災組織では、避難が困難な方がいる家庭には赤い布を掲げるといったルールをつくり実践しております。また、災害公営住宅久之浜東団地では、避難、在宅というマグネットステッカー、丸いマグネットステッカーなんですけれども、これを配布して、災害時の行動状況を他の方々に示すといった方法も取り入れております。 そこで、9つ目の質問となりますが、避難時に目印を掲げることにより、要支援者に対する専門的な救助をより円滑に進めるような手法を市としても導入すべきではないかと考えますが、所見を伺います。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 避難時に避難行動の目安となる目印を示すなどの取り組みを行っている自治体があり、訓練などでも実施されていることは承知をしております。久之浜でも取り組んでおられるということでございます。こうした取り組みは、避難しているか否かを円滑に確認するための手法の1つであると考えております。 今後、市内や他自治体で実施されている方法などについて、調査研究し、有効と思われる取り組みなどについては、機会を捉えて自主防災組織などに紹介してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) さまざまな方法がありまして、実践ではなかなか課題も出てきている部分もありますので、調査研究ということで、しっかりとした調査研究を行っていただいて、実践的な手法というものを見つけ出していただければと思っております。紹介しました事例も含めまして、これまでの災害経験から生まれた、今ありましたようなさまざまなアイディアを生かした各地域の取り組みを市としても積極的に支援していただきたいと思います。そして、次の災害では必ず全員で助かるという強い信念のもと、防災力の向上に努めていただくことをお願いし、次の質問に移ります。 大きな質問の2番目は、学校等施設の除去土壌等の搬出についてです。 除染による廃棄物の仮置き場確保に非常に苦労した経験を有する本市としては、今般、県内の学校等施設に保管されている除去土壌等の処理を進めるために、大熊町、そして双葉町の関係者や住民の皆様が下した決断を重く受けとめなければならないと考えます。その上で、学校等施設の除去土壌等の処理に向けて、具体的にどのような作業を行うことになるのか、我々いわき市民も認識を深める必要があると考えます。 そこで、1点目は、作業の概要について伺っていきます。 まず1つとして、中間貯蔵施設への搬出が可能となる除去土壌等を保管している対象施設はどのようなものか伺います。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 環境省によりますと、対象施設は、小・中学校、幼稚園、保育所、児童養護施設、障がい児施設及び高等学校等とされております。 ◆3番(木村謙一郎君) それでは、次に、2つとして、対象となる施設に保管されている除去土壌等の量はどの程度あるのか伺います。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 本年9月末時点での除去土壌等の量につきましては、県内全体で約33万立方メートル、そのうち、本市においては、約3万8,000立方メートルとなっております。 ◆3番(木村謙一郎君) それでは、3つとして、対象となる除去土壌等全てを搬入できる保管先の見通しについて伺います。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 環境省によりますと、今年度におきましては、大熊・双葉両町から提供いただきました町有地を活用した保管場内に除去土壌等を受け入れることとされております。来年度以降につきましては、県内市町村からの搬入量を見きわめながら、さらに保管場が必要となる場合におきましては、環境省が、両町と調整を図りながら対応していくこととされております。 ◆3番(木村謙一郎君) 学校等施設において行われた表土改善では、除去した土壌等をフレコンバックに封入した状態ではなく、シートで覆う形で埋設されていると伺っております。 そこで、4つとして、学校等の敷地内から除去土壌等を運び出すために、具体的にはどのような作業を行うことになるのか伺います。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 除去土壌等につきましては、議員おただしのとおり、いまだに袋詰めされていないものがある一方で、既に袋詰めされているものも保管されております。これら全ての除去土壌等につきましては、改めて防水性を有するフレコンバッグへ詰め込みまたは詰めかえを行った上で、表面線量率の測定や除去土壌等の履歴となる管理用のタグづけ作業を行うこととしております。 ◆3番(木村謙一郎君) それでは、5つとして、学校等敷地内から搬出された除去土壌等はどのような手順で、中間貯蔵施設内の保管場に輸送されるのか伺います。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 環境省が策定いたしました中間貯蔵施設への除去土壌等の輸送に係る実施計画によりますと、まず、市が除去土壌等を学校等施設内から積み込み場まで搬出し、保管・管理することとなります。その後、一定量が集積された段階で、環境省が当該積み込み場から中間貯蔵施設内保管場まで輸送することとなっております。 ◆3番(木村謙一郎君) ただいまの答弁をお聞きしますと、市が役割を果たさなくてはいけないのは、学校等施設から積み込み場までということだと思いますが、それでは、6つ目の質問としまして、積み込み場の確保に向けた市の基本的な考え方についてお伺いします。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 学校等施設内でフレコンバッグに詰め込み等をした後に、児童・生徒などの安全を確保するという観点から、早急な搬出をするために、既存の仮置き場を一時的な積み込み場として活用してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) それでは、この項目最後の質問となりますが、現時点における今後の作業の見通しについて伺います。 ◎危機管理監(緑川伸幸君) 現時点において、学校等施設全体の除去土壌等の搬出作業に係る見通しを申し上げることは困難でありますが、来年度以降、各施設管理者が、保護者や地区住民と協議し、積み込み場が確保できた施設から順次実施してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 作業の概要について伺ってきましたが、除去土壌等の搬出から積み込み場への移動までには、多くの細かな調整が必要になってくると。そしてまた、その積み重ねが必要になってくるということだと思います。いつごろこの作業が終わるのかとか、長期休暇中にできないのか、そういった声があるんですけれども、こうした作業の概要を改めてお聞きしますと、なかなか難しい作業であるんだなと再認識させていただきました。そういった中におかれましても、市当局におきましては、作業の速やかな進捗が図られますよう尽力していただきたいと思います。 次に、2点目は、今回の作業に伴う影響についてです。 学校施設は、児童・生徒への教育の場というだけではなく、地域住民にもさまざまな形で利用されており、市民生活全般に深くかかわりを持つ施設であります。その点を踏まえ、作業中はさまざまな方面への配慮が必要であると考えますが、まずは学校施設の周辺も含め、安全の確保が一番の課題であると考えます。 そこで、1つとして、作業中の安全対策として、市としてはどのような対策を行う考えなのか伺います。 ◎教育部長(増子裕昭君) 本市におきましては、本年度、市北部4地区のうち、久之浜・大久地区から作業に着手したところでありますが、その安全対策としましては、まず仮囲いを設置し、除去土壌等の飛散防止を図るとともに、作業区域内への立ち入り制限措置を講じているところであります。また、子供たちの登下校の時間帯は車両運搬を行わないよう作業時間を制限するほか、作業区域の出入口には交通誘導員を配置し、車両運搬時の事故防止を図っております。 さらに、作業時には作業区域内の空間線量率測定を初め、放射線を可視化しての測定、それから、大気中の放射性物質濃度の調査を行うなど、除去土壌等が飛散していないことを確認しながら、きめ細かな安全対策を講じているところであります。 ◆3番(木村謙一郎君) 作業中の安全に対しては、万全にも万全を期していただきたいと思いますが、重要なのは、安全対策がきちんと行われているという点を、保護者や周辺住民の方々にしっかりと理解をしていただくということだと思います。 そこで、2つとして、作業の安全性に対する認識をきちんと共有するための市の取り組みについて伺います。 ◎教育部長(増子裕昭君) 安全対策の周知につきましては、久之浜・大久地区の小・中学校3校の保護者及び教職員を対象に、合同説明会を開催したほか、久之浜第一小学校に隣接する浜風商店街関係者、放課後児童クラブ関係者、そして久之浜・大久地区区長会を対象に、個別に説明を行ったところであります。また、久之浜・大久地区住民の皆様に対し、お知らせ回覧文書により、作業の周知を図っているところであります。 今後におきましては、市のホームページを活用して、作業の状況等について情報発信を行うなど、広く市民の皆様に対し、安全対策の周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 11月から久之浜・大久地区の小・中学校で、実際に作業が始められておりますが、現場となる校庭には矢板が建てられ、作業中の校庭の使用がほぼ不可能であることは明らかです。埋設された除去土壌等の量にもよると思うんですが、作業が長期間に及ぶ場合には、学校カリキュラムの変更を余儀なくされることが想定されます。 そこで、伺いますが、学校のカリキュラムの変更などを最小限にとどめるためには、学校との連携を密にし、作業を進めていく必要があると考えますが、市の所見を伺います。 ◎教育部長(増子裕昭君) 作業の実施に当たりましては、数カ月以上にわたり、校庭の使用ができなくなることから、体育の授業や学校行事など、学校運営に影響を及ぼすものと認識しております。今後、搬出作業を予定している学校につきましても、可能な限り早い時期に、学校との協議を行い、カリキュラムの変更などを最小限にとどめられるよう、十分に意を用いながら、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、4つ目の質問となりますが、作業を行うに当たっては、学校施設を利用してきたさまざまな団体ともきちんとした話し合いを行い、合意を得ながら作業を進める必要があると考えますが、市の対応について伺います。 ◎教育部長(増子裕昭君) 作業の実施に当たりましては、今後、作業を予定している学校につきましても、社会体育やその他の活動のため、利用する関係団体等に対し、地区住民の皆様と同様に、事前に丁寧な説明を行うなど、関係者の皆様の御理解をいただきながら、作業を進めてまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 震災以降、本市が取り組んできた除染事業についてはこの12月に受け付けを終了し、今年度中に事業終了の予定という発表がなされております。初めて直面する課題に対して、さまざまな試行錯誤を繰り返し、やっと終了が見えてきた除染事業でありますが、今回の学校等施設からの除去土壌等の搬出においても、除染事業と同様に、作業を進めるに当たっては、さまざまな調整や変更を余儀なくされる可能性があると思います。 大切なのは、まずは作業の内容をしっかりと市民の皆さんに説明し、理解していただくことによって、不安や憶測が広がるのを極力避けることだと思います。丁寧な説明の積み重ねを怠ることのないよう改めてお願いし、また先行して行われている久之浜・大久地区での知見を十分に生かして、事業全体の速やかな進捗が図られることを期待し、次の質問に移ります。 大きな質問の3番目は、公共交通システムの確立についてです。 広域多核性を有する本市においては、全市的な公共交通ネットワークを構築する抜本的な解決策を見出せない状況にあると言えます。高齢化社会が進み本格的な人口減少時代を迎えようとしている今日、持続可能な公共交通ネットワークの構築を求める声は、より一層高まり、本市が解決すべき最重要課題の1つであると考えます。そのような中、久之浜・大久地区において公共交通実証運行が行われました。 そこで1点目は久之浜・大久地区公共交通実証運行について伺っていきます。 まず1つとして、利用者数や全体的な採算など実証運行における実績について伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 本年5月6日から7月20日までの53日間で実施いたしました実証運行の実績のうち、利用者数につきましては、主に児童・生徒等の通学利用を目的とした定時定路線型の乗り合いタクシーが、延べ377人で、主に高齢者の通院や買い物等での利用を目的とした事前予約型の乗り合いタクシーが、延べ167人であり、いずれも目標の約10%の利用となっておりました。 また、収支決算につきましては、運行経費等の支出が約452万円で、収入は、運賃が約18万円、広告協賛金が約28万円、世帯負担金が約45万円の計約91万円であり、収支率は約20%となっておりました。 ◆3番(木村謙一郎君) 満足な結果は残念ながら得られなかったというのが正直な印象でありますが、それでは、2つとして、実証運行終了後に地域住民に対して行われたアンケートの結果について伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) アンケート調査につきましては、実証運行に対する評価・検証を行うため、本年8月に、久之浜・大久地区の自治会加入の1,596世帯を対象に行ったもので、660世帯、1,598人から回答がありました。回答率は約41.4%となっております。その主な結果について申し上げますと、まず、事前予約型の乗り合いタクシーを利用しなかった理由といたしましては、自分で運転したほうが便利というのが約70%と最も多く、次いで、家族・友人等の送迎のほうが便利、予約が面倒、登録や利用の仕方がわからないなどとなっております。 一方で、利用した方からの感想は、総じて満足度が高く、外出機会の増加に寄与したものと考えております。また、公共交通の必要性につきましては、約45%の方が必要であると回答しておりますが、今後、本格運行した場合の利用意向につきましては、利用すると回答した方は約10%と低い結果となっております。 ◆3番(木村謙一郎君) 非常に厳しい現状なのかなと認識しますが、3つとして、今回の実証運行により、そうは厳しい状況であっても、得られた成果において、今後の施策等に生かしていくべきと考える効果的な取り組みはどのようなものがあったのか伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 今回の実証運行におきましては、計画策定段階におきまして、地域が主体となった地域交通ワークショップにおいて検討を重ね、実証運行計画を取りまとめることにより、地域住民の間で、公共交通に対する意識の醸成が図られたことや、実証運行の期間中において、実証運行の運営主体である久之浜・大久地区公共交通運営協議会の委員の方々が中心となりまして、学校や地域の行事・集会などに出向かれまして利用方法を説明するなど、積極的な利用促進活動が行われたことなどが、今後の施策等に生かすことができるものと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) それでは、逆に、今回の実証運行において浮き彫りとなった課題はどのようなものであったか伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 今回の実証運行におきましては、実証運行前に行った利用意向に関する住民アンケートの結果をもとに、利用者数の目標を設定したところでありますが、利用実績は、定時定路線型、事前予約型ともに、先ほど申し上げましたとおり、目標の約10%にとどまったところであり、利用者が絞り込めていなかったこと、利用時間帯など実際のニーズを反映した公共交通システムの構築ができなかったことなどが、課題として浮き彫りになったものでございます。 ◆3番(木村謙一郎君) ただいま答弁にありましたが、よい点、悪い点、これをどのように今後生かしていくのかというのが課題でありますが、そこで、5つとして、久之浜・大久地区における公共交通システムの確立に向けた取り組みを、今後どのように進めていくのか市の考えをお聞かせください。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 実証運行の結果や、評価・検証における検討課題等を踏まえまして、運行主体である久之浜・大久地区公共交通運営協議会や地区の代表者で組織する久之浜・大久地区復興対策協議会の皆様と協議を行ってまいりましたが、解決すべき課題も多く、今すぐの長期の実証運行は困難であるが、公共交通の導入は、地区として今後も取り組むべき重要な課題であり、今後とも運営協議会が中心となって取り組んでいくとする地区の総意が示されたところでございます。 市といたしましても、課題解決を図りながら、地域の実情に即した公共交通の構築に向けて、継続して取り組んでいく必要があると考えておりますことから、今後とも、地域が主体となった取り組みを支援しながら、一緒になって取り組んでまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。アンケート等で得られた小さな声とかにも真摯に耳を傾けていただいて継続的な支援を、厳しい状況ではありますが、お願いしたいと思っております。 さて、久之浜・大久地区における実証運行でも、ただいま御答弁でもありましたように、これまで行ってきた公共交通に関するさまざまな社会実験においては、幾つかの共通課題があったと考えております。 そこで、2点目は、社会実験を行う際の利用者の増加に関する取り組みについて伺っていきます。 まず、1つとして、これまでの社会実験等において利用者数が伸びない原因をどのように認識しているのか伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) これまで、各地域において取り組んできた社会実験等におきましては、公共交通の必要性は認識されているものの、自家用自動車が利便性の高い移動手段として定着し、利用ニーズが少ないこと、公共交通は自家用自動車よりも時間的・空間的な制限が大きく、利用者のニーズに合わないこと、公共交通の利用の仕方がわかりにくいことなどが、利用者数が伸びなかった主な原因と認識しております。 ◆3番(木村謙一郎君) 答弁にもありましたように、これまで、社会実験を行う際の利用者の見込みについては、児童や生徒、あるいは高齢者といった、いわゆる移動弱者を基本的なニーズとして捉えてきたのかなと考えております。しかし、現実的には、先ほどの答弁にもありましたように、車で運転したほうが早いとか、親の送り迎えを使う、知人との乗り合わせ、あるいは病院の送迎など、日常の移動手段に比べて、利便性がかなり向上しない限り、公共交通を実際に利用する方の数は伸びず、当然、売り上げが伸びないという状況が繰り返されてきてしまったのではないかと考えております。 そこで、2つ目の質問となりますが、今後、実証運行のような社会実験が行われる場合には、いわゆる利用者の想定をもう少し現実的なニーズを勘案したものにすべきと考えますが、市の所見を伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 今回の実証運行につきましては、運行計画に対するニーズ調査を行いながら、定時定路線型の乗り合いタクシーと事前予約型の乗り合いタクシーの利用者数の目標を設定したところでございますが、実際の利用は限られた一部の方々であることが明確となったところでございます。 議員御指摘のとおり、これまでのアンケートによるニーズ調査におきましては、利用者の正確な把握には限界があることから、現実的な利用ニーズを把握する手法等について、地域の皆様と調査研究してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 例えば、中山間地域のように自家用車への依存度が高い地域において、従来のようなアンケート型によるニーズ調査に基づき、社会実験を行っても、これまでと同様に実際の利用者は少なかったという結果になることが予想されます。逆に、もともと公共交通への依存度が高い地域において、減便や路線廃止等の交通事業の縮小が行われた場合のほうが、公共交通へのニーズは、利用者のニーズは高いと考えることもできます。今後、社会実験を行う際には、先ほど部長から答弁いただきましたが、調査をしっかり行っていただいて、想定利用者の見きわめをしっかりと行えるような方法についても検討していただきたいと思っております。 次に、利用者の増加を促すためには、財政支援のあり方についても検討を加える余地があると考えます。市の財政的な負担について、従来の運行経費負担にとらわれない効果的な方法での財政支援というものを考えていく必要があると思います。 そこで、3つとして、市が負担すべき財政的な役割に対する現時点での基本的な考え方について伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 本市におきましては、生活バス路線を運行する乗り合いバス事業者に対しまして、いわき市生活バス路線維持対策事業費補助金制度によりまして、運行に生じた欠損額に対し、運行に係る費用の45%を上限として補助を行うなど、地域の皆様と一体となって、公共交通を支えているところでございます。このような考えのもと、地域が主体となって運行する乗り合いタクシーなどの公共交通につきましても、今後における実証運行などを通し、利用者、地域、行政の費用負担のあり方や、助成すべき限度、さらには、効果等について検討してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 財政支援を行う場合に、運行管理者や利用者の利用状況に合わせてインセンティブが働くような仕組みを考えるのも1つの方法ではないかと思います。新潟県の三条市による乗り合いタクシーによるデマンド交通ひめさゆりでは、乗車人数と走行距離に応じて、自治体から運行事業者に補助金が出る制度になっております。つまり1人でも多くの方に、長く乗ってもらうと補助金の額もふえていくというようなシステムになります。このような制度を導入すれば、交通事業者、運行管理者は1人でも多くの方を顧客として獲得しようと努力するため、サービス向上とシステムの持続性を自然と促すようになります。 また、仮に、運行事業者が、特に免許を有する高齢者を顧客ターゲットとした場合、全国的にも注目されている高齢者の免許証の自主返納を促進する可能性も考えられます。三条市のような事例に学びながら、本市としても利用者の増加を促し、持続可能なビジネスモデルづくりに寄与するような財政支援策を検討していただくようお願いしたいと思います。 3点目の質問は、公共交通システムの確立に向けた今後の取り組みについてです。 オンデマンドやコミュニティーバス、さらには、両者のハイブリット式などさまざまな手法による実験を試みてきた中で、自家用車両を活用した手法が、課題解決に向けた可能性が比較的高いのではないかと考えます。 そこで、1つとして、公共交通空白地有償運送に関する市の基本的な考え方について伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 公共交通空白地有償運送につきましては、バスやタクシーなどの交通事業者だけでは、十分な輸送サービスが確保できない公共交通空白地域におきまして、自治会やNPO等の地元に密着した団体が運営主体となり、利用を希望する会員と、自家用車などにより輸送を担う運転手を募集し、タクシーの半額程度の料金で旅客運送サービスを行うものであり、市といたしましては、三和、川前、田人などの中山間地域などにおける有効な移動手段の1つと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) ただいまありました空白地有償運送ですが、制度導入にはさまざまな条件があると伺っております。 そこで、2つとして、公共交通空白地有償運送制度導入に向けた課題にはどのようなものがあると認識しているのか伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) この制度導入に当たりましては、継続的に運行できる運営組織の構築と、恒常的な運転手の確保が課題であると認識しており、また、既存バス路線との競合が生じる地域内への運行も想定されますことから、運行時間や運行区域など、路線バスとの機能分担を明確にして、利用者の競合を避けるなど、バス事業者との十分な調整を図ることが必要であると認識しております。
    ◆3番(木村謙一郎君) 現在、世界的にも注目されているライドシェアもそうですが、空白地有償運送は条件緩和や事業者との調整が大きな課題であり、早急に議論を深めて、制度導入への環境整備を図っていただきたいと思います。いずれにしましても、国、あるいは民間の動向等もいち早く察知し、公共交通ネットワークの整備促進を図るためには、さまざまな課題について定期的な議論を重ねていくべきと考えます。 そこで、3つとして、いわき市公共交通活性化協議会が定期的に会議を開催するなどして、より積極的な役割を果たしていくべきと考えますが、市の所見を伺います。 ◎市長(清水敏男君) いわき市公共交通活性化協議会につきましては、本市の望ましい公共交通のあり方や公共交通施策の方向性を定めるいわき市生活交通ビジョンに基づき実施する公共交通施策の立案・検証等について協議するため、平成24年度に設置したものであり、市民、交通事業者、学識経験者、商業等事業者、国・県等の行政機関の代表者などにより構成されております。 これまで、バス路線の再編に関する検討や、新たな公共交通の構築に向けた取り組みである久之浜・大久地区公共交通実証運行に関する検討などを行うために開催してきたところであり、今後におきましても、各地域が主体となった取り組みに際し、当協議会を開催し、専門的な立場や市民の立場から積極的に御意見をいただきながら、地域の実情に即した新たな地域公共交通について検討してまいりたいと考えております。 ◆3番(木村謙一郎君) 必要に応じてという部分ではなくて、できれば常時定期的に開催していただきたいというのが私の要望でありまして、活性化協議会のあり方については、十分検討していただくことを要望したいと思います。 それでは、最後の質問となりますが、本市の公共交通ネットワークの確立に向けた今後の取り組みについて伺います。 ◎市長(清水敏男君) 平成24年3月に策定いたしましたいわき市生活交通ビジョンにおきましては、地域の足は地域で守り育むという主体的な意識を持ち、交通事業者や商業等の事業者と行政との緊密な連携のもと、一丸となって、地域特性にあった公共交通システムの構築と、それらが有機的に結合する公共交通ネットワークの構築を図り、将来に向け持続可能な公共交通をつくり上げることとしており、効率的なバス路線の再編や利用促進についてバス事業者と協議を継続するとともに、泉地区や三和地区で地域交通を検討するワークショップの開催や久之浜・大久地区での公共交通実証運行を行い、地域特性に合った新たな公共交通の構築に向けて取り組んできたところであります。 今後におきましても、こうした取り組みを評価・検証するとともに、先進地の事例を参考にしながら、課題の解決を図り、市民の皆様が利用しやすい、最適で持続可能な公共交通ネットワークの確立に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(蛭田源治君) ここで、午後2時20分まで休憩いたします。          午後2時01分 休憩---------------------------------------          午後2時20分 再開 △大友康夫君質問 ○副議長(蛭田源治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。27番大友康夫君。          〔27番大友康夫君第二演壇に登壇〕 ◆27番(大友康夫君) (拍手)27番いわき市議会つつじの会の大友康夫です。 9月に行われましたいわき市議会議員選挙におきましては、市民の皆様の温かい御支援により、3期目の当選を果たすことができました。市議会議員としての責任と自覚を胸に、精一杯務めさせていただくことをお誓い申し上げ、以下、通告順に従いまして、一般質問に入らせていただきます。 まず、1番目の質問は、若者の雇用確保に向けた取り組みについてであります。 若者が生まれ育ったこのふるさと・いわきで働き、そして生活を営むことで、その後の結婚や出産、育児、教育、そして地域社会に参画し、貢献していただくことが、地域の大きな活力につながる、 そうした考えのもとに、働く場所を確保することの大切さをこれまで訴えてきました。 雇用問題を考える上で大きな影響力を持つのが、国内の景気動向になりますが、内閣府が毎月発表している報告によりますと、景気は緩やかながらも回復基調は続いているとのことであります。そして日本経済に大きな影響力を持つ個人消費は、横ばいながらも勤労者所得が緩やかながらふえてきていることから、個人消費も回復し、購買意欲が増すことで、消費がふえる傾向にあるとの見解が示されました。 実際に、雇用を取り巻く環境では有効求人倍率は、1.4倍とバブル期以来の25年ぶりの高水準にあると報告されております。しかし、求人の多くがパート労働者やアルバイトが含まれる数字でもありますし、正確な状況はつかめていないというのが実情であります。これらの状況を踏まえましてお伺いします。 まず、最初に、市内の雇用を取り巻く情勢と特徴についてであります。 東日本大震災から、5年9カ月が過ぎようとしていますが、この間、復旧・復興に向けたさまざまな施策を展開してきたことで、雇用を取り巻く環境も好転していましたが、昨今では震災特需も一段落してきていると言われております。現在の雇用情勢が本当に気になるところであります。 そこで、いわき市の雇用情勢はどのようになっているのかお伺いします。 ◎産業振興部長(荒川洋君) いわき市の雇用情勢につきましては、本年10月末時点での数値となりますが、有効求人数9,121人、有効求職者数5,340人、有効求人倍率は1.71倍で、昨年同時期と同水準となっており、引き続き市内の有効求人倍率は高い水準を維持しております。 ◆27番(大友康夫君) 現在もよい状況が続いているものと理解しました。 それでは、求人状況についてですが、では、業種別に見た状況はどのようになっているのかお伺いします。 ◎産業振興部長(荒川洋君) こちらも本年10月末時点での数値で述べさせていただきたいと思いますけれども、業種別、職業別での有効求人倍率が高い主なものとしましては、介護サービスの職業は3.80倍、接客・給仕の職業は2.51倍、保健師・助産師等は2.44倍、土木の職業は2.25倍となっております。 ◆27番(大友康夫君) 東日本大震災の復旧・復興関連で、特に、建設・土木関連、このような業種が好調な状況で、さらに、今の報告ですと、福祉関連でもスタッフ不足ということもあり、求人数が伸びていると受けとめました。 では、こうした状況を踏まえまして、特に若者が地元いわきで安定して働ける環境を整えていくことを前提に、以下伺います。 まず、平成29年3月の高校卒業予定者の動向はどのようになっているのかお伺いします。 ◎産業振興部長(荒川洋君) こちらも本年度10月末時点での数値でお答えしたいと思います。本年度の高校卒業予定者数は3,329人となりますが、そのうち求職者数は915名、うち就職内定者数793名、就職内定率は86.7%となっておりまして、昨年同時期の就職内定率84.7%を上回る高い水準となってございます。 ◆27番(大友康夫君) 東日本大震災以降、就職内定者の地元への定着度につきまして、この県内留保率は震災前と比較しましてどのようになっているのかお伺いします。 ◎産業振興部長(荒川洋君) 平成29年3月卒業予定者の県内留保率につきましては、本年10月末時点の数値でございますが、71.0%となっております。また、震災前の平成22年3月卒業者の県内留保率につきましては54.1%となっており、比較しますと、本年度卒業予定者の留保率は16.9ポイント高くなっている状況となっております。 ◆27番(大友康夫君) 東日本大震災以降、このふるさと・いわきの復旧・復興の力になりたいと、こうした思いから若者の地元定着率が向上してきていると言われておりますが、実際にその傾向は今も続いているものなのかなと、このように見られ大変期待できるものと思われます。 一方で、これまで就職に関連して質問をしてきましたが、平成29年3月の高校卒業予定者数は約3,300名と、今ありましたけれども、今の答弁でこの求職者数も900名強ということですから、差し引き二千数百名の方々が、大学や短大、専門学校への進学を目指しているということになるかと思います。そこで、この若い人たちの進学意欲が高まっていることは大変よいことではありますけれども、進学したこれだけの多くの子供たちが、大学や専門学校を卒業した後に、いわき市に戻ってこれるようにするには、多くの受け皿、雇用の場をつくっていかなければならないということがわかるかと思います。 ここまで民間企業につきまして質問を展開してきましたが、就職希望者の中には、公務員を志す方も含まれております。 そこで、続きまして、公務員を目指す方々の状況についてお伺いします。 まず、最初に、本市の職員採用試験の状況についてであります。 1つ目は、今年度実施しました一般事務職の採用候補者試験におきます受験者の状況につきましてお伺いしたいと思います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 今年度実施いたしました平成29年度いわき市職員採用候補者試験における一般事務職の受験者の状況につきましては、上級職では、採用予定者数29人程度に対し152人が受験しまして、その倍率は5.2倍となっております。また、初級職では、採用予定者数12人程度に対し80人が受験し、その倍率は6.7倍となっております。 ◆27番(大友康夫君) では、震災前でもあります平成22年に実施しました一般事務職の採用候補者試験におきます受験者の状況についてお伺いします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 平成22年度に実施いたしました平成23年度いわき市職員採用候補者試験における一般事務職の受験者の状況につきましては、上級職では、採用予定者数11人程度に対し212人が受験しまして、その倍率は19.3倍となっております。また、初級職では、採用予定者数5人程度に対して72人が受験し、その倍率は14.4倍となっております。 ◆27番(大友康夫君) 今、改めましてお伺いしましたけれども、震災前と震災後を比較してみますと、受験者の状況につきまして、どのような特徴があるのかお伺いします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 職員採用候補者試験におきます一般事務職の受験者の状況につきましては、採用予定者数や受験者数について、年度ごとにばらつきがございますものの、受験倍率で申し上げますと、震災後は、震災前と比較して低下傾向が見られる状況となっております。 ◆27番(大友康夫君) 今お伺いしました、これまでにも景気の動向によって、例えば公務員を志す方々に、人数による変動があると言われております。特に、景気が厳しいときには公務員を目指す方がふえ、そして、好景気のときには民間企業を目指す方がふえると言われております。 今回、お聞きした内容を見ますと、少子化の影響で、卒業生も減っているということや、採用人数の変動もあり一概には言えませんが、緩やかながらも民間企業を選択している生徒がふえているのかなと思います。景気はよくなってきていると総合的に判断することができるのかなと思われます。 それでは、市が取り組んでいる雇用確保に向けた施策についてであります。 まず、最初に、いわき市では、これまでにも高校卒業予定者の地元定着に向け、さまざまな施策を講じてきましたが、その成果をどのように捉えているのかお伺いします。 ◎産業振興部長(荒川洋君) 高校生の地元への就職や、職場への定着を促進するためには、地元企業を知ってもらう取り組みや、求人と求職のミスマッチ、早期離職などの課題解消が必要となっております。そのため、市では高校生就職支援事業として、働く現場を直接見る企業見学や、先輩の体験を聞く職業講話、自分に合った職業の見つけ方を学ぶ適職診断、保護者も含め地元企業への理解を深め、地元就職につなげる意識づくりのための保護者・生徒向けセミナーなどを、各高校や企業等との連携・協力のもと実施しているところであります。 成果ですが、本年度につきましては、事業の途中でありますけれども、参加予定者数が、昨年度の参加状況と比較すると約800人増という状況となっておりまして、本事業へのニーズも非常に高まっており、一定の評価をいただいているものと考えております。 ◆27番(大友康夫君) 取り組んできました施策についてですけれども、高校生の就職を支援する事業として、今ほどありました企業見学会や職業訓練体験なども行ってきたとのことで、実際に就職を希望する高校生も地元企業の業務内容やこの作業環境など、実際に目で見て、実務体験をすることは貴重な経験であり、就職活動を展開する上でも、地元企業を知る機会となり、大きな成果ではなかったかと思われます。 では、続いての質問は、今ほどありました保護者や生徒向けに雇用に関連したセミナーを開催していますけれども、その状況についてお伺いしたいと思います。 ◎産業振興部長(荒川洋君) 保護者・生徒向けセミナーにつきましては、本年4月に、市内の高校生とその保護者合わせて約500名に対して、進路説明会の機会を活用し、地元で貢献できる人材や、目の前にある就職活動や保護者のサポート、また、進学の先にある就職活動に向けてなどの講話を行ったところであります。 このセミナーは、保護者と生徒が隣同士に座り一緒に話を聞くスタイルでありまして、同じ情報を共有したため、意識も高くなり、特に保護者の方からは、初めての就職活動に対し、いろいろな情報が聞けてよかった、講話を聞いて意識が変わった、親としてサポートする意識が強くなったなどの意見をいただいているところであります。 今後とも、このような機会を捉え、保護者や生徒に対し、地元就職に向けた意識づくりの醸成に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆27番(大友康夫君) 働くことの意義や、地元の企業紹介、また、働く際の気構えなど、有意義なセミナーだったのかなと理解しました。 続いては、UIJターンの促進事業についてであります。 UIJターン促進事業を進める上で、特に進学などで地元を離れた学生に向け、地元企業情報等の情報発信力が弱いとの指摘がされ、これまでにもその対策が練られてきましたけれども、その成果はどのようになっているのかお伺いします。 ◎産業振興部長(荒川洋君) 市内の企業の情報の発信につきましては、市内の就職支援に関する情報を取りまとめた雇用情報ファイル及びインターネットを活用したいわき市就職応援サイトを中心に実施しているところであります。特に就職応援サイトにつきましては、利用者が必要な情報をスピーディーに得ることができるよう、検索機能を追加するなどシステムの改修を行うとともに、成人式などの機会を捉え、サイトの情報を紹介したチラシを配布するなど、周知を図ったことにより、閲覧件数は、一月当たりで約2万6,000件、これは改修前と比較しまして7割増という状況となっております。 今後とも、さまざまな媒体を活用し、いわき出身者や一般求職者に対し幅広く情報発信をしてまいりたいと思います。 ◆27番(大友康夫君) 引き続きの取り組みをお願いしまして、次に移ります。 続いての質問は、同じく首都圏の大学に進学した学生や、いわき市に関心を寄せている学生を相手にした交流会を開催しているとありましたけれども、その成果をお伺いします。 ◎産業振興部長(荒川洋君) 首都圏に進学した学生等が、ふるさと・いわきやいわきの職について考えるきっかけの場として、いわき若者会議というものを開催しております。こちらは実行委員が学生となっており、学生が主体となり企画・運営を行っているところであります。 本年度につきましては、今月11日に、東京秋葉原におきまして、自分の将来の姿をシミュレーションするいわき版人生ゲームの体験やいわきの企業の若手社員との交流型座談会を実施することとしております。特に座談会では、多くの業種の企業に参加いただき、職業を選んだ理由、仕事の内容、やりがい、休日の過ごし方などを話してもらうことにより、いわきで社会人となることをイメージしやすくするとともに、参加者の今後の職業選択の幅が広がっていくのではないかと考えております。 この事業は、すぐに成果があらわれるものではないと考えておりますけれども、今までの事業を実施した中で、実行委員会の学生ですけれども、中には本事業がきっかけで、市内企業に内定した学生もおります。また、この交流会で新たなメンバーが加わることにより、交流の輪が広がるなど、徐々に成果も見え始めている状況となっております。今後も、その成果と課題を検証しながら、継続して事業を続けてまいりたいと考えております。 ◆27番(大友康夫君) いわき市に関心を寄せていただき、また、ふるさと・いわきに戻ると、こういった思いを熟成させることはよいことだと思います。情報を得る機会にもつながっていると思われますので、引き続きの取り組みをお願いして、次に移ります。 ことしは高校生に引き続き、首都圏の大学に進学した学生や一般社会人向けの企業見学会や、先輩社員との交流会を企画しているとのことでありますけれども、その状況につきましてお伺いします。 ◎産業振興部長(荒川洋君) こちら御指摘のありました交流会は、地元企業をよく知るための見学会という名前の事業となってございますけれども、こちらは、まず第1回目を本年8月9日に開催し、学生や一般求職者など、東京や神奈川など首都圏からの参加者を含めた22名が、文系・理系コースに分かれ、市内の金融、食料品小売、製造、ガス、電気などの業種の企業を見学したところであります。また、来年1月13日には、製造、福祉、医薬品小売、調剤薬局などの業種の企業を見学する第2回見学会を実施する予定となっており、現在、参加者の募集を行っているところであります。 第1回目の見学会の参加者からは、ホームページやパンフレットには書かれていないような情報を知ることができた、実際の業務内容や現場で働く社員さんの話を直接聞くことができ、就職を考える上で参考になったなどの意見をいただいており、今後も、地元企業の魅力に直接触れていただく機会の創出に努め、地元就職につなげてまいりたいと考えております。 ◆27番(大友康夫君) これまで雇用確保に向けた施策につきまして質問を展開してきましたが、特に進学などでふるさとを離れ、首都圏で就職をされた方々の中にも、ふるさとに帰りたいと思われている方もいるかと思います。今後は、こうした方々のニーズに応えるべく、企業紹介などのマッチング機会を創出していただくことも必要になってくるかと思われますので、引き続きの取り組みをお願いしまして、次の質問に移ります。 大きな質問の2つ目は、高齢者が生き生きと生活していくためにであります。 総務省の資料によりますと、平成27年10月時点での数値ではありますが、日本の高齢者数は約3,392万人で、65歳以上の高齢化率は26.7%になったということでありました。また、福島県でも28.7%、そして、いわき市におきましては27.8%と、全体的に高齢化は進んでいるということがわかります。 そうした中、さらに事態を深刻化させているのが、平成37年には団塊の世代の方々がお医者さんにかかる機会もふえ、そして状況によっては介護施設等のお世話になる率が高まる75歳を迎えることから、高齢者が生き生きと住みなれたところで自立した生活を営めるよう、環境を整備することを日的に、地域の包括的な支援・サービス提供体制を、地域包括支援システムを構築することが求められております。このような状況を踏まえまして、以下、質問に移ります。 1番目は、地域支援事業への移行についてであります。 平成27年度の介護保険法改正により、現行の予防給付のうち、訪問介護や通所介護が全国一律のサービスから、市が実施します地域支援事業へ移行されることになり、平成29年4月までに各市町村で実施することになっております。これを受けまして、いわき市では平成29年1月1日から総合事業を導入し、移行準備に入るようになりますが、総合事業へ移行する際の混乱をなくすため、当面は現行相当のサービスで移行するということであります。しかしながら、実際に総合事業になると何が変わるのか、事業所や利用されている方の中には、不安を持っている方々もいるかと思います。 そこで、まず、総合事業に移行することに関し、混乱を来さないために、関係する事業所や利用者への説明がなされているのかお伺いします。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 総合事業移行に係る事業所への説明につきましては、本年9月下旬から10月上旬にかけて、市内及び隣接市町村の居宅介護支援事業所、訪問介護事業所、通所介護事業所を対象として、総合事業の実施方法や事業所指定手続等に係る説明会を市内4カ所で開催したほか、サービスプランの作成などを行う介護予防ケアマネジメントの実施主体となる地域包括支援センターの職員を対象に、制度の理解とケアマネジメントに係るスキルアップを目的とした研修を実施したところであります。 また、市民への周知につきましては、旧制度の利用者に対して、事業所や地域包括支援センター職員による個別説明を11月より開始するとともに、市ホームページや広報いわきで新制度の概要をお知らせしているところであります。 ◆27番(大友康夫君) 今の答弁でありますと、それぞれ関係している事業所や利用されている方々への説明は実施したということでありますけれども、この総合事業制度導入に向けて大きなポイントはどの辺にあると考えているのかお伺いします。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 総合事業導入の大きなポイントといたしましては、総合事業の実施により、これまでの介護事業者が提供するサービスに加え、地域の実情に応じた多様な主体による多様なサービスが導入できることであると考えております。 具体的には、多様な主体による多様なサービスを導入し、不足する介護人材の裾野を広げることで、地域における生活支援体制構築へとつながり、介護専門職は、身体介護サービスを必要とする中重度者への支援の場において、その専門性を発揮できるようになること、また、多様かつ柔軟な支援が可能となるため、高齢者のニーズへのきめ細やかな対応や短期集中予防サービスの導入、介護予防事業の見直しなどを通して、さらなる介護予防の推進が図られることなどが大きなポイントであると認識しております。 ◆27番(大友康夫君) それでは、予防介護を中心にした制度移行というように私は感じているんですけれども、基本は、介護費用の抑止にあるのかなと考えられます。では、この説明を受けた中で緩和した基準で随時多様なサービスを追加していくという考え方だということでした。 それでは、来年4月以降におきまして、緩和基準によりますサービス提供に向けて、想定している内容はどのようなことなのかお伺いします。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 緩和基準によるサービスの提供主体といたしましては、従来の介護事業所のほか、NPO法人、民間企業、社会福祉法人、協同組合などの団体を、現時点では想定しております。また、当該サービスは、人員の基準等を緩和することで、ホームヘルパー等の資格を持たない方もサービスを提供することが可能とされておりますが、そのサービス内容といたしましては、買い物や掃除などの生活援助サービスが主体になることを想定しております。 なお、緩和基準サービスの実施に当たりましては、市が独自に基準・単価等を設定できるとされていることから、市介護保険運営協議会や地域包括ケア推進会議などの既存の会議のほか、参入が見込まれる団体等からも意見をいただきながら、制度設計やサービス基盤整備に向けた検討を進め、総合事業のサービスとして、随時、導入してまいりたいと考えております。 ◆27番(大友康夫君) 今ほど答弁ありましたけれども、これまで訪問介護は、訪問介護員、ホームヘルパーさんの有資格者でないとできませんでしたけれども、緩和基準により、資格がなくてもできる日常生活の生活援助部分を担っていただく、このようなことかと思います。 では、先ほど答弁いただきました日常生活の中で、洗濯や掃除、もしくは買い物や調理、こういった部分も含めまして、今後はNPO法人や民間企業に参画いただき、さらに地域住民の方々が主体となって、訪問サービス及び通所サービスを提供していただくことになるのかなと思われます。そのために、まず地域の方々が意識を少しずつ変えていく必要があると思います。現況におきましては、福祉に関連する部分につきましては、市民の方々はサービスを受ける側は想定していますが、自分も今度はサービスを提供してサポートする側、提供できる立場になるということは、余り想定されていないと思います。 そこで、地域住民の方々の意識の醸成に向けた取り組みにつきまして、どのように考えているのかお伺いします。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 地域住民の方々への意識の醸成に向けた取り組みといたしましては、住民支え合い活動づくりモデル事業やいきいきシニアボランティアポイント事業など、高齢者の社会参画・社会貢献を推進する事業を展開してきたほか、地域包括支援センターが主催する地域ケア会議において、その地域の現状と課題の把握を通し、関係する方々へ地域における自助・互助の意識醸成を図ってまいりました。 また、市役所出前講座等において、支え合い活動や高齢者を取り巻く現状について説明するほか、地域づくり講演会、市ホームページやフェイスブックなどを活用するなど、住民主体の活動に関する情報発信に努めてきたところであります。 ◆27番(大友康夫君) 地域市民の方々の意識の変革に向けましては、本当に時間がかかることだと思います。引き続きの取り組みをお願いしまして、次の質問に移ります。 続いての質問は、生活支援に向けたサービスの強化についてであります。 地域包括支援システムを構築することは、地域住民や自治会、NPO法人やボランティア団体による助け合いのサービス体制を、信頼関係を築いた上でようやく築き上げることができることでもあり、短期間でできるものではないと思います。そうしたこともあり、段階的に進めていく上では、昨年度には、地域住民で支え合う体制の構築を目指し、モデル地区の選定がされました。 そこで、この住民支え合い活動づくりモデル事業につきまして、これまで実施してきた内容につきまして、どのようなものかお伺いします。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 住民支え合い活動づくりモデル事業につきましては、住民主体の生活支援サービス創出の仕組みの確立と地域における自助・共助意識の醸成を目的として、平成27年度から、いわき市社会福祉協議会への業務委託により実施しているものであります。その内容といたしましては、7カ所の地区社会福祉協議会に専任の生活支援コーディネーターを1名ずつ置き、モデル地区の地域住民、生活支援コーディネーター等で構成する協議体が住民支え合い活動の主体となっております。 また、活動開始に至るまでのプロセスとしては、協議体による地域内高齢者の現状把握や課題分析、ニーズ把握と実施可能な支え合い活動に関する合意を図ることとしております。さらに、担い手となる支え合いサポーターを確保するため、回覧板等による地域住民への情報発信やサポーター養成研修会の開催などに取り組んでいるところであります。 ◆27番(大友康夫君) 今後は、やはり市内全域でこのような基盤づくりが大切になってくると思われます。 そこで、昨年度から実施しております住民支え合い活動づくりモデル事業につきまして、現在の進捗状況はどのようになっているのかお伺いします。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 昨年度から活動を実施しております7団体におきましては、協議体と支え合いサポーターによる定期的な地域交流サロンの開催や見守り活動、買い物代行が実施されるなど、それぞれ地域の実情を踏まえた特色ある住民支え合い活動が展開されております。また、今年度につきましては、新たに、市沿岸部の小名浜・永崎地区、久之浜・西町地区、中山間部の田人・入旅人地区、遠野・上根本地区、川前・山下谷地区など8地区を選定し、昨年度と同様に協議体の設置と地域内高齢者の生活実態や地域資源の把握を進めているところであります。 今後につきましては、モデル事業の検証を踏まえ、新たに支え合い活動に取り組もうとする地域向けの活動マニュアルの作成や、住民主体の活動を継続していくために必要な支援のあり方等についての検討を進めるなど、住民支え合い活動のさらなる拡充に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆27番(大友康夫君) 少しずつ地域住民の方々の社会参画意識が高まり、相互扶助の体制構築につながっていけるよう、モデル地区拡大に向けた取り組みにつきまして引き続きお願いし、次に移りたいと思います。 また、この認知症の高齢者や、高齢御夫婦世帯、またはひとり暮らしの高齢者等を地域で温かく見守る、あんしん見守りネットワーク活動事業として、見守り隊を結成する動きが見られております。 そこで、このあんしん見守りネットワーク活動事業としまして、市内の見守り隊の活動実績につきましてお伺いします。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 市内の高齢者見守り隊の活動実績といたしましては、本年12月1日現在、市内29の地区で1,382名の隊員が見守り活動を実施しております。具体的には、ひとり暮らし高齢者への挨拶、声かけ活動を基本とし、地域の現状を把握するための支え合いマップの作成、高齢者の孤立解消のための訪問活動や集いの場の創出など、地域の実情に応じ、高齢者が地域で孤立することなく安心して生活できることに資する活動に、各隊が自主的に取り組んでいるところであります。 ◆27番(大友康夫君) 活動実績はわかりましたが、このネットワーク事業を構築するとして、地域の見守り隊と関係組織との情報共有、もしくは連帯強化が必要と思われますけれども、どのように展開しているのかお伺いします。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 情報共有・連携強化に向けた取り組みといたしましては、高齢者見守り隊が、現在の活動の課題や今後の取り組みについて検討する場として開催しております意見交換会に、市や地域包括支援センターの職員のほか、地区社会福祉協議会や警察など地域の関係機関が参加し、情報共有や役割分担について話し合っております。 また、高齢者見守り隊が地域内で活動中に、高齢者に異変を感じたときは、地域包括支援センターに連絡をいただき、同センターが当該高齢者宅を訪問し、必要に応じて関係機関と連携し必要な支援を行うなど、連携を図っているところであります。 ◆27番(大友康夫君) 今後も、地域の方々で支え合うよう意識の醸成に向けた取り組みを引き続きお願いしまして、次の質問に移ります。 続いての質問は、民生・児童委員の現状と負担軽減についてであります。 民生・児童委員は、特定の地域を担当し、地域内の高齢者や障害がある方の福祉に関すること、また子育てなど、こうした部分の不安に関するさまざまな相談・支援を実施し、そして、その活動として、家庭訪問や地域での情報収集活動などを展開し、そのニーズに合わせて福祉・サービス情報を提供する、こうした支援を必要としている方々の相談に応じる業務をこなしております。 そこで、まず、今年度は民生・児童委員の3年の任期が満了となり、12月に改選期を迎えております。民生・児童委員の方々の置かれている状況はどのようになっているのかお伺いします。 ◎保健福祉部長(園部義博君) 改選後の民生・児童委員定数671人のうち、12月1日付で委嘱をしました655人の方々の状況で申し上げますと、年齢構成につきましては、60歳未満が117人、60歳以上が538人であり、平均で65.4歳となっております。また、経験年数につきましては、10年未満が519人、10年以上が136人であり、平均で6.2年となっております。 ◆27番(大友康夫君) 実際に民生・児童委員の定数基準でありますけれども、中核市であるいわき市は170世帯から360世帯ごとに1名置くという規定になっております。いわき市に限らず、業務の多忙さから、なり手不足もしくは今報告がありましたように欠員も発生している地域もあるということであります。 事前に確認させていただきましたところ、いわき市は定数662名から人数をふやして、671名の定数ということもありまして、先ほど655名ということでありますから、この分が欠員になっているのかなと考えられます。世帯数がふえているところを補うということで、この定数をふやしたということでありますけれども、それでも負担感は否めない状況にあるかと思われます。 そこで、地域住民の生活環境が激変し、この地域内でも生活困窮者の増、認知症患者の増、またひとり暮らし高齢者の増加から、民生・児童委員の方の負担を軽減することについて、どのように捉えているのかお伺いします。 ◎市長(清水敏男君) 民生・児童委員につきましては、少子・高齢化の進行等により、地域コミュニティーのつながりが希薄化する中、地域の身近な相談員として認知症高齢者や支援を要するひとり暮らしの高齢者、児童虐待や生活困窮者の早期発見などのほか、地域包括ケアシステムの構築に向けた地域課題の把握や解決に向けた協議への参加など、民生・児童委員に対する役割や期待はますます高まっております。 このため、市といたしましては、民生・児童委員の負担軽減に向け、地区保健福祉センターや地区社会福祉協議会、地域包括支援センター等の関係機関との役割分担、情報共有と連携のさらなる強化に努めるほか、地域における住民活動団体等との協働など、民生・児童委員が安心して活動できる体制づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆27番(大友康夫君) 今後、平成37年問題を想定しますと、民生・児童委員の方々の負担はますますふえることは、もう既に予想されております。厚生労働省の調査では、民生・児童委員の方々の日常業務におきまして、50%以上が高齢者対応に費やされているというような報告でありました。このようなことから、地域の方々と連携しまして、例えば、地域の高齢者見守り隊など、民生・児童委員の方々にも一緒に活動を展開していただき、個人情報問題等はあるにしても地域の情報を共有するなど、民生・児童委員の方々の負担軽減につなげていただくようお願いいたしまして、次の質問に移ります。 続いての質問は、大きな質問3番目でありまして、子供たちが安心して安全に通学するためにであります。 午前中も公明党の塩田議員が質問されておりますが、引き続きやらせていただきます。このところ、高齢者によります自動車の運転事故が多発し、連日のように報道がされております。ブレーキとアクセルの踏み間違いによります。そしてパニックになり、子供たちの集団登校の列に突っ込んだり、歩道に乗り上げるなどして歩行者をはねるなど、大勢の方々が事故に巻き込まれ、死亡事故につながる事故も多数発生しております。政府でも関係閣僚会議を開催し、事故防止に向けた対策を進める方針が出されております。そして、高齢者によります自動車運転事故に関しましては、その対応につきましては、政府で早急に協議し、対策を講じるようになっておりますので、私からは、地域の未来を担う子供たちが交通事故に遭わないよう、巻き込まれないよう、通学路を中心にした交通対策につきまして、質問をしたいと思います。 まず、最初に、通学路の安全確保に向けた取り組みであります。 子供たちの通学路の安全点検や対策改善・充実に向けた取り組みは、継続的に取り組む必要があるほか、関係機関が必要な情報交換をするなどし、情報共有を図り、連携を図っていくこととして、平成27年度に教育委員会や学校、そしてPTAや警察、各道路管理者でいわき市通学路交通安全対策推進協議会が設置されました。その中で基本方針に関係機関によります合同点検業務を実施し、それぞれ危険とされた箇所の対策を講じ、その効果を検証し、さらなる安全対策を図る、このようなことでありました。 そこで、ことしは3年に1度実施されます通学路一斉点検の年となっていることから、ことし実施しました一斉点検の状況につきまして、どのようになっているのかお伺いします。 ◎教育部長(増子裕昭君) 通学路の危険箇所につきましては、市通学路交通安全対策プログラムに基づきまして、3年に1度、一斉合同点検を行うこととしております。現在、道路管理者や警察、学校、区長やPTAの協力をいただきながら、全小学校67校のうち、危険箇所を計上しております56校の小学校において、点検を実施しているところであり、平成28年11月末現在で、187カ所の危険箇所が報告されております。 今後におきましては、それぞれの関係機関が持つ情報を共有しながら、対策の検討や改善の実施を行うこととしております。また、点検の結果、把握した危険箇所の一覧表を市ホームページで公表するなど、広く市民の皆様と情報共有を図りながら、子供たちの安全・安心の確保に向け、通学路の交通安全対策を推進してまいります。 ◆27番(大友康夫君) これまでにも、危険とされました箇所を迂回させるなど、こうした通学路の変更、さらには保護者や教職員、さらに地域の子供会、さらには見守り隊の御協力によりまして、交通量の多い交差点などでは立哨指導員をふやしたり、このような対応をとってきたということであります。しかし、今ほどの報告でもありますとおり、毎年百数十カ所の危険箇所が報告されているようでありまして、内容を確認しますと、歩道の整備及びガードレールの設置、横断歩道の整備、こうしたハード面の整備要望もかなり数が上がっていると、このように思います。 そこで、危険とされました箇所につきまして、具体的にどのような対策が展開されているのかお伺いします。 ◎教育部長(増子裕昭君) 危険箇所の対策につきましては、昨年度設置した市通学路交通安全対策推進協議会において、情報共有を図りながら、各道路管理者や警察等の関係機関に対策の実施を依頼しているところであります。具体的には、久之浜地区の国道6号の歩道部分にガードレールを設置したほか、内郷地区の市道のトンネル工事など、通学路における危険箇所での安全対策の推進を図っております。 また、震災後、児童数が増加しております泉地区につきましては、国土交通省の指定する、通学路の重点対策エリアとして登録を行ったところであり、総合的な通学路の安全対策の取り組みが期待されます。 ◆27番(大友康夫君) これまで危険とされました箇所の改善なんですけれども、どうしても時間がかかっていた感がありましたけれども、今回、いわき市通学路交通安全対策推進協議会が設置されたということで、関係者間の連携が円滑に進められるようになったと推測されます。今後とも、国の機関でもあります国土交通省や県の建設事務所、こうしたところとの連携強化を図りながら、迅速にこの危険箇所の対応をしていただけますよう、こうしたことをお願いいたしまして、次の質問に移ります。 続いての質問は、この項の最後になりますけれども、先ほど来からお話ししました、通学児童の列に車が突っ込むような事故が多発し、大きな社会問題になっておりますが、その件に関しまして、違う視点から、子供たちの通学時におけます集団登校のあり方について問題視する声も上がっております。この子供たちの集団登校に関しまして、各小学校の子供会が班編成とか、そうした運営をしておりますけれども、小学校を管轄する教育委員会としまして、集団登校に対します見解をお伺いしたいと思います。 ◎教育部長(増子裕昭君) 集団登校は、通学時の交通事故防止や不審者等による被害防止のための有効な方法の1つであり、子ども見守り隊や保護者、交通安全母の会、それから地域の方々による立哨指導や見守り活動などの協力により、児童の通学時の安全確保に大きな役割を果たしてきたものと捉えております。 市教育委員会といたしましては、これまでも通知等により、児童・生徒の交通事故防止について指導をしてきたところでありますが、昨今の集団登校中の児童が死亡する交通事故の発生を踏まえ、引き続き、通学路における危険箇所の普段の点検を行うとともに、関係機関等との連携をより一層強化するなどして、通学時の安全指導を徹底するよう、各学校に指導してまいる考えであります。 ◆27番(大友康夫君) さまざまな意見はありますけれども、ぜひとも集団登校を継続していただくことをお願いいたしまして、次の質問に移ります。 続いての質問は、子供たちの通学手段の確保についてであります。 現在、いわき市では遠距離から小・中学校に通学する際には、通学に要する経費に対する補助金の交付、小学校及び中学校遠距離通学児童等通学費補助金交付要綱、こうしたことがありますけれども、小学生に関しては4キロメール以上、もしくは中学生に関しては6キロメートル以上、これが大まかな目安になるというようなことであります。 そこで、特に公共交通機関で、バスの利用頻度が高いのは小学生だと思いますが、この遠距離によるバス通学をしている児童の在籍している小学校につきましてお伺いしたいと思います。 ◎教育部長(増子裕昭君) 遠距離によるバス通学をしている児童が在籍している小学校につきましては、平成28年11月末現在、18校で、該当児童は249名となっております。 ◆27番(大友康夫君) では、今報告受けましたけれども、遠距離通学している児童が乗車している主なバス路線につきましては、どのような路線があるのかお伺いします。 ◎教育部長(増子裕昭君) 該当の児童が乗車している主なバス路線につきましては、山田地区の児童が多く利用しております湯本駅・植田駅線、遠野地区の児童が多く利用しております上遠野・深山田線及び上遠野・入遠野線、それから、小川地区の児童が多く利用しております平菱川町・高崎線などが挙げられます。 ◆27番(大友康夫君) 主に中山間地だけではないということがわかりました。 そこで、公共交通機関として運営しておりますバス会社さんからの報告でありますけれども、来年には利用者の減少で、生活バス路線のダイヤが改正され、児童が利用している路線でも廃止が検討されているという路線が3本あるというような報告でありました。 具体的には、1本目は勿来駅から茨城県との県境に向かいます、勿来駅から九面地区を結ぶ線でありまして、勿来二小の児童が利用しております。これが来年3月で廃止であります。また泉駅から渡辺町の上釜戸線、サラブレッドカントリークラブの近くでありますけれども、渡辺小学校の児童が利用しておりますが、平成29年9月に廃止。これで、地区の区長会やPTA役員、また、利用している子供たちの保護者に説明をしているようであります。また、泉町下川地区の大畑線、小名浜のコンビナートの上にあります大畑公園の地区でありますけれども、泉小学校の児童が利用しております。この路線も平成29年9月で廃止になります。 ただし、この2路線につきましては、小学校の学期の途中でもあるということもありまして、平成30年3月までの延期を検討しているということでありました。この間、廃止を免れるために、乗車率を上げ、市の補助対策路線として維持するために、地区の自治会や区長会、さらには保護者の方々が協議し、補填をしてまいりましたが、いよいよ維持できなくなり、廃止の報告を受ける状況となりました。 教育委員会としまして、この状況について把握しているのかお伺いします。 ◎教育部長(増子裕昭君) 来年度、廃止が検討されているバス路線につきましては、本市担当部署からの情報提供により、教育委員会として把握しておりますのは、まさに議員さんがおっしゃられた3路線でございまして、勿来・九面線のほか、利用者の減少が著しい路線として、泉・大畑線及び泉・上釜戸線であることは承知をしております。なお、当該路線を利用している児童が通学する小学校及び保護者等から、教育委員会への相談等は現在のところ来ておりません。 ◆27番(大友康夫君) 今回の問題は、公共交通でありますけれども、バスの利用者が減少したことによるバス路線の廃止でありますが、利用者は通学時に乗車する小学生のみであったということで、地域の方々は生活バス路線の廃止はやむを得ないが、子供たちの通学の足を確保できないかということでありました。 現在の市の補助制度でありますと、遠距離通学児童等通学費補助金交付要綱で補助金が給付される制度がありますけれども、保護者の送迎を前提にしているようでありまして、実際には保護者が免許証を持っていないケース、もしくは保護者の早い時間での出勤で自動車が使えない可能性、さらには、それ以外の要因で保護者が送迎できないことも考えられるということであります。こうしたケースも想定されますと、子供たちが安心して安全に通学できるよう、さまざまな選択肢をつくる必要があると思われますけれども、こうしたことを踏まえまして、この廃止路線に伴う子供たちの通学手段の確保に向けて、どのように考えているのかお伺いします。 ◎教育部長(増子裕昭君) 通学手段の確保につきましては、例えば、三和、田人地区におきましては、統廃合に伴う学校再編に対する通学支援であります国のへき地児童生徒援助費等補助金を活用して、スクールバスを運行しておりますが、議員おただしの今回のケースには適用することができないものと考えております。したがいまして、バス路線廃止の場合は、通学距離や児童・保護者の状況に応じまして、自家用車での送迎、それから、徒歩及び自転車等による通学が想定されるところであります。 なお、議員がおっしゃいました、いわき市小学校及び中学校遠距離通学児童等通学費補助金交付要綱に基づき、バス路線の廃止により通学の手段が自家用車での送迎などとなった場合でも、4キロメートル以上の遠距離通学をしている児童につきましては、通学費を一部補助しているところでありますが、それでは4キロメートル以下の場合はどうするのかとか、保護者が送迎できない場合はどうするのかなど、さまざまな課題がありますことから、今後におきましては、これらの課題解決に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆27番(大友康夫君) 今後ですけれども、さらにこのように同じようなケースが多く発生するということは既に予想されております。そして、今、答弁にもありましたけれども、三和・田人地区での小・中学校統廃合によります、子供たちの足を確保するためのスクールバス及びスクールタクシー事業でありますけれども、国庫補助及びへき地児童生徒援助費等補助金などの交付金ということでありますけれども、将来的には、補助率2分の1ということもありますけれども、なくなるということも想定されます。 それでいて、実際、田人地区でありますと、あと2年後、もしくは三和地区でありますと、あと3年後にもしかすると補助がなくなってしまうのではないかと、そうしたことが想定されているんですけれども、今もって教育委員会としてその対策を講じている様子がないんですけれども、再度質問いたします。 このような状況を踏まえて、通学路を確保すると、通学手段を確保するという施策におきまして、どのように考えているのかお伺いします。 ◎教育部長(増子裕昭君) ただいま議員がおっしゃいました、三和・田人地区の補助金は5年間とおっしゃいましたけれども、それがどのように続くかというのもまだ未定なわけでございます。そういったものも見据えながら、今、市でつくっております補助金交付要綱、こういったもののケースで、まだ考えられていないようなケースが確かにございますので、そこら辺もあわせて総合的に考えていかなくてはならないと考えております。 ◆27番(大友康夫君) いわき市の未来を担う子供たちは、地域の宝でもあり、いわき市の宝でもあります。教育委員会としても慎重に審議していただき、子供たちが安心して、安全に通学できるようよろしくお願いし、私の一般質問をこれで終了したいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(蛭田源治君) ここで、午後3時30分まで休憩いたします。          午後3時21分 休憩---------------------------------------          午後3時30分 再開 △上壁充君質問 ○副議長(蛭田源治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。24番上壁充君。          〔24番上壁 充君第二演壇に登壇〕 ◆24番(上壁充君) (拍手)24番いわき市議会創世会の上壁充でございます。 質問の前に、9月11日におかれるいわき市議会議員選挙において、私に対し三たびの議席を与えていただきましたことに感謝と御礼を申し上げます。まだまだ残すところいっぱいございますけれども、引き続き市民の皆様方の負託に応えられるよう努めてまいりたいと思います。その意味で、市長初め、執行部の皆様方には前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。 さて、これまでも諸先輩議員の皆さんも質問、要望してまいりましたが、第1番目の質問は、有害鳥獣対策についてであります。 私も東日本大震災以降、イノシシによる農作物の被害が発生してきたことから、平成25年10月定例会で被害状況やイノシシ捕獲報償金交付制度に係る1,500万円の当初予算、あるいは1頭当たりの報奨金単価の引き上げ、さらに、仮称ではありますが、いわき市独自の有害鳥獣対策課の設置などについて質問し、要望もしてまいりました。 さらに、平成27年2月でも同じ質問をしましたが、その中で平成27年度の当初予算を2,400万円に引き上げるなど、執行部も何らかの対応はしていただいてきましたが、しかし、近年、御承知の方もおられると思いますが、小名浜の鹿島地区や内郷の小島地区など住宅地周辺で親子のイノシシが散歩しているのが目撃されており、勿来の江畑地区では、民家のフェンスで猿が目撃されております。このように、ここ数年は農作物の被害だけではなく民家付近まで出没するなど、子供を初め、人に危害を与えかねない不安が増してきている状況であります。 このような中、鳥獣による農林水産業等に係る被害を防止するための施策を効果的に推進するため、鳥獣被害防止特措法について、平成28年11月、議員立法により改正法案が提案され全会一致により可決・成立し、平成28年12月2日公布・施行となりました。その主なものは、銃刀法に基づく技能講習の免除期限の5年間の延長や鳥獣被害対策実施隊の設置促進・体制強化、あるいは捕獲した鳥獣のジビエ、いわゆる食品としての利用等の推進、さらに、被害防止施策の効果的な推進に係る措置などであります。 食品については、本市において対象とはならないと思いますが、被害の発生を防ぐため、本市においても必要な措置を講ずるよう努めていかなければならないと思いますので、それを踏まえて、以下、何点かお伺いいたします。 第1点は、市等が管理する箱わなについてですが、初めに、市等が管理している箱わなの数の推移はどのようなものかお伺いいたします。 ◎農林水産部長(村上央君) イノシシ用箱わなにつきましては、JA福島さくらいわき地区本部や福島県農業共済組合いわき支所、さらには、いわき市森林組合等4団体で構成されるいわき市鳥獣被害防止対策協議会におきまして、平成22年度に4基、平成23年度に追加で20基を購入いたしました。また、平成28年度に福島県農業共済組合いわき支所から新たに20基の貸与を受け、現在、合計で44基を管理しております。 ◆24番(上壁充君) それでは、44基あるということですが、次に、使用状況の推移についてですが、過去5年間の使用状況の推移はどの程度なのかお伺いいたします。 ◎農林水産部長(村上央君) イノシシ用箱わなの使用状況につきましては、わな猟免許所有者に平成22年度に4基、平成23年度に新たに1基、平成24年度から平成27年度におきましては、毎年度、24基全てを貸し出ししております。平成28年度においては、現在管理している44基全てを貸し出ししているところでございます。 ◆24番(上壁充君) 全て利用されているということで、少しは期待できると思いますけれども、それでも、今問題が生じているわけでありますけれども、次に、箱わなの管理数の増加についてですが、今44基ということで答弁されましたが、今後、有害鳥獣対策の1つとして箱わなをふやしていくなどの対策の考えはあるのか伺います。 ◎農林水産部長(村上央君) 現在、いわき市鳥獣被害防止対策協議会で管理しているイノシシ用箱わな44基につきましては、全てを貸し出ししておりまして、農作物の被害防止に努めているところでございます。しかしながら、有害鳥獣の増加に伴い、箱わな貸し出しの要望もあることから、各地区の要望へ応えられるよう箱わなの追加購入等について協議会への支援を検討してまいりたいと考えております。 ◆24番(上壁充君) ぜひ前向きによろしくお願いします。 第2点は、市内におけるわな猟免許所持者についてですが、初めに、市内におけるわな猟免許所持者が減少していると伺っておりますが、ここ5年間の推移について伺います。 ◎生活環境部長(小野益生君) 平成23年度から平成27年度までの過去5カ年における市内のわな猟免許所持者につきましては、平成23年度は260人、平成24年度は262人、平成25年度は257人、平成26年度は267人、平成27年度は302人となっており増加傾向を示しております。 ◆24番(上壁充君) 私がお聞きしたのと逆にふえているということで、少し期待もしていきたいなと思います。 それでは、ふえてきているこのわな猟免許所持者の方の平均年齢についてですが、市内におけるわな猟免許所持者の平均年齢はどのようなものかお伺いいたします。 ◎生活環境部長(小野益生君) 市内のわな猟免許所持者の平均年齢につきましては、平成28年11月28日時点において62.6歳となっております。 ◆24番(上壁充君) 私も60歳ですから、余り言いたくはありませんが、62.6歳と言えば、以前よりは少し年はとってきているのかなと解釈してしまいますけれども、そうしたことを踏まえて、次の質問に入りたいと思いますが、第3点は、住宅周辺での捕獲方法についてです。 昨年2月にも伺いましたが、私はこれまで、山や水田周辺でイノシシの痕跡があるとき、捕獲を要望してきましたが、前段にもお話ししたように住宅地付近等で痕跡などがあった場合に、要望したときの捕獲方法は、これまではちょっと危険でできないということがあったんですが、今、どのような方法を考えているのかお伺いいたします。 ◎生活環境部長(小野益生君) 住宅周辺での捕獲方法につきましては、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第38条の規定により、銃器の使用が原則制限されることから、箱わな、囲いわな、くくりわななどのわなによる捕獲となります。しかしながら、住宅周辺での捕獲は、わなにかかり興奮したイノシシを住宅周辺で出現させることや、興奮したイノシシのとめ差しに銃器が使用できないなど、住民や狩猟者に対して、さまざまなリスクがあることから、現実的には捕獲を行えない状況にあります。 ◆24番(上壁充君) これは本当に変わらない状況かなと思います。これからいろいろ意見交換をしながら対策を練っていただきたいと思いますが、それで、第4点は、捕獲した後のことに対してでありますけれども、トラック等へのユニック設置に対する補助についてです。 先ほど、わな猟免許所持者の年齢を伺いましたが、高齢者とは言いたくありませんけれども、所持者の年齢が62.6歳ということになっておりまして、以前よりは高齢化していると思います。捕獲したイノシシ、箱わな等を積むときには、1人で積載するのは、私もやってきましたけれども、大変無理なときがあります。捕獲後容易に積載、運搬できるようにするためには、少しでも、例えばトラック等にユニックを取りつけるなど、何らかの補助等を検討していくべきではないかと存じますが、御所見をお伺いいたします。 ◎生活環境部長(小野益生君) 車両搭載型クレーン、いわゆるユニックにつきましては、狩猟者の負担軽減に有用であると認識しておりますが、主としてイノシシの捕獲以外の用途に使用されることも考えられることや、手動の装置であれば約2万円と比較的安価であることなどから、補助の必要性が低いものと考えております。なお、狩猟者に対する必要な支援につきましては、適宜、猟友会と意見交換をしながら、検討してまいりたいと考えております。 ◆24番(上壁充君) きょうはそれで仕方がないかもしれませんけれども、ただ、鳥獣被害対策は、何回も繰り返していますけれども、これからも市内外において農作物の被害、人間に対する被害も発生するおそれがありますので、御答弁いただきましたように、猟友会やわな猟所持者など関係する人達と今後協議を進めながら、本当に容易にやりやすい、捕獲しやすい、そういった環境整備に向けて努めていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。 第2番目の質問は、不登校について伺います。 きのうもニュースで放送されました。御承知と思いますが、40代担任が男子児童に何々菌さんと呼んだことで生じた原発いじめで不登校というものでした。本当に残念でなりません。私も不登校となっている保護者から何件か相談を受けて、今対応しておりますが、本当に難しく時間がかかっているのが実態です。 私が思うには、やはり人間は年齢や性格にもよりますけれども、場所によっては冗談でも言われたくないことがあると思いますし、そういった性格の方もいると思います。特に、何かと難しい今の若い生育期である子供たちに言葉をかけるときは、やはり家庭状況やその性格等に気を配ることも必要だと思っているわけであります。そういった意味で、それらを踏まえて、以下質問いたします。 第1点は、市内における不登校者数について伺います。 仄聞するところによりますと、不登校になるおそれがある年齢は、中学2年生の夏休み前後とよく言われております。 本市では、小学校並びに中学校における過去3年間の不登校の人数はどの程度なのか伺いたいと思います。 ◎教育長(吉田尚君) 本市における不登校児童・生徒数は、文部科学省の児童・生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査によりますと、平成25年度は小学校38名、中学校235名、平成26年度は小学校38名、中学校232名、平成27年度は小学校51名、中学校234名となっており、全児童・生徒数に占める割合は、ほぼ横ばいの状況にあると考えております。 ◆24番(上壁充君) 私も以前、この人数を聞いて、ちょっと驚いたときもあったんですが、できるだけ何とかしてあげたいなという気持ちだけで、何もできていない状況であります。 では、第2点は、不登校の主な要因について伺います。 不登校には、前段申し上げましたように、何らかのいじめや家庭での問題など、さまざまな要因があると思いますが、この今御答弁いただいた人数の中で、本市における主な要因はどのようなものがあるのかお伺いしたいと思います。 ◎教育長(吉田尚君) 不登校の主な要因として、先ほど申し上げました調査によりますと、学業の不振、友人関係をめぐる問題、家庭に係る状況などが挙げられております。これは、全国の傾向と同様でございます。 ◆24番(上壁充君) やはり全国的に同じような要因かなと私も思います。 それでは、その要因に対して、不登校の子供、児童に対して、主な対策についてです。 お話がありましたように、不登校になる前の予防対策というのが大事でありますけれども、本市としては、もし不登校となってしまった生徒に対して、どのような対策をしてきているのかお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 不登校対策につきましては、各学校においては、児童・生徒の心情に寄り添い、スクールカウンセラーなど専門家のアドバイスを受けながら、家庭訪問や電話連絡など家庭と連携し、一人一人の状況に応じた対応を図るとともに、校内の指導体制や相談体制を整え、組織的に対応しているところであります。 市教育委員会といたしましては、各学校での取り組みを支援するために、すこやか教育相談や子ども健康相談を実施するとともに、臨床心理士、スクールソーシャルワーカー、大学等の専門機関との連携を図るなどして、教育相談体制の充実に努めているところでございます。また、教職員の指導力の向上を図るため、不登校対策講座やカウンセリング講座などを実施しているところであります。 さらには、市内4カ所に、適応指導教室でありますチャレンジホームを設置し、不登校児童・生徒の学校復帰を目指して、各学校及び保護者と連携を密にしながら、児童・生徒一人一人の実態に応じて、学習面や生活面の支援を行っております。加えて、原因が複雑・多様化している児童・生徒の対応につきましては、専門的な立場から意見交換や協議を行う不登校対策会議を定期的に開催しており、今後も、引き続き、その内容を施策に生かすなどして、不登校対策の一層の充実を図ってまいる考えでございます。 ◆24番(上壁充君) 今、教育長から御答弁ありましたように、相談や家庭訪問など、あるいは対策会議などを開いて対応しているということでありますけれども、なかなか横ばいから下がらない状況が現実だと思います。そうしたことを行ってはきていますので、ある意味では、復帰の状況について伺ってみたいと思います。 そうしたことの中で、どの程度復帰されているのかお伺いいたします。 ◎教育長(吉田尚君) 不登校児童・生徒の復帰状況につきましては、平成27年度において、指導の結果登校できるようになった児童・生徒の割合は、小学校は9.8%、中学校は22.6%となっております。また、登校には至らないものの好ましい変化が見られるようになった児童・生徒を加えますと、小学校においては33.3%、中学校は44%となっております。このように一旦不登校になると、学校復帰に向けてはなかなか困難な状況がございます。 そのことを踏まえ、新たな不登校児童・生徒を出さないための取り組みも重要であることから、教職員が日ごろから児童・生徒の発する小さなサインや変化を見逃さず、早期発見、早期対応できるよう、さらにきめ細やかな対応に努めてまいる考えでございます。 ◆24番(上壁充君) 義務教育は、不登校となっても卒業証書は授与されると思いますが、子供たちの思い出に残る義務教育9年間であります。児童・生徒たちに多くの友達ができ、楽しい小・中学校生活ができるようにしてあげるためにも、引き続き教育委員会としての御尽力をお願いしたいと思います。 第3番目の質問は、職員のワーク・ライフ・バランスの実現についてであります。 全国の自治体では、行財政改革を推し進め、定数削減を行ってきました。このことから職員数は縮減され、一方では業務量の増加や複雑化などによって超過勤務が増加し、健康被害も生じております。特に、被災3県においては、平成25年までの集中復興期間として、通常業務と復興業務によって、さらに厳しい労働条件であり、特に福島県では、東日本大震災、津波、さらに東京電力福島第一原発事故という未曽有の大きな被害が生じ、より厳しい勤務状況となりました。平成26年度からは復興・創生期間としてスタートしましたが、いわき市においても、人員の確保は進めてきたと思います。しかし、いまだに十分な人員確保とはなっていないのが実態であります。 そういったことで、第1点は、本年4月以降の職場の実態について伺います。 本年6月の定例会で、定年及び普通退職者数と職員採用候補者試験による主な職種の採用者数について伺いました。それによりますと、平成26年度の定年及び普通退職者、みずから退職した人ですね。一般事務職33人、土木職18人、保育士10人、保健師4人、看護師42人、薬剤師2人で、それに対して、平成27年度の採用者数は、一般事務職20人、土木職7人、保育士5人、保健師4人、看護師36人、薬剤師2人でした。同じく平成27年度の定年及び普通退職者数は、一般事務職37人、土木職13人、保育士7人、保健師7人、看護師38人、薬剤師4人でした。それに対して、本年度平成28年度採用者数は、一般事務職38人、土木職14人、保育士7人、保健師9人、看護師45人、薬剤師2人でありました。 何名かは前年度から今年度ふやしている、雇用しているところはありますけれども、こうした結果、今年度上半期における、例えば超過勤務状況は、昨年度上半期と比べるとどうなっているのかお伺いいたします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本年度上半期の市長部局における職員1人当たりの月平均超過勤務時間は、14.3時間となっており、前年度同期と比較いたしますと、2.6時間の増となっております。超過勤務時間がふえた主な要因といたしましては、市制施行50周年記念事業や第3回WBSCアンダー15ベースボールワールドカップ2016inいわきの開催などによるものと考えております。 ◆24番(上壁充君) 50周年記念ということも仕事がふえた、超過勤務時間がふえたということになるかもしれませんけれども、まず、私としては、全体的には人員が少ないというような認識をしているわけでありますけれども、それでは、第2点は、平成29年度の試験による採用者数についてお伺いいたします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 職員採用候補者試験によります平成29年4月1日付の主な職種の採用予定者数につきまして、本年12月1日現在で申し上げますと、一般事務職が48人、土木職が14人、保育士が7人、保健師が7人、看護師が43人、薬剤師が7人となっております。 ◆24番(上壁充君) 次に、技能労務職の採用について伺います。 現在は、現業・技能労務職員採用されておりませんけれども、先ほども結構職員を希望する人が多いという話もありましたけれども、やはりそういったこともある中で、現業職員というのも雇用していくべきだと思います。要するに、例えば千寿荘とか、保育所調理員とか、本当に子供たちとか預かっている、責任持って預かっているんですが、なかなかこの先が、退職する人が見えてきて、ちょっと不安の中で仕事をしているような状況でありますので、現業・技能労務職員の採用についての御所見を伺いたいと思います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 技能労務職の採用に当たりましては、行政を取り巻く環境が大きく変化する中、最少の経費で、質の高い行政サービスが提供できる簡素で効率的な行財政運営を進めていく必要がありますことから、中・長期的な視点に立った今後の行政需要を慎重に見きわめながら、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆24番(上壁充君) いつも同じようなことを言いますが、前向きに御検討していただければなと思います。 第3点は、それでは、長時間労働に対する市の認識についてお伺いします。 御承知のように、電通の問題、大きな衝撃を与えました。いわき市においても官民問わず過労死は絶対許されないことであります。 その意味で本市として、長時間労働に対して市はどのように認識しているのか伺います。
    ◎市長(清水敏男君) 私は、本市の復興・創生を推進していくためには、職員の健康の保持・増進が極めて重要であると考えておりますが、おただしの長時間、長期にわたる超過勤務につきましては、職員の健康管理や公務に及ぼす影響が大きいものと認識しておりますことから、職員のワーク・ライフ・バランスの推進を図る上でも、超過勤務は、必要最小限にとどめる必要があるものと考えております。 ◆24番(上壁充君) ぜひその認識の上に立って、お願いをしていきたいと思います。 あとは、次、第4点は、そういったワーク・ライフ・バランスを実現するためにも欠かせないものかなと思いますが、超過勤務を縮減した具体的な実践例がもしあればお示しいただきたいと思います。 ◎市長(清水敏男君) 超過勤務の縮減に向けた取り組みにつきましては、これまでも、所属長及び職員に対し、超過勤務の事前命令や業務内容の精査等の徹底を図るとともに、本年4月に改定いたしました職員みんなのワーク・ライフ・ハッピープランにおいても、働きやすい職場環境づくりを進める観点から、超過勤務の縮減に向けました具体的な事例を示してきたところであります。 これらに基づき、各職場におきましては、業務分担の見直しを初め、臨時的・緊急的な業務に当たっては、適宜、課や係などの組織を超えた応援体制を整えるなど、さまざまな取り組みを行っているところでありますが、今後におきましても、超過勤務の縮減に意を用いてまいりたいと考えております。 ◆24番(上壁充君) 先ほどもお話がありました、本年4月に発行した職員みんなのワーク・ライフ・ハッピープランには、大変すばらしいことが、内容が書かれております。それを実現するためには、職場環境の改善、あるいは人員確保と超過勤務の縮減なども重要な取り組みであります。目的の達成のためにも市長中心に一丸となって取り組んでいただき、健康と安定した職場環境を築き上げていただきたいと思います。 御承知の方もあると思いますが、11月は過労死等防止啓発月間です。これは、過労死等が本人はもとよりその遺族、また家族のみならず社会にとっても大きな損失であることに鑑み、過労死等の防止のための対策を推進し、もって過労死がなく、仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に寄与することを目的として、過労死防止法が平成26年6月27日に公布され、11月1日に施行されたことから始まりました。したがって11月が過労死等防止啓発月間ということになるわけであります。 その過労死防止法第4条第2項で、地方公共団体は国と協力しつつ、過労死等の防止のための対策を効果的に推進するよう努めなければならないと、地方公共団体の責務を規定しております。具体的には、地方公共団体が講ずる施策として、3項目が規定されております。1つに啓発、2つに相談体制の整備等、3つに民間団体の活動に対する支援であります。本市においてもこれらを踏まえ、過労死にさせない条例などをつくりながら取り組んでいただきたい。このように思っております。 以上で、私の市政一般に係る質問を終わりますので、市長を初め、執行部の皆さんにおかれましては、よろしくお願いを申し上げます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(蛭田源治君) ここで、午後4時10分まで休憩いたします。          午後4時01分 休憩---------------------------------------          午後4時10分 再開 △田頭弘毅君質問 ○副議長(蛭田源治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。この際、本日の会議時間は議事の都合によりあらかじめこれを延長いたします。8番田頭弘毅君。          〔8番田頭弘毅君第二演壇に登壇〕 ◆8番(田頭弘毅君) (拍手)8番いわき市議会清政会の田頭弘毅でございます。 9月に行われましたいわき市議会一般選挙におきまして、初当選させていただきました。身をもって1票の大切さを実感したとともに、市民の方々の大切な1票に感謝し、市民の期待に応えるべく全力で取り組んでまいります。本日、選挙後、初となる本定例会において、登壇の機会を与えられましたことと、そして、新人議員のトップバッターで質問させていただくことに心から感謝申し上げます。 さて、私の教員時代の教え子で、大相撲の大関豪栄道関がおります。秋場所、外国人力士がひしめく中、初優勝をいたしました。日本人力士での全勝優勝は横綱貴乃花以来20年ぶり、11月の九州場所では久しぶりの日本人横綱誕生かと日本中に夢と希望を与え、期待された豪栄道関であります。このたび私も一市民から市民の代表としまして市議会という土俵に上がることができました。教え子に負けぬよう、そして市民の皆様から期待される市議会議員を目指し、日々精進してまいります。市長を初め、執行部の皆様、先輩議員の皆様、特段の御指導・御鞭撻をよろしくお願いします。それでは、以下、通告順に従いまして質問させていただきます。よろしくお願いします。 初めの質問は、私立学校の振興についてであります。 現在、市内には私立の中学校が3校、また高等学校が4校設置されており、それぞれに独自の建学精神に基づきながら、特色のある教育がなされているところであります。また、来年4月には、市内としては初めて、県内では59年ぶりとなる私立小学校、いわき秀英小学校が開校されることになり、いわき秀英の中高一貫教育へ接続されることによって、通算12年間の修学環境が提供されます。私立学校を地域で育てていくことは、本市の人材育成にとっても大変重要なことと考えております。 そこで、1点目は、私立小学校の新設について伺います。 初めに、現在、市は私立の中学校・高等学校に対して、どのような支援を行っているのかお伺いします。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 私立学校につきましては、それぞれが建学の精神に基づく、個性豊かな教育活動を積極的に展開されており、多様化する市民の教育ニーズに応える重要な役割を担っていると考えております。このことから、私立中学校及び私立高等学校に対しましては、私立学校の健全な発展・振興に資するため、教育研究費や人件費などの経常的な経費の一部を補助するなど、学校の運営に対する支援を行っているところであります。 また、私立高等学校に対しましては、英語検定などの資格取得を目的とした特別講習等の実施や、外国語教育を担当する外国人教員の雇用、さらには、情報化や国際化などの社会変化に対応するため、実務経験や専門的知識を有する社会人講師の活用に必要な事業費の一部を補助するなど、特色ある教育活動に対する支援に努めているところであります。 ◆8番(田頭弘毅君) 次に、県は本年9月30日付で、いわき秀英小学校の設置を認可いたしましたが、いわき秀英小学校はどのような学校なのか、その概要についてお伺いします。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) いわき秀英小学校は、学校法人いわき秀英学園が1学年40名を定員とし、いわき秀英中学校及び高等学校に併設設置するもので、平成28年9月30日に県の認可を受け、平成29年4月から開校する、市内初の私立小学校であります。同校の設置趣意書によりますと、同校は、児童の発達段階に応じた、教育上の創意と工夫によって、将来的な成長を促すための素地を形成するとともに、好ましい生活習慣を習得した、身も心も健やかな児童を育むことを教育理念とし、いわき秀英中学校及び高等学校への接続を見据え、子供たちが安全で安心して学ぶことができる修学環境を提供するとされているものであります。 ◆8番(田頭弘毅君) 次に、市内の私立中学校・高等学校に対して、現在、市は運営費の補助という形で支援を行っていますが、いわき秀英小学校に対しては、どのような支援を行っていくのかお伺いします。 ◎市長(清水敏男君) 市内に私立の小学校が開校することは、児童・保護者の初等教育の選択肢が広がるとともに、建学の精神に基づいた、個性あふれる教育理念の実践など、本市の初等教育の充実・発展に寄与するものと考えております。このような考え方のもと、私立小学校への支援につきましては、教育環境の向上や経営基盤の強化を図るため、既に実施している同じ義務教育課程である、私立中学校に対する補助の実施状況等を踏まえるとともに、県や他市の取り組み状況を見据えながら、本市の子供たちの教育環境の充実が図られるよう、検討してまいりたいと考えております。 ◆8番(田頭弘毅君) 続いて2点目は、私立専修学校についてお伺いします。 市内には私立専修学校の数が少なく、希望する学校が少ないことを理由に、市外や県外の専修学校に進学し、卒業後も、その地で就職を希望する学生も多く、若者の流出が懸念されているところであります。 そこで、市内の専修学校の設置数についてお伺いします。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 市内における学校教育法の規定に基づく私立専修学校の設置数について、平成28年5月1日現在で休校中の学校を除いた数で申し上げますと、専修学校または各種学校の設置のみを目的に設立される準学校法人立による学校が2校、個人立による学校が2校、公益財団法人立による学校が1校の計5校となっております。 ◆8番(田頭弘毅君) 続いて、県内他市では、郡山市に私立専修学校が多いと聞き及んでいますが、郡山市における私立専修学校の設置数についてお伺いします。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 郡山市の私立専修学校の設置数について、県からの聞き取りによる、休校中の学校を除いた数で申し上げますと、学校法人や準学校法人立による学校が12校、一般財団法人や公益財団法人等の法人立による学校が5校の計17校となっております。 ◆8番(田頭弘毅君) 次に、私立専修学校に対し、郡山市はどのような支援を行っているのかお伺いします。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 郡山市からの聞き取りによりますと、郡山市における私立専修学校への支援につきましては、修了者に大学入学資格が認められる高等課程を置く学校法人立や準学校法人立の専修学校3校に対し、1校当たり25万円を補助しているとのことであります。 ◆8番(田頭弘毅君) 専修学校は、学校教育法の中で、職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ることを目的とする学校であるとされており、実践的な職業教育や専門的な技術教育を行う教育機関として、多岐にわたる分野でスペシャリストを養成するところであります。 以上のことから、私立専修学校に対する支援の必要性について、市はどのように考えているのかお伺いします。 ◎市長(清水敏男君) 私立専修学校につきましては、若者の能力育成や教養の向上を図るなど、本市の未来を担う人材育成ばかりではなく、若者の定着に伴う地域振興などの観点からも、その役割は大きいものと考えております。このようなことから、私立専修学校への支援につきましては、その役割の大きさを十分に念頭に置くとともに、県や他市の動向を踏まえながら、新たな専修学校の設置に対する支援などの必要性も視野に入れ、総合的に検討してまいりたいと考えております。 ◆8番(田頭弘毅君) 御答弁ありがとうございました。 私立学校で学ぶ児童・生徒の教育条件の向上や、保護者の負担軽減、さらには、私立学校経営の健全性を維持するためにも、市からの必要な支援を要望しますとともに、一層の私学振興が図られることを期待しまして、次の質問に移ります。 次の質問は、水素社会の実現に向けた取り組みについてであります。 現在、国において、水素の活用をさまざまな分野にわたって拡大するとしております。その理由の1つは、水素燃料電池はエネルギー効率が高く、省エネルギー効果が高いこと、2つ目は、テロや戦争などのリスクの低い地域からの調達や再生可能エネルギーが活用できるなど、エネルギーの自給率向上につながること、3つ目は、利用段階でCO2を排出しないため、環境負荷低減に寄与すること、そして4つ目に、この分野における日本の特許出願数は世界1位であり、日本の競争力を生かした産業振興につなげていけること、この4つを主な理由と掲げております。 また、以前、安倍首相が福島県を訪れた際、福島県の復興を進めるため、福島県を水素エネルギーの一大生産地とするといった方針を表明した経緯もございます。いわき市においても、エネルギーを核としたまちづくりを進めてきた歴史や、エネルギー関連の産業振興に取り組んできた経緯もあり、多くの市民の皆様方も、今後、水素社会に向けて、いわき市がどのように取り組んでいくのか、大きな期待と関心を寄せていると考えております。 そこで、水素社会の実現をテーマとして、国の動向や市の取り組み状況などについて、順を追って質問させていただきます。 まず、1点目といたしまして、福島新エネ社会構想についてお伺いします。 国は、水素社会の実現に向け、ロードマップを作成して取り組んでおりますが、一方、福島県の復興の柱の1つとして、福島新エネ社会構想を取りまとめ、その中で、福島全県を未来の新エネ社会を先取りするモデル拠点とするため、県内において、再生可能エネルギーの導入拡大や、水素社会実現のモデル構築を行うとしております。 そこで、福島新エネ社会構想の中で、水素に関しては、どのような位置づけをされているのかお伺いします。 ◎産業振興部長(荒川洋君) 水素につきまして、福島新エネ社会構想におきましては、再生可能エネルギーから、水素をつくり、ためて運び、利用するといった、一連の水素社会のモデルを福島県で構築する方針を示しております。そのため、再生可能エネルギーを活用した水素製造を行うための大規模施設の整備や、その水素の有効活用、貯蔵及び輸送技術の実証事業を県内で実施することとしております。また、本実証事業で得られた水素につきましては、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの競技大会期間中に活用することもあわせて検討することとされております。 ◆8番(田頭弘毅君) 次に、以前に新聞等でも報道された福島県内に水素工場を建設する事業についてです。 これは、福島新エネ社会構想に基づき、NEDO新エネルギー・産業技術総合開発機構が公募した委託事業の採択を受け、東芝と東北電力、岩谷産業の3社が、世界最大規模の水素工場を備えた水素エネルギーシステムの開発を県内で行うとのことですが、県内に大規模な水素工場を建設する事業の内容についてお伺いします。 ◎産業振興部長(荒川洋君) 福島県内に水素工場を建設する事業につきましては、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーを中心とした電気を活用し、年間で燃料電池自動車1万台に相当する水素を製造する施設を建設しようとするものであります。 議員の御質問の中にも御指摘ありますけれども、東芝、東北電力、岩谷産業、この3社におきまして、共同で水素工場の採算性やシステムに関する調査を行うとともに、平成29年9月までに、施設の規模、立地場所などの諸条件を取りまとめることとなっております。また、国においては、福島新エネ社会構想の中で、この実証事業を実施するに当たり、中・長期的な産業育成に資するよう、県内産業の参画に配慮するといった方針が示されているところであります。 ◆8番(田頭弘毅君) 国が福島県内で水素社会のモデルをつくろうとしていることや、地域産業の振興にもつながる可能性があることがわかり、やはり市としても、積極的にこうした国の動向に対応していくことが必要ではないかと感じております。 そこで、市の取り組みについて、質問に移りたいと思いますが、1つ目は、国が水素社会の実現に向けて県内で取り組みを進めている状況を踏まえ、市としては、水素社会について、どのように考えているのかお伺いします。 ◎産業振興部長(荒川洋君) 水素の利活用につきましては、現在、市の計画に明確な位置づけはされておりませんが、水素は、エネルギーの有効利用技術の柱の1つであると認識しております。そのため、市で策定した、いわき創生総合戦略の中に位置づけられたクリーンエネルギー循環プロジェクトや、バッテリー関連産業振興プロジェクトが、新たなエネルギーの利活用に向けた社会づくりに関する取り組みと一体的に進めることができると考えております。今後、市といたしましても、国が目指す水素社会の実現に向け取り組みを進めてまいります。 ◆8番(田頭弘毅君) 水素社会に対する市の考え方をお示しいただきましたが、それでは、次に、国の動きなども踏まえ、市では、現在どのように取り組んでいるのか、その状況についてお伺いします。 ◎産業振興部長(荒川洋君) 市では、国や民間事業者等の動向を把握するため、国が主催するセミナーへの参加、民間事業者及び先行自治体等へのヒアリングを行っているところであります。さらに、本年7月からは、いわき商工会議所等と庁内の関係部署による勉強会を開催し、官民が連携しながら、水素の需要や供給の見通しを初め、本市における水素利用の可能性などについて検討しているところであります。今後、水素社会実現に向けた取り組みをさらに推進できるよう、関係機関等と連携の強化を図ってまいりたいと思います。 ◆8番(田頭弘毅君) 現在の取り組み状況についてお示しいただきましたが、水素社会の実現といった大きなテーマについては、国や県の協力もしっかりと求めていく必要があると思います。例えば、先ほども申し上げました、県内で大規模な水素工場を建設する事業についても、具体的な実施場所は決定していないようですが、いわき市においても事業展開していただくよう、提案することも効果的かもしれません。 そういった点も踏まえ、今後、市としても、国などに働きかけていく必要があると考えますが、市の考え方をお伺いします。 ◎市長(清水敏男君) 本市は、水素製造に直接関連する事業者に加え、金属加工や電気機械などの周辺産業の集積が図られているほか、港湾を初めとした物流基盤が整備され、地域特性として、水素製造・輸送に関する一定の優位性を有しております。また、官民が連携して勉強会を行い、情報収集を進めているなど、水素に関する関心も高まりつつあります。 そのため、市といたしましては、引き続き、官民一体となった取り組みを進めることはもとより、さまざまな機会を捉え、本市の優位性について、情報発信を行いながら、国を初め、福島県などに対しても、本市において、水素社会が実現するよう積極的に働きかけてまいりたいと考えております。 ◆8番(田頭弘毅君) これまでの答弁の中で、市としても、水素社会実現の重要性を認識し、国の動向などと歩調を合わせ、民間事業者とも連携しながら、しっかりと取り組んでいかれるといった方向性を確認したわけでありますが、そのためには、市役所における体制づくりも重要であると考えます。関連する産業の集積や振興を図るためにも、まずは、水素を利活用する社会を構築する必要があり、そのためには、市民の生活形態や社会の仕組みを変えるといった大きな壁も越えることが求められております。 市役所においても、市長を筆頭に、さまざまな部署が主体的にかかわり、情報共有・連携するといった横のつながりをしっかりと強化していただき、民間とも連携しながら、一歩一歩着実に、水素社会実現に向けた取り組みを進められることを要望します。国の動きを追い風としながら、いわき市を含めた浜通り地域においても、水素社会のモデルが構築され、世界から注目される復興のシンボルになれることを期待しまして、次の質問に移ります。 次に、産業振興における地方創生に向けた取り組みについて伺います。 我が国は、本格的な人口減少の時代を迎えております。平成26年12月、国は、人口減少は我が国の構造的な課題の1つであるという認識のもと、その克服に向け、まち・ひと・しごと創生長期ビジョンとまち・ひと・しごと創生総合戦略を策定しました。東京一極集中と地方からの人口流出が急速に進行する中で、地方においては、人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小が人口減少を加速させるという負のスパイラルに陥るリスクが高くなっており、人口減少を克服し、地方創生をなし遂げることが喫緊の課題であるとしています。その上で、創生総合戦略では、しごとがひとを呼び、ひとがしごとを呼び込む好循環を確立する考えのもと、地方での安定した良質な雇用の創出を図り、地方への新たな人の流れを生み出すために、地方において魅力のある事業環境を整備し、特に、東京に過度に集積している本社機能の地方への移転を含む企業の地方拠点の強化を政策パッケージに取り組んでおります。 これらを受けて、昨年6月、地域再生法が一部改正され、地方に本社機能の移転または拡充を行った業者に対して課税等の特例の措置を行う、いわゆる地方拠点強化税制が創設されたところです。この国の取り組みを踏まえ、福島県を初め、県内自治体において、本社機能の移転にかかわる優遇制度を創設する動きが見られるところです。 そこで、質問します。初めに、地方への本社機能移転等を進めることについて、本市にとってはどのような意義・効果があると考えているかをお伺いします。 ◎産業振興部長(荒川洋君) 本社機能の移転・拡充を進めることは、本市の雇用及び産業経済の振興・発展に極めて効果があるものと考えております。まず、雇用の面でございますけれども、本市で働きたい若者などが希望する事務系の職種が創出されるという効果があり、魅力ある働く場が形成され、雇用のミスマッチの解消が図られると考えております。 また、産業経済の振興・発展という点につきましては、本社機能の移転に伴い、市内企業の意思決定機能、企画立案機能が強化・付加されることにより、市内での投資の促進、域内での取引拡大が期待され、本市の産業振興につながるものと考えております。このように、本社機能の移転の促進は、極めて効果が大きく、いわき創生総合戦略を推進する観点からも取り組む意義があると考えております。 ◆8番(田頭弘毅君) では、本社機能の移転・拡充に伴う税制優遇制度とはどのようなものか、その概要についてお伺いします。 ◎産業振興部長(荒川洋君) 本社機能の移転等に係る税制優遇制度は、都道府県が制度の対象地域等を指定した地域再生計画を策定し、国の認定を受けることが必要となっております。その上で、本社機能の移転・拡充を計画する事業者が当該計画を県から認定された場合に、税制優遇等が受けられることとなります。具体的には、国税については、本社機能の建物や、新たに雇い入れた従業員に係る法人税等の税額控除等、県税については、事業税や不動産取得税の不均一課税、市税については固定資産税の不均一課税の優遇措置が受けられる制度となっております。 ◆8番(田頭弘毅君) 市は、これまでにどのような取り組みを行ってきたのかお伺いします。 ◎産業振興部長(荒川洋君) まず、福島県におきまして、本年3月、本社機能の移転に伴う税の優遇措置を講ずるための地域再生計画を策定し、国の認定を受けたところであります。いわき市といたしましても、県と調整の上、この計画の中に、本市を対象地域として位置づけたところであります。また、この地域再生計画に基づいて、固定資産税に係る優遇措置を設けるためには、いわき市の条例に位置づける必要があることから、現在、条例の検討を行っているところであります。 ◆8番(田頭弘毅君) 固定資産税の優遇措置について、県内他市の状況を見ますと、本則課税の税率に対する軽減の割合を、1年目は10分のゼロ、すなわち全額、2年目は4分の1、3年目4分の2としている自治体が多い中、須賀川市では、ほかの自治体よりも低い割合を設定し、2年目、3年目を10分の1とする優遇措置を設けています。 そこで、本市の固定資産税の優遇措置について、市は、どのように考えているのかお伺いします。 ◎財政部長(伊藤章司君) 本社機能の移転・拡充に伴う固定資産税の優遇措置につきましては、地域再生法に基づく認定事業者の支援措置の1つとして、国が一定の年限を区切って不均一課税を認めているものであり、その減収分に対して、例外的に地方団体の共有財源であります普通交付税による補填措置が講じられるものでありますことから、その趣旨を踏まえ、検討してまいりたいと考えております。 ◆8番(田頭弘毅君) 須賀川市や福島市などでは、固定資産税の優遇に加え、奨励金などといった支援策も実施するとしておりますが、本市では、奨励金などの支援制度について、どのように考えているかお伺いします。 ◎市長(清水敏男君) 本市といたしましては、奨励金など、本社機能の移転等に係る優遇措置が、企業にとって魅力的なインセンティブとなると考えております。このため、優遇措置については、他都市との比較においても、優位性が最大限に発揮されるような制度創設を検討してまいりたいと考えております。 ◆8番(田頭弘毅君) ことし3月、本市は、将来にわたり、まちの活力を維持していくことを目的に、いわき創生総合戦略を策定しました。その中で、本市の人口減少の要因として、出生数の低下に加え、若い世代の首都圏などへの人口流出が県内の類似都市と比べても顕著になっていると指摘しております。 また、平成22年度に制定された新・いわき市工業振興ビジョンでは、本市の人口減少傾向が続いていることについて、雇用機会の縮小のあらわれとも見られると述べております。人口減少問題は、子育てや教育など、さまざまな要因が複雑に絡み合った結果であり、それだけに、その対策も非常に広範囲で、そうした多面的な取り組みが相乗的に作用するものと考えますが、新たな仕事づくりもまた、欠くことのできない極めて重要な要素であろうと言えます。 これまでの答弁を通じて、本社機能の移転にかかわる市の認識や方向性を確認しましたが、人口減少が深刻化する中、今後ますます激化することが想定される都市間競争を勝ち抜き、活気に満ちあふれたまちづくりを進めるためにも、本社機能の移転等に対する支援についても、ぜひとも、ほかを圧倒する思い切った政策を打ち出し、地域の産業、経済の活性化を図り、ひいては、地方創生が実現されるよう、しっかりと取り組んでいただくよう要望しまして、次の質問に移ります。 次の質問は、本市の水産業についてです。 ことし8月、小池百合子東京都知事就任以来、築地市場から豊洲市場への移転の問題が連日ニュースで取り上げられております。先月示された移転工程表などによれば、豊洲新市場の開場は早くとも来年の冬と見込まれており、卸売業者を初めとした市場関係者も大変困惑しているようです。魚河岸の名で親しまれた築地市場は全国各地から水産物が集まる国内有数の市場であり、本市水産物の主要な出荷先でもあることから、築地市場の移転問題は少なからず本市の水産業の振興にも影響を及ぼすものと懸念しているところです。 一方、本市において東日本大震災により甚大な被害を受けた小名浜港の復旧や、昨年3月に福島県漁業協同組合連合会が新たに整備した小名浜魚市場の開場、さらには、市内各漁港における新たな荷さばき所の整備など、施設面での復旧・復興は着々と進められております。 しかしながら、福島第一原子力発電所の事故は、本市の水産業にいまだ深い影を落としており、沖合漁業においては、事故当初から放射性物質の影響がほとんど見受けられない回遊魚種を対象としているにもかかわらず、水揚げ量が震災前の水準まで回復していない状況にあり、沿岸漁業においても平成23年3月から操業自粛することが現在も続けられており、一部で行われている試験操業も漁獲可能な魚種および操業可能な海域の制約や、水揚げ後の集荷および放射性物質検査など、関係者の負担は非常に大きいものであり、事故の影響は長期化かつ深刻化しているものと受けとめております。このような状況の中で、試験操業を行っているいわき市漁業協同組合、および小名浜機船底曳網漁業協同組合は、本格的な漁業再開に向けて対象魚種と対象海域を拡大しながら、出荷先についても市内・県内・県外の市場へと徐々に拡大していると聞き及んでおります。 そこで、1点目は、本市の沿岸漁業における本格的な漁業再開に向けた課題をどのように捉えているかお伺いします。 ◎農林水産部長(村上央君) 本市の沿岸漁業につきましては、平成25年10月から試験操業が開始され、出荷対象魚種が16種から本年11月末現在94種まで拡大しておりますが、いまもなお、スズキ、イシガレイなど15種の魚介類が国から出荷制限の指示を受けていること、さらには、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、本市水産物の買い控えなどの風評被害が続いていることが当面の課題であると認識しております。  また、将来的に本格的な漁業が再開された場合には、漁獲量の増加が想定されることから検査体制の充実・強化等も必要であると認識しております。 ◆8番(田頭弘毅君) 次に、2点目としまして、今後の本格的な漁業再開の見込みについてどのように考えているかお伺いします。 ◎農林水産部長(村上央君) 本格的な漁業再開の見込みにつきましては、本年11月末現在、国から15種の魚介類に対する出荷制限措置が講じられていることなどを考慮いたしますと、現段階では、本格的な漁業再開の見込みについて明確に申し上げることは困難な状況にあります。 しかしながら、これまで県が実施してきたモニタリング調査の結果によれば、魚介類における放射性物質の検出値や検出割合は、時間の経過とともに低下しており、試験操業の海域や対象魚種、及び操業回数の拡大により、水揚げ量が増加しておりますことから、本格的な漁業再開へ向けて確実に前進しているものと考えております。 ◆8番(田頭弘毅君) 震災後の本市水産業に対して、実際の操業規制よりも大きい影響を脅かしているのが風評被害です。震災から5年半が経過しても風評被害はやむことを知らず、漁業者や水産加工者は有形無形のダメージを蓄積しているようにも見受けられます。こうした中、本市では築地市場を初めとする首都圏の水産関係者の中で用いられてきた常磐ものという言葉に光を当てて、本市水産業の伝統、水揚げされる水産物、その加工品のおいしさを、新たに地域ブランド常磐ものとして発信することにより、本市水産業の復活を目指しております。 常磐ものは、これまでの風評対策事業とは方向を変え、安全性はもとよりおいしさにも重点を置き、伝統や鮮度といった本市独自の魅力を加えながらPRするものと聞いており、今後、本格操業に向けた風評被害の払拭の重要な取り組みとして、なお一層のアピール力強化が求められるものと考えております。 そこで、3点目の質問は、風評被害の払拭についてであります。 まず、風評被害に向けたこれまでの取り組みについてお伺いします。 ◎農林水産部長(村上央君) これまで本市では、風評の払拭に向けて、平成24年度から、本市水産物の安全性への理解促進を図るため、消費者や流通関係者を対象とした首都圏でのPRイベントや、築地市場での本市漁業の現状に係る説明会、さらには、見せます!いわき情報局ホームページでの放射性物質検査結果の公表等を行ってまいりました。 加えて、平成27年10月からは、本市水産業の地域ブランド常磐ものをキーワードに、安全性への理解促進だけではなく、おいしさや品質といった本市水産物の魅力を発信するプロモーション事業を市内外で展開してまいりました。具体的には、首都圏での電車内モニターを活用した映像放映や女性向け生活実用情報誌への記事掲載、また、市内飲食店・小売店と連携した常磐もののキャンペーンを実施し、メニュー及び商品を紹介するなど、認知度向上や消費拡大を図ってきたところでございます。 ◆8番(田頭弘毅君) 最後に、今後どのような取り組みを進めていくのかお伺いします。 ◎農林水産部長(村上央君) 風評の払拭に向けた今後の取り組みといたしましては、消費者や流通関係者等への本市水産物の安全性への理解促進や、本市水産業の地域ブランド常磐ものの認知度向上や消費拡大を図るプロモーション事業をさらに進めてまいります。加えて、新たに、市内観光関係者と連携した広報活動や、市内水産加工業者が取り組んでいる商品開発や販路拡大に係る支援等を行うとともに、市内水産関係者の皆様からの御意見をいただきながら、常磐もののさらなるブランド化を推進してまいりたいと考えております。 ◆8番(田頭弘毅君) 本市における本格的な漁業再開には、幾つかのハードルがあり、風評被害の払拭についても、息の長い取り組みが必要であること、さらには、これらの課題解決のためには行政や水産関係者が一体となった取り組みが必要であることを再確認することができました。今後の常磐ものの事業展開に期待し、エールを送った上で、次の質問に移りたいと思います。 次の質問は、一般廃棄物ゼロ・エミッション推進事業についてであります。 将来に向けて健全な生活環境の確保を図るためには、循環型社会の構築に向けて、廃棄物の減量化や再資源化を進めることが重要であります。循環型社会形成推進基本法において、循環型社会とは、製品が廃棄物となることを抑制し、排出された廃棄物等についてできるだけ資源として適正に利用し、最後に、どうしても利用できないものは適正に処分することが確保されることにより実現される、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷ができるだけ低減された社会としており、国においても、これまでの間、最終処分容量の課題への対応や、廃棄物のリデュース・リユース・リサイクルの技術と、システムの強化等の対策がなされてきました。 このような中、いわき市は、新・いわき市総合計画ふるさと・いわき21プラン実施計画において、より一層、分別ルールを守り、ごみになってしまうものを減らすとともに、家庭や事業者・地域と行政が互いに連携して、資源となるもの、リサイクルできるものをふやしていくこととしており、その1つとして、一般廃棄物ゼロ・エミッション推進事業に取り組んでいるところです。 そこで、その取り組みについて何点かお伺いします。 初めに、いわき市が取り組む一般廃棄物ゼロ・エミッション推進事業の目的についてお伺いします。 ◎生活環境部長(小野益生君) 本市のごみ処理行政につきましては、市一般廃棄物(ごみ)処理基本計画を策定し、目指すべき将来像として掲げる将来世代に引き継ぐごみゼロいわきの具現化に向けて、各種施策を進めているところであり、その1つとして、一般廃棄物ゼロ・エミッション推進事業を位置づけております。 事業の目的としましては、市の最終処分場に埋め立てしている廃棄物について、市内外の資源循環型産業分野のすぐれた技術を活用して段階的に資源化を図ることにより、埋め立て処分量の削減と最終処分場の延命化を目指すものであります。 ◆8番(田頭弘毅君) ただいまの答弁によりますと、廃棄物を再資源化することで、理め立て処分量の削減を目指すとのことですが、これまで市が行ってきた一般廃棄物の処理において、資源化技術やルートが確立され、再資源化されているものは何かお伺いします。 ◎生活環境部長(小野益生君) 市では、家庭から排出される廃棄物のうち、缶類、瓶類、ペットボトル、容器包装プラスチック、製品プラスチック、廃乾電池、古紙類及び小型家電・金属類について、順次、資源物として回収しているほか、清掃センターの焼却灰についても再資源化しているところであります。さらに、クリンピーの家における、瓶の選別処理過程で発生するガラス残渣を、道路資材として再資源化したほか、缶・瓶の金属製のキャップについても、鉄やアルミニウム資材として再資源化を図ったところであります。 ◆8番(田頭弘毅君) それでは、それら一般廃棄物から回収した資源物の回収量について、過去3年間の実績をお伺いします。 ◎生活環境部長(小野益生君) 鉄やアルミニウム、容器包装プラスチックなどの資源物の回収量及び再資源化した清掃センター焼却灰の処理量は、平成25年度が約2万5,200トン、平成26年度が約2万5,400トン、平成27年度が約2万9,200トンとなっております。 ◆8番(田頭弘毅君) 平成27年度の資源物の回収量が、平成26年度に比べて3,800トンほど増加しておりますが、その理由は何かお伺いします。 ◎生活環境部長(小野益生君) 資源回収量が増加した理由につきましては、埋め立てごみ搬入量の多くを占める、清掃センターから排出される焼却灰の再資源化量が、平成26年度が約4,800トンであったのに対し、平成27年度は約9,000トンと大幅に増加したことによるものであります。焼却灰の再資源化は、福島第一原子力発電所の事故以降、放射能濃度の問題により一時中断しておりましたが、その後、放射能濃度が低下したことに伴い、再資源化を再開し、さらに処理ルートの拡大を図ったことによるものであります。 ◆8番(田頭弘毅君) 埋め立てごみの中で大きな割合を占める焼却灰について、リサイクル処理が進んだとのことですが、焼却灰は、どのような手法で再利用されているのかお伺いします。 ◎生活環境部長(小野益生君) 清掃センターから排出される焼却灰につきましては、民間のリサイクル事業者に処理を委託しているところであります。リサイクルの手法としましては、焼却灰を、焼成処理により人工の砂に再生する方法と、溶融処理により、焼却灰に含まれる金属を回収するとともに、人工の砕石に再生する方法があります。再生された人工の砂や砕石は、主に雑草抑制資材や、路盤材、コンクリート骨材などの土木建築資材として活用されているところであります。 ◆8番(田頭弘毅君) それでは、最終処分場へ埋め立てたごみの量について、過去3年間の実績をお伺いします。 ◎生活環境部長(小野益生君) 本市には、一般廃棄物の最終処分場としてクリンピーの森とクリンピーの丘の2施設があります。 クリンピーの森につきましては、焼却灰の一部やガラス製品、瀬戸物等の燃やさないごみなどを埋め立てており、埋め立て量の実績は、平成25年度が約8,200トン、平成26年度が約6,700トン、平成27年度が約3,500トンであります。 また、クリンピーの丘につきましては、小型家電・金属類や不燃大型ごみを破砕・選別した後の残渣などを埋め立てており、埋め立て量の実績は、平成25年度が約610トン、平成26年度が約480トン、平成27年度が約310トンであります。 ◆8番(田頭弘毅君) これまで、市が推し進めてきた一般廃棄物ゼロ・エミッションの取り組みにより、ごみの再資源化と、最終処分場への埋め立て処分量の削減が図られていることがわかりました。 最後に、市は、一般廃棄物ゼロ・エミッションの一層の推進に向けて、今後、どのように取り組んでいくのかお伺いします。 ◎生活環境部長(小野益生君) 今後につきましては、さらなる廃棄物の再資源化と埋め立て処分量の削減を図るため、埋め立てごみ搬入量の多くを占める清掃センターの焼却灰については、全量のリサイクル処理を目指してまいりたいと考えております。また、その他の不燃ごみについても再資源化の方法等を調査・検討しながら、循環型社会の構築と、将来世代に引き継ぐごみゼロいわきの具現化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆8番(田頭弘毅君) 今後も、廃棄物の削減や有効活用により、最終的に埋め立て処分となる廃棄物を限りなくゼロに近づけることで、環境への負荷が低減される、いわきのまちづくりを進めていただきますようお願いし、次の質問に移ります。 次の質問は、小名浜港周辺の道路整備についてであります。 県においては、常磐自動車道からのアクセス性の向上を図るため小名浜道路の整備を、また、小名浜と平を結ぶ主要幹線道路として都市計画道路平磐城線の整備を進めておりますが、小名浜道路につきましては、県が戦略的に県土復興を目指すべくふくしま復興再生道路に位置づけ、整備を進める道路であります。 そこで、いわき市はその整備についてどのように考えているか、まず、小名浜道路の整備についてお伺いします。 ◎土木部長(松本守利君) 小名浜道路は、泉町下川字大剣地内から山田町和久地内に至る全長約8.3キロメートル、幅員13.5メートルの都市計画道路であり、県が浜通り地域の復興・再生を支援するために重点的に整備を行うふくしま復興再生道路として位置づけ、重要港湾小名浜港と常磐自動車道を直結する設計速度時速80キロメートルの無料の自動車専用道路として整備を進めるものであります。 ◆8番(田頭弘毅君) 2つ目としまして、整備効果についてお伺いします。 ◎土木部長(松本守利君) 整備効果といたしましては、重要港湾小名浜港と常磐自動車道が直結することにより、常磐自動車道いわき勿来及び湯本インターチェンジへの所要時間がこれまでの約30分から約13分へと大幅に短縮され、アクセス性が飛躍的に向上し、海と陸の輸送網が一体となった小名浜港の広域物流拠点としての機能強化が図られるとともに、道路ネットワークが強化され、交通の分散による市街地の交通の円滑化が図られること、さらには、本市有数の観光エリアであるアクアマリンパークや開発が進む小名浜港背後地のさらなるにぎわいの創出や観光産業の復興・再生にも大きく寄与し、現在、整備が進められている(仮称)イオンモールいわき小名浜の開業と相まって、雇用の確保や交流人口の拡大など、本市の地域創生にもつながるものと大いに期待されるものであります。 ◆8番(田頭弘毅君) 3つ目としまして、現在の取り組み状況についてお伺いします。 ◎土木部長(松本守利君) 現在の取り組み状況につきましては、県によりますと、これまで都市計画決定や中心杭の設置、並びに調査設計を進め、沿線の全9地区のうち6地区において設計協議の地元合意に至り、現在、地権者と用地協議を行っているところであり、残る3地区においても、地権者や地元との合意形成に向けた協議を進めているところであります。 さらに、平成27年5月には、県と東日本高速道路株式会社において、(仮称)添野インターチェンジ付近から(仮称)いわき小名浜インターチェンジ付近に至る延長約2.5キロメートルの本線工事の業務委託に関する基本協定が締結され、本年7月に工事用道路の一部が完成し、引き続き本線工事に着手する見通しが立ったことから、去る11月19日に江畑地区におきまして、県、同株式会社及び本市の主催のもと、起工式がとり行われところであります。 ◆8番(田頭弘毅君) 4つ目としまして、今後の見通しについてお伺いします。 ◎土木部長(松本守利君) 今後の見通しにつきましては、県によりますと、平成28年度内に江畑地区のほか、下川黒須野地区、石塚添野地区での着工を予定するとともに、設計協議で残る3地区の合意を得て、全地区で用地取得、工事等を進め、平成30年代前半の完成を目指しているとのことでございます。 ◆8番(田頭弘毅君) さまざまな整備効果が期待される本道路については、一日も早い完成が待たれることから、県の事業が円滑に進むよう市の積極的な支援をお願いしまして、次の質問に移ります。 次は、都市計画道路平磐城線の整備についてであります。この路線のうち、小名浜地区においては、日産サティオ福島前の交差点から臨港道路までの区画の整備を残すのみとなっております。 そこでまず、1つ目として、現在の整備状況についてお伺いします。 ◎土木部長(松本守利君) 都市計画道路平磐城線の現在の整備状況につきましては、小名浜地区の延長約1.4キロメートルにおいて両側歩道の4車線化工事が進められているところであります。 このうち、県が工事を進めている小名浜花畑町地内の交差点から県道小名浜四倉線の本町交差点までの延長約876メートルの花畑工区につきましては、既に車道及び歩道が供用され、電線共同溝整備に伴う電力線等の移設、及び電柱の撤去を残すのみとなっており、本町交差点から県道小名浜港線の定西交差点までの延長約313メートルの小名浜工区につきましては、これまで東側の車道及び歩道の整備がおおむね完了し、現在、西側の歩道の整備を進めているところであります。 また、市が小名浜港背後地震災復興土地区画整理事業により進めている定西交差点から臨港道路2号線の辰巳町交差点までの延長約165メートルにつきましては、既に4車線化工事を終え暫定2車線にて供用しており、現在、最後の仕上げとなる歩道の整備を進めているところでございます。 ◆8番(田頭弘毅君) 2つ目としまして、完成の見通しについてお伺いします。 ◎土木部長(松本守利君) 花畑工区につきましては、残る電柱の撤去を進め、平成28年度末の完成を見込んでおり、小名浜工区につきましては、西側の車道及び歩道、電線共同溝の整備など、平成29年度末の完成を目指し工事を進めているところであります。 また、土地区画整理事業区間につきましては、今年度の歩道の整備をもって工事が完成することになりますが、4車線での供用は、交通安全確保の観点から、北側の小名浜工区の完成に合わせ平成29年度末となる見込みでございます。 ◆8番(田頭弘毅君) 今後、施設整備が完了し、港町小名浜の昔のにぎやかさを取り戻し活性化すること、及び復興のシンボルとなることを期待いたします。 これで、私の質問を終了します。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)--------------------------------------- △散会 ○副議長(蛭田源治君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の本会議は、午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。          午後5時10分 散会---------------------------------------...